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「この人を悼む」シリーズの前に軽く「キグルミ声優学」から

長く継続している掲示板が予告通り消える、
といふのはそれまでネットに書き込んでいた
いろんな人に対しての追悼コメントも逐一消えていく、
といふことなので(一応大方のサルベージは行ったのですが、
すぐにネットに残ったのを拾うことは難しくなるわけで)
ひとまず「この人を悼む」シリーズを立ち上げて、
文章ごと拾い上げていく、そんな感じをやってみようかなと。

この掲示板の寿命も最大限8月まで、といふ宣告は出てしまった
わけですが。
https://teacup.com/infomation/view?id=243

で、1回目は愛川欽也氏でもまとめようかな、と思ったので、その前段に書いてあった
「キグルミ声優学」とその補遺を再構成して纏めてみようかなと。

で、キンキン追悼のコメントとしてまずまとまったのは
「キグルミ声優学の系譜」といふ一章から。

『おはよう! こどもショー』ロバくんが嚆矢


キグルミ声優学としたところで、まず外せないのは
まず日テレで「ズームイン!朝!!」の前にやっていた
『おはよう! こどもショー』になるのでしょう。

その初期(1965-1972頃)にロバくんに入って声も
演じていたのが兄役の愛川欽也と弟役の富山敬でした。

(パペットタイプのロバくんの声を演じていたのは
故田の中勇。この頃には既に小さなマイクをキグルミに
仕込む技術が確立されていたので、この形が成立する
ようになった、と)

青二塾の特異的なカリキュラムは日舞とキグルミ操演

俳協から大別れしていった声優事務所の中で
青二プロは日舞などもカリキュラムに入れる
かたわら仕事の一環にキグルミの操演を組み込んでおり
(「SHIROBAKO」などでウメブーのキャライベントが
描かれたのはまあ言ってみればそのあたり)、
そこから1990年代に啓蒙したきぐるみ声優久川綾が
その後の「ゆるキャラ」ブームを受け入れる素地作りを
していたのがひとつのメインストリームですが
(ま、そのあたりの研究はかつて私が卒論相当の文章で
得意にしてきた分野でもありますが)、もう一つの流れが
こちらで、主にNHK放送劇団上がりの人達が演じつつ、
キグルミにも入る時代が存在していて、この愛川欽也・
富山敬時代から以降もぷろだくしょんバオバブ方面で
受け継がれて(2007年からは俳協に移籍)、現在最も
有名なのは『いないいないばあっ!』のワンワンに
入りながら演じ続けているチョーさんになるのでしょう
(旧名:長島雄一。最近では壇蜜と共にBSジャパンの
「にっぽん真発見」でナレーションをしてもいたり)。

そういうわけで、そんなクラシカルなキグルミ声優も
一応は後を継いでいる人がいるんだ、といふあたりを
認識するまでがキグルミ声優学かな、と。

で。キグルミ声優学の補遺ですが。
onちゃん→ひこにゃん→くまモンといったメイン
ストリームのきぐるみは操演するけど基本喋らない
(まあonちゃんを安田顕が操演していた頃は、
ミニチュアのonぐるみとかかぶるか中の人として出て
大暴れしてたものですが、そのあたりはレアケース)。

でも「知性のあるキグルミ」として自分で中に
入りつつ進化した流れとしてはやはり「ふなっしー」
といふ完成形を想起せずにはいられないワケで。

そうした愛川欽也や富山敬、そしてチョーさんが下地を
作ったところをベースにして「ふなっしー」といふ完成形が
登場したことはある意味感慨深いモノがまたあるので
ございます(草の根的で、かつ公的資金の入っていない、
ある意味泥臭いキグルミの系譜としても共通しているところ
があるのがまた、すごく納得のいくところ)。

といふことで、今度は2015年4月に亡くなられた
愛川欽也氏にまつわる追悼文を纏めて出してみようかと。
寅年の流浪人torov、でした。