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その後のアカピッピミシミシガメ。

2020年7月、福岡は豪雨であちこちの川が氾濫していました。
そんな中…県内某所の女性(仮称:Aさん)宅に一匹のミドリガメの子供が流れ着きました。
猫好きで熱心な動物愛護活動家でもあるAさんはこのカメを保護しようとしましたが、爬虫類飼育や保護に関する知識を持ち合わせていなかったので、Twitter上で知恵を借りる事にしました。

相当テンパってたそうで、よく見たらアカピッピ以外も誤字ってる

ミシシッピアカミミガメを
アカピッピミシミシガメと盛大に誤字ってのツイートで。

実はこの「アカピッピミシミシガメ」という誤字そのものは以前からwebやリアルのあちこちで見られていたものであり、Aさん自身も過去に誤字った経験がある、そんなにレアな案件ではなかったのですが…
タイミングが良かった(悪かった)のか、このツイートは当の子ガメそっちのけで凄まじくバズり、日本国内のTwitterはアカピッピミシミシガメというワードで埋め尽くされ、早々にイラスト素材を販売する者まで現れ始めました。

ツイートのリプ欄は「ミドリガメは外来種だから○せ」「ミドリガメを○すには冷凍してやったらいい」等の外来種の扱い方を曲解した心無いクソリプや自称動物愛護系のマウントおじさん、Aさんが女性であったが故に湧いた下心丸出しの男性etc.…地獄のような惨状を呈していました。

一方、この騒動を偶然知った筆者は、大昔同じく大雨で流されてきた個体を拾ってそのまま飼育、数年前に13才で病死してしまったミドリガメ「ズーシー伯爵」の面影をこの子ガメに感じたのと、同じく動物好きの福岡県民で、かつ爬虫類飼育・保護に関しては一応素人ではなかった事もあり、酷いリプ欄の中で里親に志願しました。
程なくして、Aさんが昔作ってそのまま放置していた「アカピッピミシミシガメTシャツ」販売コンテンツの残骸が発見されるや、「Aさんは営利目的で誤字ツイートを流したのではないか?」との的外れな推理がTwitter上に横行し、彼女は更なる誹謗中傷に晒されてしまいました。

といった具合に「webの闇」そのものともいえる悲しい展開を辿った一連の騒動ですが、肝心の子ガメの行方を気にする人は殆どいませんでした…

しかし。

子ガメが来た日、当時やってたツイ垢に上げた到着画像

Aさんの車に乗って、子ガメは無事我が家にやってきました。
子ガメはAさんが拾得物としての届出をきちんと行なっていたので、届出の期限が切れてから我が家の正式な家族の一員となり、今に至ります。

この頃はまだ、Aさんが持ってきたプラケースでそのまま飼ってた

とはいえ、Aさんも筆者もTwitter上での騒動に疲れ果てていたのは事実です。筆者はAさんのツイ垢移転や再炎上対策のサポートを行なった後、それまで長らくやっていたTwitterを一旦辞めました。

今日のアカピッピ、改めテト。丸々してるお利口さん

その後、この子ガメには新たに「テト」という名前が付けられ、今では「テト!」「テの字!」と呼ぶとケース内でもリビング放し飼い状態でも関係なく駆け寄ってくる程に、よく慣れてくれています。
これからも、他のカメ達ともども、末長く家族として飼っていきます。

付記
今更ながらnoteを始めようと思ったきっかけは「古いバイク関連の情報継承」でしたが、この子にまつわる騒動についても当事者のひとりとして情報発信が必要かな?と思い、本項を書きました。
うわべの刺激的なネタに踊らされて肝心の本題ないし中核を見失う事のなきようにしていきたいものです。

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