見出し画像

学生講師向け生徒のキャラクター認知の方法論

学生講師さんからよく聞く子供たちとの接し方に関する悩みの一つに、生徒さんによって相性の良し悪しが違うというものがあるように感じます。
僕は一定の再現性をつくるために、子供たちと接する際に目の前の生徒さんの興味の方向と思考パターンから大きく四つに分類して、接し方や声掛けのパターンを決めています。
もちろん生徒一人一人の性格はそれぞれで、大前提として人対人のコミュニケーションありきなのですが、一定の方向性に落とし込むことで精神的負担が軽減されると思うので、今回はその辺についてまとめていきたいと思います。

接し方の方針を作るためのキャラクター四分類

性格分析にはハーマン分析をはじめとして色々ありますが、僕はざっくりと生徒のキャラクターについて、興味関心の方向性が内向的or内向的、志向の傾向が抽象的or具体的で次のように特徴を四つに分類しています。

「外向的かつ抽象的」なタイプは教室の空気感がみんなとの関係性、またその中での自分の見え方を重視する協調タイプ、「外向的かつ具体的」なタイプは仲間と競ったり、具体的な勝ち負けが付いたりするのを好む競争タイプといった感じです。
協調タイプと競争タイプの共通点はともに他者との関係性が前提にあることです。
他者との関係性の中で空気感や連帯感といった快不快が行動の基準になりがちなのが協調タイプで、他者との関係性を数値や白黒が付くような事柄で明確に定めたいのが競争タイプです。
こうした他者との関係性がありきになっているのが上半分の外向的な人の特徴であるのに対し、あくまで行動の基準が自分自身にあるのが内向的な下半分の特徴です。
「内向的かつ具体的」なタイプは自分の中での納得や分類・分析が得意な分析タイプ、「内向的かつ抽象的」なタイプは自分のなかの確固たる価値観や「べき論」を大事にする理想タイプと言えます。
ざっくりではありますが、それぞれの関心の方向で分けた特徴に基づいて接し方を調整するというのが僕の方法論。
以降はこの分類を用いてコミュニケーションの仕方について考えていきたいと思います。

四分類を用いた二つの接し方

ここからは上記の四分類を用いた生徒とのコミュニケーションのパターンをまとめていこうと思います。
このキャラクターの分類には自分の属性を知ることで生徒さんへのキャラクターの伝わり方をクリアにする方向と、生徒さんの属性を知ることで生徒さんとの信頼関係を構築する二通りの方向への使い方があります。

①自分の属性を把握することでキャラ立ちを強くする
②相手の属性を把握することで親近感を抱いてもらう

自分の属性を知って、その「らしさ」をデフォルメすると、生徒にとって「分かりやすいキャラクター」を作ることができます。
たとえば僕の場合は分析型なのですが、どんな些細なことでも理屈で考えたい、何でもかんでもルーティンにしたい、訳の分からない収集癖があるといった感じです。
あるいは競争タイプの人であれば、とにかく競争大好き、向上心ぐつぐつのイケイケタイプといった感じでしょうか。
自分「らしさ」を誇張することで、子どもたちにとってその先生が分かりやすくなります。
そしてその分かりやすさが接しやすさにつながるという印象です。
ここで需要なのは、分類して作った「らしさ」は生徒さんに押し付ける方向ではなく、あくまで自分の話や解説に織り交ぜるという部分です。
同じジャンル同士ならともかく、その考え方を押し付けてしまえばひとりよがりな嫌な奴になってしまいます。
そうではなく、自分の弱さのような部分を織り交ぜつつその根本にある「どうしようもなさ」のような形で伝えることが大切です。
これが①のパターン。

自分の属する部分の「らしさ」を誇張すればキャラクターを浸透するのに使えますが、それとは別にこの分類は目の前の相手の考え方を理解して合わせることにも使えます。
たとえば、生徒さんが理想型に属すると思うのであれば、理想型の考えや傾向を尊重したような接し方にするという感じです。
それぞれの分類に適した接し方を意識することで、生徒さんには「この人は分かってくれる」「この先生なんか相性がいい」といった印象を持ってもらうことができます。
相手のキャラクターに合わせることで親近感を抱いてもらうのが四分類のもう一つの使い方というわけです。
この二つを意識していると、生徒さんとのコミュニケーションがほんのすこしだけでも取りやすくなるかもしれません。

タイプ別具体的な接し方

さて、ここまでで四分類の活用方法について書いてきましたが、最後はそれぞれのキャラクターの考え方のサンプルをいくつか挙げておこうと思います。
基本的には冒頭に書いた傾向に基づいて行動を分類していき、ざっくりと自分の中でカテゴライズするのですが、そうはいってもいきなりは難しいと思います。
そこで今回は4パターンほど、それぞれの反応の違いをまとめてみました。
四分類の分け方・使い方の参考になれば幸いです。



以上は僕が学生時代に一人でも多くの生徒さんに満足していただける授業を一定の再現性で提供しようとして考えた接し方です。
冒頭でも述べたようにあくまで大前提は目の前の生徒さんとの一対一のコミュニケ―ションです。
現状、生徒さんによって相性の良しあしを感じている方がいらっしゃったら、接し方の手札を増やすという意味合いで活用していただけたら幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?