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パレットクラブ絵本コースはじめました 第6回 絵本作家 シゲタサヤカさん

今回の講師は絵本作家のシゲタサヤカさん。パレット在学中から商業出版までの道のりを中心にお話してくれました。(今回のヘッダーはtorisunが過去にコンペに出した絵本より)

子育て雑誌『kodomoe』の読者の皆さんからの投票で決定した、第12回MOE絵本屋さん大賞部門賞、パパママ賞の第2位に選ばれた『たべものやさん しりとりたいかい かいさいします』が有名です。(我が家もkodomoe付録で持ってます)


この10冊目に出した絵本と9冊目の絵本で4~5年開いているそう。その間何をしていたかというと『育児』。子育てとの両立はなかなか難しいけど、『5年開いても戻ってこれる』って同じ年頃の子を持つ母としてはとっても励みになるお言葉。そんな身近なお話が盛り沢山な今回の講義。まとめきれない~!

流れ流れて絵本コースへ

シゲタさんの絵本のテーマはずっと『たべもの』。ルーツは実習で美味しいものが食べれるからと進学した家政科学校時代に描いていた料理の『盛り付け図』。卒業後何となく就職した街の小さな印刷屋さん。そこで学校の卒業文集に頼まれてもいないのに描いていたカットイラストが楽しくて、イラストレーターを目指し退社。でも10ヶ月間ゲームしたり何にもしなかったり。そんな時に目にしたのがパレットクラブの募集チラシでした。しかしイラストコースよりも、絵本コースの方が幼い頃読んでいた児童書のイラストレーターたちが講師にいたことで乗り換え。でもこれが転機で、初回の絵本編集者 松田素子さんの講義で絵本の世界に引き込まれます。(当時の講師陣は長新太さん、安西水丸さん、校長だった原田治さん、すごいメンバー!)

パレット講師陣みんなが言ってたこと
・人に作品を見せること(見せることで反応やアドバイスもらえる)
・まずは形にすること(頭の中だけじゃだめ。出す!)
・課題は必ずやる(チャンスは逃さない。受けれる授業は受ける)

絵本作家デビューへの道

そしてパレットクラブを卒業し絵本作家を目指します。この時シゲタさんは25歳。

よくある商業絵本のデビューへの道
・出版社への持ち込み
・展覧会を開く
・出版社やギャラリーの絵本コンペに出す

シゲタさんは持ち込みのアポ電や一人で展覧会はしんどいな…と片っ端からコンペを狙っていくことにしました。最初は全部落選。そんな時、友人に『売り込みに行きなよ』と言われweb絵本の編集者さんを紹介してもらいます。その編集者さんに『話がつまらなすぎる』と言われ4コマ漫画を描いてお話作りのトレーニングをするように勧められます。

コンペは相性がある

片っ端からコンペを狙ってわかったことはコンペごとに審査員や雑誌のカラーがあるということ。今までの受賞作品を見て、自分の画風にあったコンペを探した方がいい。絵本はじっくり作るべきなので片っ端がら出すのをやめて2つに絞ります。『講談社新人賞』『ピンポイントギャラリー』(ピンポイントは落ちても希望者には講評してくれる)
4コマで話作りのトレーニングをさせてもらったこともあり、次第に選考に残るようになります。その後『講談社新人賞』の佳作に3度入賞。3度目なので手直ししてデビューしませんか?と編集者さんから声がかかりました。シゲタサヤカさん29歳のことでした。

絵本作家って食べていけるの?

今回事前に質問を集めていたのでそれを踏まえながら包み隠さずお話してくれました。その中で気になったシビアな質問。『絵本だけで食べていけるか?』

シゲタさんいわく、絵本だけで食べてはいけない。出版や重版になった時に収入になるのでどうしても波がある。たくさん出版している人はその分過去の絵本の重版で印税が入るが、まだ10冊なのであてにはならない。同年代の女性の平均年収と比べると少ないんだそう。結婚して旦那さんがいるから何とかなるけれども、そうじゃなかったらバイトしながらの生活になっていたと思う。

脱線しますがtorisunの場合。今何とか生活できているけど、イラストの仕事だけではとても食べていけないので自分でオリジナルグッズを作って販売している方が気付けば主になりつつある。

そしていつの間にか家族の大黒柱になっている。笑(安定した職についた旦那さんが欲しい…切実)まぁでもそんな状況だから何事にも本気で取り組めるようになったなとプラスに考えるようになりました。私が頑張らないと子どもが飢え死にますからね。逆境はチャンスだよ!
イラストレーターって出版社や企業からもらえるお仕事だけじゃない。自分で作って販売していくのも『こういうのが認められるんだ』とか逆に『思ったより反応悪かったな』とか結果がわかりやすいので自分のイラストを高めるためにも私はアリかと。何よりお客さんと直接繋がれるので、『かわいいです』とか『娘が何度も読んで!と絵本を持ってきます』という声が聞けてtorisunはとっても励みになってます。

友達ができたこと

パレットクラブでよかったことは?『友達ができたこと』と答えたシゲタさん。売り込みに行きなよと言ってくれたのもパレットクラブの友人だったそうです。

そんな講義の後に絵本コースのzoom懇親会があったのですが、この日に限って旦那が不在。泣
子どもを預けていたので参加できず…もしSNS上で見かけましたら遠慮なく絡んでくださいな。

次回は夏休み前の最後の講義です!

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