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日記 2024/6/27│ぼくらを乗せて

研究の調査のために東北に行くので、中央線で東京に向かう。大学生のとき以来の夜行バスで少し緊張する。私の腰はまだ夜行バスに耐えられるのか……!?どきどき。

東京行きの電車の中は、複数人で連れ立って乗っている人が多くてなんだか賑やかだった。でもうるさくなくて晴れやかな感じがした。なんだかほっとした。

向かいの席に座っていた女性二人組は、母(50代)よりも少し上の世代だっただろうか。大きな身振りで楽しそうに話していて、でも声は届かないので何を表した動きなのかは分からなかった。でもジェスチャーで何かを伝え合うたびにくすくすと笑っていて、気の合う二人なんだなーと思った。

隣に座っていたのは女子大生らしき三人組で、最初はそれぞれ何かの動画を熱心に見ていたので知り合い同士ではないのかと思った。でも、少しするとみんなイヤホンを外しておしゃべりを始めた。
「そんなによかったかなぁ!?」「自分だと分かんないよね笑」「でもすごい褒められたね!」
みたいな会話が聞こえた。なるほど、ダンス部?(たぶん)
三人とも嬉しそうだったし、少しの照れと達成感が彼女たちの周りに漂っていて素敵だな、と思った。爽やかなものを見せてもらった。ありがと、と心のなかでお礼を言った。

東京駅からバスに乗るのは久しぶりだ。
バス停を見つけるのにちょっと迷ったし、乗る前にトイレに行っておこうと思い空いているトイレを探したらやたらと遠い場所まで行ってしまったが、なんとか目的のバスに乗れた。

明日の朝、目が覚めたら東北にいるのか。
研究が行き詰まっていて、なんだかにっちもさっちもいかなくて、この調査も「今回パッとした資料が見つからなかったら、さらに次のフェーズのヤバいに突入する」(by 先生。こんな言い方はされていない。)ということでなんだかヒリヒリした気持ちでいたけど、日常と違う場所に行く前はやっぱり良いな。「緊張感の中にわくわく感をひとさじ加えました」みたいな、少しひんやりしたキラキラしたものに触るみたいな気持ち。一人長距離移動、好きだな。

そんなこんなで、もうすぐ消灯らしい。
寝てる私や乗客の皆さんを乗せて、バスは北へ走る。


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