はねじろう的プロレス進化論②

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どうも✨😊
はねじろうです✨😊

さて、突然ですが、
「ニッチ」という言葉をご存知でしょうか?

元々は「隙間」という意味らしいですが、
生物学上では、「生態的地位」を指す言葉として使われています。
生態的地位とは、わかりやすく言えば、
ある環境下での食物連鎖上の頂点です。
例えば、アフリカのサバンナでは、
食物連鎖の頂点はネコ科のライオンです。
ネコ科は元々、ジャングルや森林に適応すべく、
進化してきた種で、単独生活が基本です。
ライオンは、そんなネコ科の中でも、
サバンナという新たな環境に適応するために、
「集団生活」という生態を身に付け、
進化してきた種なのです。
このように生物は、食物連鎖の頂点になるべく、
生存競争を繰り広げながらも、時には進化し、
常に新たな環境を求めていくものなのです。
そして、その新たな環境とは、
地殻変動や上位種の絶滅等様々な要因によって、
時代によって常に変化してきました。

前置きが長くなりましたが、
これはプロレス界においても同様です。
このわかりやすい例が、全日本プロレスです。

全日本プロレスにおけるニッチ

全日本プロレスでは、
過去に3度の選手大量離脱がありました。

1度目は1990年のSWS創設時。
当時は、絶対的エースとしてジャンボ鶴田選手、
ライバルに天龍源一郎選手といった図式でした。
その天龍選手以下、選手が大量にSWSに流出したのです。
そして、この天龍選手達の空いたニッチを埋めるべく、三沢光晴選手を筆頭に、川田俊明、
田上明、小橋建太の「全日四天王」と呼ばれた
選手達が台頭していきました。
当時の試合は「四天王プロレス」と呼ばれ、
今もなお語り継がれる程のハイレベルな攻防は、
プロレスの究極の進化と呼べる程のものでした。

2度目は2000年のプロレスリング・ノア創設時。
この時は、三沢、田上、小橋以下、
所属選手の殆どが退団しました。
そして、この空いたニッチを埋めたのが、
後に新日本プロレスから移籍してきた、
武藤敬司選手でした。
武藤選手は当時、格闘技路線の新日本から、
全日本に新たなニッチを求めて来たのです。
そして、諏訪魔や真田聖也(現:SANADA)
といった、新しい選手も台頭していきました。

3度目は2013年のWRESTLE-1創設時。
この時も、武藤選手や真田選手など、
所属選手の多くが退団しています。
現在、そのニッチを埋めているのは、
絶対的エースである宮原健斗選手でしょう。
また、今では、青柳優馬や安齊勇馬といった、
選手達も台頭し始めています。

このように、全日本の歴史は、
約10年~13年周期での大量離脱、
そしてそのニッチを埋める繰り返しなのです。

新日本プロレスにおけるニッチ

さて、新日本の場合はどうでしょう?
過去にジャパンプロレスやUWFの創設時に、
選手の離脱は有りましたが、
全日本程の大量離脱はありません。
ただし、トップ選手が抜けた例は、
同様に存在します。

わかりやすい例は、近年のBULLET CLUBの、
リーダー交代劇でしょう。
BCの初代リーダーである、
プリンス・デヴィッド選手がWWEに移籍した後、
2代目リーダーのAJスタイルズ選手、
3代目リーダーのケニー・オメガ選手、
4代目リーダーのジェイ・ホワイト選手と、
次々と海外に選手が流出していく中で、
そのニッチを埋めるべく、
新たなリーダーが誕生してきています。
BCのリーダーとは、言うまでもなく、
新日本におけるトップ外国人選手の地位です。
今は、5代目のデビッド・フィンレー選手ですが、
これからトップ外国人選手としての地位を、
確立していくことでしょう。

さて、一方、日本人選手の場合ですが、
トップ選手が抜けた大きな例は、
2016年の中邑真輔選手のWWE移籍でしょう。
この時は、棚橋弘至選手が絶対的エースとして、
新日本を支えており、中邑選手はそのライバルといった地位でした。
その中邑選手の空いたニッチを埋めてきたのが、
内藤哲也選手です。
当時はオカダ・カズチカ選手も既に絶対的エースとして君臨しており、
棚橋選手からオカダ選手にトップが移った後も、
内藤選手の台頭はそのまま、
新日本の看板カードへとシフトしています。

そんな新日本に2024年、激震が走りました。
オカダ選手のAEW移籍による退団です。
絶対的エースであったオカダ選手の、
この空いたニッチを誰が埋めるのか?
今はその生存競争の真っ只中です。
そしてその舞台がG1 CLIMAX 34という舞台で、
整えられました。
G1は、最強選手を決める場であると同時に、
歴史的に見ても、世代交代の場でもあります。
2024年は、多くのベテラン中堅選手の代わりに、
多くの若手選手がエントリーされています。
おそらくここから、
新日本内での新たな生存競争が始まり、
歴史の分岐点になることでしょう。
誰が優勝するのか?はもちろんのこと、
歴史は繰り返すのかにも注目しながら、
2024年を見ていきたいと思います。

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