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パレットクラブ絵本コースはじめました 第22回 絵本作家 三浦太郎さん

今回は絵本作家でイラストレーターの三浦太郎さん。2回目の授業です。
課題は「赤いりんごをテーマに絵本の1ページを描いてみよう!」ということで、三浦さんがりんごをテーマに実際に描いた絵本を読み聞かせてくれました。

りんごが コロコロ コロリンコ

りんごがいろんな動物(大→小)の背中をコロコロ転がって、女の子の元へ転がってくる。最初は『コロコロ コロリンコ』だけど次第に『トゲトゲ』『ウキウキ』『フラフラフラリンゴ』と表現の仕方も広がってくる。カウンティング絵本。

赤ちゃん絵本は大きく3種類。
・カウンティング絵本(1→10、10→1 、大→小など数字や時間経過で表現)
・2こいち絵本(いないいないばあ絵本)
・コレクション絵本
話をスタートから考えるとあまりにも広すぎるので狭めてあげると考えやすい。

りんごがテーマの絵本の1ページ

torisunが提出したのはこちら。

長さを見せたかったのでA4縦見開きの想定

私のりんごにまつわる思い出ってなんだ?と思い巡らせていると、出てきたのは私の父。父は普段寡黙で真面目だからあまり自分から話しかけてこない。でも、りんごの皮を細く長く剥くのは得意で、上手に剥けるとすごい嬉しそうに見せびらかせていた。しかし私含め、家族の反応は冷ややかで。普段と違ってあんなに無邪気に自慢してくる父に、今更ながらもう少し反応してあげればよかったな…という甘酸っぱいりんごの思い出から、どんどん長くなるりんごの皮の長さをひたすら自慢する絵本ってどうかなと思い描いてみました。部屋の中→ベランダ→高層マンション→富士山の上→宇宙みたいにどんどん長くなるのでどんどん高いところで皮を剥いて長さを自慢するみたいな。

講評

・絵本になりそう。そんなふうに皮を剥けたら面白そうって思える。
マンションの家の方や周りの人の反応ももう少し描けててもよかった(この授業の前後でイベント出店が重なってあまり描く時間がなかった泣)
どう終わらせるのか?この後の展開が大変そう。でも安心感のある絵だから安心して終わりたい
・上に上がるのもいいけど、下に降りていくのも面白そう。ナンセンス絵本。

改めて見返すと、もっと面白い!って思える見せ方があったんじゃないかなと。こんなにシンプルにしない方がよかったかも。父親や家族の呆れっぷりをモデルに描くくらいの勢いがあっても。

絵本は自分の絵の実力とタイミングがあった時に

20代でデビューできたけどあまり売れなかった→本の売上部数はデータとして残る。日本の出版社は1冊目転けると次出させてもらえない。2、3冊目が出せないなんてこともある。

自分のイイものができた時に出せた方がいい。急ぎすぎず、いいタイミングで、実力がついた時に持ち込んでみてほしい。出産、子育て、転職・・・色々あるけれど、絵本の良いところは『いつでも挑戦できる!』ということ。と力強く伝えてくださった三浦さん。『ボローニャ出してみてね』と、『次回の講談社新人賞の最終選考を見ることになったので是非出してね』とのことでした。

次回は2021年最後の講義、絵本編集者 土井さんの絵本ラフ講評です!

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