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パレットクラブ絵本コースはじめました 第13回 福音館書店 元編集者 作田真知子さん

今回の講師は福音館書店の元編集者、作田真知子さん。
https://www.instagram.com/machikosakuta/

絵本のジャンルは大人から少年少女まで多岐にわたる。
その中でも福音館は『子ども』に届ける絵本づくりをしている。それは子どもに届けば『大人』にも届くから。そんな絵本の中から『昔話』『創作物語』『五感で楽しむえほん』の大きく3つの絵本についてお話してくれた。(覚え書きな乱文なので読みにくくて申し訳ないです…。座学だったため今回のヘッダーはカレンダー用に描いている赤ずきんちゃんイラストです)

『昔話』の基本

『昔話』は『むかしむかし・・・』から始まる。今と地続きではない昔から始まるお話である。そしてそこから先に進むお話(前に戻らない)。
主人公の感情や叙情的なものは書かない。
3回または4回繰り返して次へ。展開、解決happy endとなる。

・一人の登場人物が複雑な感情を持たない(いい人はいい人。悪い人は悪い人。)
・主人公は誰かの教えを経て解決し次へ行ける
・話の不安や喜びという要素はあるけど主は『面白い話』。『面白い話』を知っているから生きる力を蓄えれる。
・自分の関心、ワクワクを中心に話を展開させた方がいい(為になる作品や〇〇テーマでと思うと失敗する)

例として挙げていただいたのは『かえるのおよめさん』(メキシコ・ミヘ族の民話)
外見にとらわれず他の人の話をよく聞く3人兄弟の末っ子のお話。
『やまなしもぎ』(岩手の昔話)も3人兄弟の末っ子。有名な3匹の子ぶたも末っ子が活躍するお話だ。『はちかつぎひめ』(御伽草子)も外見にとらわれない良い例。

『創作物語』の定番 『ぐりとぐら』

2つ目は『創作絵本』。その定番『ぐりとぐら』。どうやって作る?割る?火をつける?作る工夫のプロセスがあるから、読者は早く食べたいと思う。

文章や絵に無駄がない。空も雲も地面もなく簡潔。必要なものだけだけど
伝わる物語の楽しさ。→前日の別コースの100%オレンジさんも言ってた

作のなかがわりえこさんは
「子どもの生活はトラブルの連続。だからこそどう解決していくかが大切」
絵のおおむら ゆりこさんは
「絵を描くとき、文章はよく読むこと。動物は丁寧に描くこと。いい気持ちで机に向かわなくちゃ!」

これを聞いて机まわりや仕事部屋を見直したらとってもやる気が増した。環境を整えるってとっても大事。

『こんことり』 子どもの仕草で伝える林明子さん

筒井 頼子さん 作 / 林 明子さん 絵(はじめておつかいコンビ)の『こんことり』

林明子さんは子どものスケッチやラフを色々描いて考えた。
この絵本、部屋の中でのやりとりで、あまり場面が変わらない。変わらないからこそ絵本に描くのが難しい。でも子どもの気持ちは子どもの仕草を描くことで伝わる。想像で描くのと見て描くので違う。血が通った林さんの子どもの絵を見たお母さんたちは「うちの子にそっくり!」とみんな思うんだとか。

『五感で楽しむ絵本』

3つ目は物語とは違う抽象画な『五感で楽しむ絵本』。一昔前は絵本で抽象画はダメと言われていた。

モダンアート作家である元永定正さんの絵本『カニツンツン』をこどものとも6月号に掲載したところ、保育園や保護者から苦情が殺到。しかし不思議な言葉の響きに子どもたちは大喜び。本として出版の際に谷川俊太郎さんに「子どもに教わるえほんです」と帯をつけてもらったそう。絵本に出てくる言葉は世界の言葉のコラージュ。部族の名前やアイヌの言葉。人によって読み方も変わって楽しめる。

『どっとこどうぶつえん』 ドット絵だけで構成された絵本。言葉なくてもわかるので海外でも通じる絵本。

『たなのうえひこうじょう』小さな飛行機が日常の中を飛ぶ。子どもたちの想像力が掻き立たされる絵本。

『あめのひの ぼうけん』現実と子どもが描く妄想が見開きで表現されている。

全てが最上のもので

子どもたちを心から楽しませてくれるのは『絵』『文』『構成するもの』のどれもが、子どもに与えるものだから全て最上のもので
昔話のようなお話の力を持って、流れがあり、無駄がない、適切な表現を続けて欲しい。と締めくくった作田さん。

子どもたちは毎日問題にぶつかりながらも解決し、成長していく。その姿や、今日の作田さんのお話を聞くと、曖昧な表現だったり上部だけで作り上げたお話では子どもたちは面白くないんだろうなと感じた。子どもに与えるものだから最上のもので。自分自身の経験を持って、最上のものを届けないといけない。

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