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今更ながらAGTとBGTにハマる

YouTubeから離れられない。
America's got TalentとBritain's got Talentのせいだけど、出会えてよかった。


America's got Talent(通称AGT)は、一言で言うとアメリカで放送されているオーディション形式のスター発掘番組。このような番組はアメリカやイギリスでは人気があり、イギリスでもBritain's got Talent(通称BGT)が放送されている。
2009年、当時47歳のスーザン・ボイルが圧倒的歌唱力で審査員と観客を驚かせ話題となったあの番組こそがBGTである。

『I Dreamed a Dream』Susan Boyle

私はこのスーザン・ボイルの動画をよく見る。
彼女の美しい透き通る歌声、審査員たちの驚いた表情、観客のどよめきが歓声になる瞬間。そして、歌う前の冷笑に惑わされることなく堂々と歌うスーザン・ボイルの強さ。それらがあまりに劇的なのだ。なんとなく行きつ詰まった時や心に余裕がなくなってきたとき、この動画を見て勇気をもらっている。

確かに、ここのところ私は疲れていたかもしれない。入社して5年同じ仕事しかしていない自分に焦り、自分で手を挙げて参加した新しいプロジェクトが本格的に動き出した。ワクワクする一方、新プロジェクトが進行すればするほど、自分が通用するのかという不安が、認めたくないけど増幅されている。さらに、昇格する為の半年間かかる研修を受けることも決まったし、また別の既に進行中のプロジェクトのリーダーも、今までのリーダーが転勤したことで玉突き的に任されることになった。人前に立つのが苦手で、これまで「発表」とか「リーダー」は避けてきたが、年次的にもうそういった役割から逃れられなくなってた。嫌だけどできるようにならなければいけないし、今が成長の時だから逃げずに真剣にやる。それは絶対変えないけれど、無理に前向きに振る舞うのが息苦しくなっていた。

さらにコロナウイルスの影響で仕事は在宅となり休日は外出自粛。家に一人でいる時間が長くなり、天気は良くても気持ちは悶々として全く晴れない。動いてないから身体は疲れていないし、この外出自粛期間こそ時間を大事に使わねばという焦りもあり、昨夜は寝付けなかった。

スーザン・ボイルの動画を見てリセットしよう。そう思ってYouTubeを開き、彼女の動画を見たら、なんとなく他の人のパフォーマンスを見たくなって、関連動画を漁り始めた。そしたら、そこにはたくさんのドラマがあった。


『Fight song』 Calysta Bevier

キャリスタ・バヴィアー。最初、和訳がついてない動画を見て、歌声がとても綺麗だと思った。審査員がどんな風に賞賛しているのか気になり、和訳がついている上記の動画を見た。彼女は16歳で、さらに癌を患い克服した過去があるとのこと。私はドキッとした。そして歌詞に注目しながら彼女の歌を聴いたら、涙が止まらなくなった。

I might only have one match(私にはマッチ1本しかないかもしれないけど)
But I can make an explosion(爆発を起こして見せるわ)

This is my fight song(これは私の戦いの歌)
Take back my life song(人生を取り戻す歌)
Prove I'm alright song(私が大丈夫だってことを証明するための歌)

何回も聴いた。多分連続で25回は再生した。Fight songの歌詞と彼女が彼女の意志そのもので、曲、声、歌い方、そしてまなざしの全部が強く美しかった。壮絶な運命を乗り越えた彼女の夢を叶えようとしているその姿に心が震えた。


腹話術 Dalci Lynne

ドルシー・リン。彼女はなんと12歳。歌を上手に歌うことすら大人でも難しいのに、彼女は腹話術で圧倒的な歌唱力を披露。さらに、他にもジョークのセンスといい滲み出る人柄の良さといい、全てが凄い。彼女は2017年のAGTで優勝しており、このパフォーマンス以外にもいくつかのAGTでのパフォーマンス動画があるが、その全部が面白く可愛く、私たちを最高にハッピーな気持ちにさせてくれる。そんな最強にみえる彼女、実は恥ずかしがり屋で人と話すのが苦手で、人形と一緒だったら自分を変えられると思って腹話術に挑戦したとのこと。腹話術の極めるうちに恥ずかしがり屋は克服したといい、楽しみながらの満面の笑みでパフォーマンスをする姿はとても愛おしい。


彼女たちの他にもたくさんパフォーマンスを見た。5歳で全く物怖じせずビブラートを披露する少女がいた。緊張しすぎて震えている少女が音楽がかかった瞬間別人になった。8歳の天使のような可愛い少年が審査員をネタにした辛辣なブラックジョーク披露した。マジックで観客を泣かせた男性がいた。曲を突然止められアカペラで歌うことを要求された少女が、見事アカペラでアレサ・フランクリンのthinkを歌い上げた。


どのパフォーマンスでも泣けてしまうのは、参加者全員が緊張や不安と戦っていることが感じられるから。パフォーマンスに彼らが乗り越えた人生や考え方が現れるからだと思う。素晴らしい才能を持つ彼らだって、それぞれ悩みや苦労がある。そう思うと、私が悩んだり不安になるのは当然で、ここ最近のモヤモヤとしていた気持ちが少し軽くなった。これからも、気分が落ちた時はAGTとBGTを見ようと思う。



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