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龍谷大学公募推薦対策!10年分の文学史ポイント解説⑤




古文の文学史が苦手という人をよく見かけますが、文学史は①コアになる知識と、②その知識の使い方を覚える事で対応できます。11月は公募推薦が近いということで、何回かに分けて龍谷大学の文学史のポイント解説をしていきたいと思います。なお、この解説は龍谷大学の問題を解くのにあたって必要な知識に絞ってまとめております。学術的な厳密性や細かな知識よりも、問題を解くための情報を優先しているので、細かなツッコミはご容赦ください。


17年一般

『弁内侍日記』は鎌倉時代の宮廷を描いた日記文学ですが、同じ時代の作品を一つ選びなさい。
①『とばずがたり』 ②『今鏡』 ③『讃岐典侍日記』 ④『正徹物語』


〈難易度〉
2/5

〈解説〉
『とばずがたり』が鎌倉時代の中後期に後深草院二条(女性)が書いた日記ということを知っていれば解けるが、知らない場合でも、対応できるようにそれぞれの知識を応用させておきたい。
『正徹物語』は室町時代の歌論、『讃岐典侍日記』は平安時代に讃岐典侍(女性)が書いた日記なので除外。
迷うのは『今鏡』だが、「大根水増し」の語呂合わせのうち、大根(大鏡、今鏡)は平安時代の作品であることを思い出せば消去法でも答えられる

〈ここだけチェック〉
『とばずがたり』
鎌倉時代の中後期に後深草院二条が書いた日記。時代と共に女性が書いた日記という所を押さえておきたい。
『今鏡』
『栄花物語』及び残りの四鏡(『大鏡』『水鏡』『増鏡』)と合わせて歴史物語というジャンルであることを押さえておく。
大根水増しの語呂合わせの前半「大根」部が平安時代の成立という点まで覚えておくと応用がきく。(『水鏡』は鎌倉、『増鏡』は南北朝時代に成立)
『讃岐典侍日記』は平安時代に讃岐典侍が記した日記。堀河天皇の看護と鳥羽天皇との生活の様子を書く。
『正徹物語』
室町時代の歌論

16年一般

『更級日記』の作者の名前を次のうちから一つ選びなさい。
①額田王 ②菅原孝標女 ③藤原道綱母 ④和泉式部


〈難易度〉
1/5

〈解説〉
これはストレートに菅原孝標女を選びたい。

〈ここだけチェック〉
額田王
『万葉集』に「君まつと...」の和歌が掲載。
菅原孝標女
『更級日記』の作者。同作品は物語に憧れる少女の日記。菅原孝標女は『浜松中納言物語』『夜半の寝覚』の作者ではないかとされる。
藤原道綱母
『蜻蛉日記』の作者。同作品は一夫多妻制に悩む平安時代の女性の胸中が記される。
和泉式部
『和泉式部日記』の作者。為尊天皇と敦道天皇との恋の様子を描く。

15年一般

『源平盛衰記』と同じジャンルに属する作品を一つ選びなさい。
①『土佐日記』 ②『日本霊異記』 ③『太平記』 ④『神皇正統記』


〈難易度〉
1/5

〈解説〉
こちらも確実に正解しなければならない。『源平盛衰記』は「源平」とあることからも軍記物語(リード分を読めば分かる)ということで、『太平記』を選ぶ。

〈ここだけチェック〉
『土佐日記』
紀貫之の作品。女性に扮して土佐から京都へ帰る55日間を描いた日記。
『日本霊異記』
平安時代初期に書かれた現存する日本最古の説話集。
『太平記』 
南北朝時代の動乱を描いた軍記物語。室町時代に成立。
『神皇正統記』
南北朝時代の歴史書。

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