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【まず知ること編】バーチャルで生きるためのブランディングのこと




計画のない目標は、
ただの願い事に過ぎない。

-『星の王子さま』の執筆者 アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ-




・・・

鳥鳥鳥(さんとりい)[@3tori_virtual]です。

前回のマガジンでは「まず知るべきマーケティングのこと」をお話させていただきました。
さっそく、沢山の人に読んでいただけてとてもありがたいことです。

今回は、マーケティングの話よりもっと大きな枠組みの話、「ブランディング」の話をしたいと思います。

ブランディングってなんのことでしょうか?
まずはイメージしてみましょう。ブランドと言って想像できるモノは?
ここで、なにか思いついたモノがあれば、それらは間違いなく「ブランディングに成功しているモノ」です。

なんとなく、わかりましたかね?
まだわからないという人も、少しわかったかもという人も、このマガジンを読んで「ブランディング」への理解をしっかり掴んでいきましょう。

そのために、まず話を先へ進めていきましょう。
そう、例えば、「思いつかせるということが、何の役に立つのか」という話を。

◆この記事をお勧めする人

- マーケティングとブランディングに関係なんてあるの?
 =>マーケティングとブランディングは、本来は全く違うものです。しかし、両方とも「消費者が商品やサービスを購入する」という場面で影響力を発揮するという共通点があります。両方ともお互いに良い影響をしあう関係にあるのです。マーケティングによってより良い結果を得るためにも、今回はブランディングというものを知っていきましょう!

- そもそもブランディングってなに?というレベルの人
 =>今回はまさにその話をします!ぜひ読んでいってください!

- 個人レベルの活動でブランディングって必要なの?
 =>これはあとにもお話させていただきますが、そもそも「ブランド」とは、ざっくり言えば商品やサービスをイメージさせる力のことを言います。ブランディングを意識しない、つまり消費者にイメージさせる力が弱いままにしているとどうなるのか、消費者がなにかの購入を考える際に「あなたの商品をイメージしない、購入する選択肢に数えていない」状態に陥ります。これで、なぜあなたの商品が売れるのでしょうか?個人レベルでも、ブランディングを意識することは重要です、この機会にぜひお読みください!



1,まずは「ブランド」を知る。イメージさせる力の話。

◆それってブランド?

Aさん「このサービスは何よりも凄いからブランドだ!」
Bさん「この商品は最高級品だからブランドだ!」
Cさん「この人はとても尊敬できる、ブランドだ!」

上記は全部、「ブランド」ではないです。
ブランドを築いている…とは、言えるかもしれませんね。


ブランドとは、大衆的な(商品やサービスに対する)イメージが先行してしまって、よく勘違いされるものなのです。
ブランドというものを語るときに、確かに上記の要素が当てはまることが多いですが、だからといって「凄いサービスであること」「高級品であること」「尊敬できる人物であること」を『ブランドである』などとは言いません。

では、「ブランド」とは何なのか。
これについては一応、「アメリカ・マーケティング協会」という存在が、その言葉を以下のように定義しています。

◆ブランドの定義

「商品やサービスを識別させ、競合他社の商品やサービスと差別化するための名称、言葉、シンボル、デザイン、あるいはそれらの組み合わせ」

などと、定義から紹介しましたが、実はこれは「ブランド」を構成する要素でしか無く、定義と言うにはあまりにも拙い内容です。
ブランドについてを理解するには、この定義を理解するよりも実際にイメージしてもらったほうが早いし、とても簡単です。


例えば、「うまい棒」を想像してみてください。
そして、この商品の税別の料金はいくらですか?


イメージできましたか?ここではそのまま、イメージできたと仮定して話を進めます。
では、イメージできた時点でこの商品はブランドを築いていると言えます。
「この商品が税別10円である」とイメージさせることに成功しています

そうです、あなたは「税別10円の商品を購入する」という行動を行うとき、この商品をイメージできることでしょう。
購入条件(イメージする要因)が「税別10円の商品」だった場合、この商品(うまい棒)は消費者にイメージさせる力があると言えるのです。

これが、「ブランド」の一例です。
「ブランド」とは、つまり「イメージする要因に対して、消費者にイメージさせる力」のことなのです。

先述の” ◆ブランドの定義 ”の内容を一部引用するのであれば、「その商品やサービスが(消費者によって)識別されているとき、その識別されている商品やサービスはブランドになっている状態である」と言います。
やっぱりこの定義、逆にややこしいですね…。あんまり好きじゃない表現です…。

「凄いサービスであること」
「高級品であること」
「尊敬できる人物であること」
こういうものがブランドなのではありません。
それがどんなものかイメージしようとしたときに、消費者にイメージさせることができる力のことを「ブランド」というのです。


◆ブランドとは

「ブランド」とは、それがどんなものかイメージしようとしたときに、消費者にイメージさせることができる力のこと。

「凄いサービスであること」 → 「note」「豪華客船クルーズ」
「高級品であること」 → 「ルイ・ヴィトン」「ダイヤモンド」
「尊敬できる人物であること」 → 「恩師・偉人などの個人名」
など

「イメージする要因に対して、消費者にイメージさせる力」=「ブランド」


どうでしょうか、「ブランド」というものがわかってきたでしょうか?
そして、多くの企業が「ブランド」に力を注ぐ理由も、なんとなく想像しやすくなったのではないのでしょうか。
消費者が購入を検討する際に、まっさきにイメージが思い浮かぶようになるという力は、確実に絶大な効果を発揮します。購入に直結する力ですからね。

そして、当然ながら、ブランドの力は個人レベルの活動であっても十分通用します。
消費者にとっては、まずイメージすることが購入の出発地点なんですから、個人かどうかなんて関係なく、ブランディングは行うべきとも言えます。


そろそろ、いままでなんとなくしか理解していなかった「ブランド」というものに、力を注いでみたくなってきたのではないでしょうか。

では、力を注いでみましょう。
そのための方法が、「ブランディング」というのです。

さっそくですが、次は「ブランディング」の話をしていきましょう。



2,「ブランディング」を知る。ブランドを育てるとどうなるのか。

◆イメージする消費者

「◯◯ってどんな商品?」

Aさん「赤い缶」
Bさん「黒い飲み物」
Cさん「炭酸飲料」
Dさん「独特な形のペットボトル」

Eさん「よく知らない
Fさん「どんなときに必要なの?
Gさん「何に使うの?
Hさん「これってそんな名前だったの?

上記の例ですが、何の商品の話なのかを想像したとき、「コカ・コーラ」をイメージしてもらえたなら成功です。


まず、「ブランディング」を行うことの目的をもっとも簡潔に説明するのなら、

『(売る側の)こう思われたい』と『(消費者の)こう思う』を一致させること。

と言えるでしょう。
(上記の表現は、このあとも何度か使用させていただきます。非常に簡潔でわかりやすいため、この機会にぜひ覚えてほしい一文でもあります。)


「ブランディング」とは、その商品やサービスの「イメージさせる力=ブランド」を育てること、またその方法のことです。
言い換えると、「商品やサービスのイメージを明確にすること、またそのための方法」のことを言います。

商品やサービスのイメージを明確にし、また高めていくことで、『こう思われたい』と『こう思う』が近づいていき、結果的に『消費者のイメージのしやすさ=ブランドの確立』につながります。

◆ブランドが確立している

『赤い飲料』と言ったとき、
「コカ・コーラ」「トマトジュース」「ワイン」などをイメージすることがあることでしょう。

しかし、
「コカ・コーラ」はそもそも黒い液体で、
「ワイン」はほとんど黒に近い色で、しかもほとんど透明な白ワインだってあるはずです。
それでもどちらも、「トマトジュース」と並べても違和感のない「赤」のイメージを持ちます
これは、ブランドが確立しているからだと言えます。

「コカ・コーラ」であれば『赤いコーポレートカラー』が、
「ワイン」であれば『ワインレッド』と呼ばれる色の名称などが、
それぞれが、『消費者に「赤い飲料」というキーワードからその商品を想起させること』に成功しているのです。


また、イメージを明確にするということについては、
「誰がどのようなシチュエーションでイメージするのか」
「どんな商品をイメージしてもらいたいのか」

という2点を意識することが重要となります。

◆手違えれば、致命的なほどに売れないものとなることもある

上記の2点を意識しないことで発生するよくある失敗例としては、
「商品の名前・色・形状などを覚えてもらったけど、購入されない」
「ロゴマークを作ったけど、そこから連想できる商品やサービスがない」

などがあります。

上記の問題はそれぞれ、
「イメージが明確でも、シチュエーションと結びついていない」
「そもそも、商品やサービスのイメージが明確ではない」

という状態であるために発生する問題です。

本当に、この問題はめちゃくちゃ多いです。
どの企業でも致命的なまでに売れないものというのは、ほとんどの場合コレが原因です。
マーケティングにどれほど力を入れようが、購買欲求が発生したときにイメージされない商品など、競い合う・戦う前から負けているのです。

「誰に伝えるのか?(ターゲットの明確化)」
「何を伝えるのか?(商品やサービスのイメージの明確化)」

これを高めていくこと・育てていくことが、ブランディングの役割となります。


◆ブランディングとは

ブランディングとは、ブランドを育てること。

その役割は、「誰に伝えるのか?」「何を伝えるのか?」を明確にしていくこと。

その目的は、『(売る側の)こう思われたい』と『(消費者の)こう思う』を一致させること。


ここまでわかれば、あとは実践するのみです!

ですが、実践する前に、次の節で「ブランディング・マーケティングを実践するとはどういうことなのか」を知っていきましょう。

そして、より「バーチャルで生きる」の実現に近づくことができるように、ここから先もじっくりお読みいただけますと幸いです。



誰にも届かない。目の前のたった一人にすら。

◆誰にも届かない。目の前のたった一人にすら。

Aさん「ぜひTwitterでこの情報をリツイートしてください!」
Bさん「…? 別にいいけど、なんで? 何を?

例えば、なにか大きなイベントを企画したとしましょう。
オシャレな名前をバッチリ決めて、ド派手な宣伝を打ち出したとしましょう。

で、
それは何をするイベントなんでしょうか?
どんなことをするのか、イメージできるのでしょうか?
それに、そのイベントは誰の目や耳に届いているんですか?
仮に誰かの目や耳に届いたところで、その言葉できちんと伝えることはできているんでしょうか?

何が伝わっているのか、あなたはきちんと知ることができていますか?
何が伝わっていないのか、あなたは知ることができていないんじゃないですか?


ブランディング・マーケティングを実践するとき、初心者ほど勘違いするものなのですが、ブランディング・マーケティングを実践するということは、消費者に認知されて終わりではありません。
そして、情報は待っていても手に入りません。

これだけだと「え、何の話?」って感じですよね、まぁ、まずは落ち着いて次へと進んで、読んでみてほしいです。

言ってしまえば当たり前なのですが、ブランディング・マーケティングを実践しても、それがどこまで、そしてどのように伝わっているのかを調べることまでできなければ、ブランディング・マーケティングがどれほど何かの役に立ったのかなんて、まったくわからないのです。

逆に、今あなたが行っているブランディング・マーケティングが、どれほど役に立っていないのかも、まったくわかりません。

ブランディング・マーケティングが「効果があった/効果がなかった」という話は、もし何も知らないあなたがそんな事を言ってしまっているのだとしたら、それは「なんのデータも確証もない、ただの妄想の話でしかない」と言い切って良いものです。

それが何の役に立ったのか、逆にどれほど役に立っていなかったのか、あなたがそれを確かめるための情報を集めなければ、確かめようがないことなのです。


例えば、Twitterのいいねの数・リツイートの数・インプレッション数。

まぁ、他にもいろんな数字がありますよね。
これらの数字で、どこの、誰に、どれだけの情報が、どのように伝わったのか。
なんて、わかりますかね?

プロのアナリティストであれば、その数字から分析をすることなんて普通にやってのけるでしょう。(その数字だけで読み解くという話ではありませんが。)
でも、今これを読んでいるあなたでは、その程度の数字で、誰がどのように認知してくれているのかなんて知ることはできないはずです。


ブランディング・マーケティングを実践するということは、
『その商品やサービスについて』
「何を・何が」
「誰が・誰に」

「いつ」
「どこで」
「なぜ」
「どのように」
(どれくらい・いくらで)

『認知してくれたのか』
これらを知ることこそが最も重要で、大切なことなのです。
(この思考要因を『5W2H』なんて言いますね。)

別に、これがわからなかったところで、すぐに実践できるブランディング・マーケティングというものはあります。
どんな商品やサービスであろうとも、最初からデータがすべて揃っているわけではないですし、そもそもそれらのデータは「こちらから商品やサービスを提供・または情報を発信して、初めて入手できる」というものがほとんどです。

だからこそ、よく勘違いされるのです。
データを集めなくてもブランディング・マーケティングは実践できているのだと。
ブランディング・マーケティングを始める一歩目を踏み出しただけで、全部が終わったのだという勘違いを。


ところで、もしかしてですが、これだけ読んで、
「データを集めなくちゃいけないなんて…もう自分には無理だ…。」
なんて思っていませんか?

これは、そんなに難しいことじゃないんですよ。
Twitterでよく見かける方法としては、「このハッシュタグを使って、感想をつぶやいてください!」とかです。それを集めるだけで、例えば「誰が・何が・いつ・どこで・なぜ・どのようにして・どれくらい、楽しかったのか」を知ることができたりします。
実は、データを集めるなんていうのはたったそれだけのことだったりしますし、どのように認知されているのかというのは、数字よりもよっぽど、とんでもなく大事なものだったりします。

誤解のないように言っておきますが、数字が無駄だということではありません、読み取れなければ意味がないというだけです
大事なのは『自分が読み取れる形でのデータを集めること』ということです。


もし、目の前のたった一人が何が楽しかったかを教えてくれていなかったら、あなたが読み取れもしない数字だけを見てブランディング・マーケティングに取り組んでしまったら、あなたはそのたった一人を失うことだってあります。

その繰り返しによることの行き着く先には、
誰にも届かない。目の前のたった一人にすら。
という未来だってありえます。


ちょっとだけ怖い話でしたね。
あらためて、ここで伝えたかったのは、『ブランディング・マーケティングを実践するということは、どのように認知されているのかを確認すること』ということです。

それはどんな方法でも構わないし、なんだったら今後はそのための方法なども紹介する予定ですので、ぜひ次回以降のマガジンも読んでほしいのですが、その前にしっかり次の言葉を心に刻んでおいてほしいのです。

◆ブランディング・マーケティングは、

ブランディング・マーケティングは、
商品やサービスがどう思われているか、
誰が何をどうして欲しているのか、
たくさんの情報を読み取って、
実践していくもの。

その方法を試すだけで終わりというものではない。

ちなみに、情報を集める・調べる・研究することを、『リサーチ』と言ったりします。
これも、ブランディングやマーケティングと同様に、実質的に個別の学問として確立しています。
学問として確立しているということは、戦略や実践のためのノウハウが組み立てやすいということで、実際に色々な戦略やノウハウが世に出ています。
その情報量は凄まじいもので、今回の記事に載せるにはあまりにも重すぎるので控えさせていただきます。

このお話も、どこかでしっかりと書きたいですね。
マーケティングとは話が結構それちゃうので、どのタイミングで書くのかは迷ってしまうところですが、要望があれば早めに書きたいと思います。



3,で、結局「ブランディング」ってなんなの?。

◆「ブランディング」ってなんなの?

『その商品やサービスがどんなものであるのかを認知してもらうこと』

この一言に尽きます。
ただ、認知のアプローチについては、めちゃくちゃいっぱい戦略があります。

しかし、今回はこれ以上ややこしい話は抜きにしましょう。
念の為「ブランディング警察」みたいな人がこの記事を読んでしまっているときのためにちょっとだけ添えさせていただきますが、「ブランディング」を行うときに最も大事だと言われる要素として『ポジショニング』というものがある
とだけはここに記しておきます。

そもそも、今回はブランディングの実践編ではなく、「ブランディングとは?」という回なので、大変申し訳ございませんが省かせていただきます。


ともかく、ブランディングとは「認知してもらうこと」、そして「どのように認知されているか」を確かめることが大事なのです。

ですから、そう。
もし、ブランディングを始めてみたいというのであれば、
「目の前の一人から、感想をもらってみる」ということから始めてみる…とか。
そのくらいのことから初めて見るのがいいと思います。

ブランディングもマーケティングも、
なにか凄いことをやろうとすることではありません。
ただ、できることをできるようにやっていくことなのですから。



おわりに

今日のまとめ。

・ブランディングとは、その商品やサービスがどんなものか認知してもらうこと!
・ブランドとは、人に商品やサービスをイメージさせる力のこと!
・実践するということは、自分が読み取れるデータで効果を確かめるということ!

以上、本日はここまで!





おまけ。

以下は、一度書き上げたものの、本文から切り離してしまった内容をTIPSとしてまとめたものです。
他にもいくつかのTIPSにできそうな内容を書いたのですが、『おわりに』の時点ですでに7500文字を越えているため、読むのに疲れてしまうということを懸念し、今回は一つだけ残すことにしました。

ここまで読んでくれたついでに、最後まで目を通していただけると幸いです。



TIPS-1,「ブランド・アイデンティティ」を知る。「個性」を識別してもらえるということ。

◆識別できる店、識別できない店

Aさん「こっちの◯◯店は、安くて美味しいお店なんだよね!
Bさん「こっちの△△店は、どういうお店なの…?

「ブランド・アイデンティティ」とは、ざっくりとわかりやすく言えば、商品やサービスの「消費者に識別されている個性」のことです。

よく「ブランドとは個性のこと」と言われることがありますが、正確には「(ブランドを育てるための要因である)ブランド・アイデンティティのことを個性という」となります。

なお、ブランド・アイデンティティ…つまり、商品やサービスの「個性」については、アメリカの経営学者『デイヴィット・アーカー』先生が提唱したものです。
また、先生は「ブランド・アイデンティティを構成する4つの要因・視点」というものを併せて提言しており、大変わかりやすいモデル・考え方のため、簡潔にご紹介させていただきたいと思います。

◆ブランド・アイデンティティを構成する4つの要因・視点

=>問題を明確にし、適切な戦略を展開する
「ブランド・アイデンティティ」の目的は、問題を細分化し、問題を明確にし、問題を小さなものにして、それぞれの問題に適切な戦略を展開して解決するというものです。
ブランド・アイデンティティを考えたからと言って、問題が解決するわけではありません。しかし、ブランド・アイデンティティを考えることで、問題が複雑にならないようにするということができるため、少しずつ確実に問題を解決していくことができるようになります。
目的を定めた場合に発生する「問題」というものは、よく「大きな壁」に例えられます。これを乗り越えるためには、少しずつ確実に壁を乗り越えることができるようになる「段差」を作ることが良いとされます。
その段差を作るための、問題の細分化・明確化というものを行うためのもの、と意識すると良いでしょう。

=>4つの要因・視点
ブランド・アイデンティティには次の4つの視点が存在する。
「製品」として見たブランド
「人」として見たブランド
「シンボル」として見たブランド
「組織」として見たブランド
また、この4つの要因が複合されることで『ブランド・イメージ』が確立される。
ブランディングの目的とは、ブランド・イメージの確立にある。
そのため、ブランド・アイデンティティの4つの要因・視点からなるイメージを消費者に対してそれぞれ(また、複合して)想起させることが、ブランディングの課題ということになる。

=>「製品」として見たブランド
消費者から見た「製品」の個性。コレが明確であるほど、製品がイメージされやすくなる。
▼明確であることの例
・製品について「おいしい」などの感想を多くの人に発信されている
・製品を「かわいい」と繰り返し思わせることができている
・製品が「気軽に使える」と体感させることができている
など

=>「人」として見たブランド
消費者から見た「人」の個性。コレが明確であるほど、人がイメージされやすくなる。
▼明確であることの例
・その人が「まじめ」であると紹介された
・その人は「親切」であるということを、その人の行動・言動で思い出せる
・その人について「体格が大きい」などの情報を得ている
など

=>「シンボル」として見たブランド
消費者から見た「シンボル」の個性。コレが明確であるほど、シンボルがイメージされやすくなる。
▼明確であることの例
・シンボルとして「目立つマーク」が備わっている
・シンボルとして「記憶に残るシルエットデザイン」である
・シンボルとして「共通のラベル・マーク」を使用していて、形や名前が違っていても連想できる
など

=>「組織」として見たブランド
消費者から見た「組織」の個性。コレが明確であるほど、組織がイメージされやすくなる。
▼明確であることの例
・その組織は「全国展開のチェーン店」で、どこでも利用できる
・その組織に属する店舗・会社は「続々と新メニューを開発している」ため、挑戦的な組織だと感じる、ワクワクする
・その組織には「著名人が属している」ので、組織の凄さが理解・実感しやすい
など

いかがでしょうか。
ざっくりまとめると、「個性を構成する4つの要因から、個性というものを作り上げるのが良い」って話です。
逆に、ブランドを育てるという話になっているのであれば、この4つの要因のうちまったく手を出せていない・育てることができていると言えない要因があるようなら、その足りていない要因を育てるようにすれば上手くいくという話でもあります。

繰り返しになりますが、ブランディングの目的とは、

『(売る側の)こう思われたい』と『(消費者の)こう思う』を一致させること。

というものです。

「ブランド・アイデンティティ」の4つの要因・視点から問題を解決していくのだとしても、『こう思われたい』と『こう思う』が一致しない・近づけられない問題解決というものには(ただ漠然となにかしらのイメージが強まっただけだとしたら)、ブランディングとしての意味はほとんどありません。
それは「ブランディングという方法を行っているだけ」です。

◆行っているだけブランディングの『Twitterのバズを狙おう!』は強いが危ない

『Twitterのバズを狙おう!』というのは、情報の拡散という力だけではなく、非常に強力なブランド・イメージ確立の力を持ちます。
例えば、何らかのイベント情報でバズれば、「あの人はあのイベントに参加する人」ですとか、「あのイベントはあの人が参加するイベント」など、相互に良い影響を与える上に、とても多くの人にイメージを根付かせることができるでしょう。
そして、それは時間が経ったとしても「あのイベントは、あの人が参加していた」と記憶に残る人も出てくるでしょう。

しかし、(これは、なんとなくイメージできる人も多いかと思いますが、)昨今であればほとんどの場合「ブランディングという方法を実践しているだけ」というケースばかりです。
不本意に、不用意に、普段のツイートではないなにかによって、というような感じですね。
たった一度のTwitterのバズで、イメージがそればかりに染まってしまうこともあります。

『どう思われたい』と『どう思う』が一致しない・近づけられないブランディングは、必ずその商品やサービスの首を絞めることとなります。肝に銘じてください。

それでも、この「ブランド・アイデンティティ」の4つの要因は本当によくできている問題解決のフレームワークでもあるため、ブランディングを考える際にはぜひ意識してみてほしいものですね。


いかがでしょうか。
「ブランド・アイデンティティ」、面白いでしょう、私もブランディングを行うとなったときには、必ずこの4つの要因を書き出し、チームで共有するようにしています。
そうだ、念の為ここにしっかりと記しておきますが、(読んでいて気づかれた方もいるでしょうけれども、)ここでは「ブランド・アイデンティティとは何か?」としか話していません、実践のためのノウハウは書いていないわけですね。

実践編については、またいつか記事にしたいと思います。
「4つの要因どのように書き出すのか」ですとか、そういう感じですね。
ですが、この記事は『まず知ること編』です。
まだまだ知るべきこと、そのために書くべきことがありますので、今は次の話へと進ませていただきたいと思います。



おまけ。の、終わり。

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