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パレットクラブ絵本コースはじめました 第18回 福音館書店 編集者 北森芳徳さん

小学3年生〜向けの月刊絵本「たくさんのふしぎ」担当して8年目になる福音館書店の編集者 北森芳徳さんです。

たくさんのふしぎ 福音館書店
https://www.fukuinkan.co.jp/maga/detail_fushigi/

たくさんのふしぎは普通の月刊絵本とちょっと違う。人間、人文、生き物だけじゃなく、科学的なものはなんでも扱う、ノンフィクション月刊絵本です。

ノンフィクションの良さ

リアル世界にこんなことをしている人がいる、
世界にはこんな面白いことがあると子どもたちに知ってもらうことが醍醐味。

家をせおって歩く 村上 慧 作
https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=5864

アーティストの村上慧さんの、発泡スチロールで作った小さな白い家をせおって歩いて、日本各地を移動しながら生活する様子を描いた「たくさんのふしぎ」2016年3月号の絵本。
自分のやりたいことをうまく伝えれる村上さんの絵だったからこそできた絵本。こんな面白いことをしている人が現実にいるんだ・・・と世界が広がります。

実体験だから描ける絵本

ストーリー絵本は作家の中から出てくるけど、ノンフィクション絵本は『絵』『文章』『編集者』の3人の共同作業。さらにそこに専門家のチェックが入り、1冊の絵本を作るのに3年かかる。(文1年、取材1年、執筆1年)ページ数もP40、P48になる時もある。(ストーリー絵本はP32が多い)

極夜の探検 角幡 唯介 文 / 山村 浩二 絵
https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=5856

北極には、冬になると一日中太陽が昇らない極夜とよばれる現象がある。北極をひとり旅して、40日後に最初の太陽を見たら、人はいったい何を感じるのか?を描いた本。冒険に出かける前から絵本にしたいとお願いしていたそう。 
図書館で借りて読んでみましたが、これまた想像できないような世界でした。

『実体験でリアルに感じたことが絵本を作る上で大切』と伝えてくれた北森さん。これは体験しないと描けない絵本です。

心ひかれるものを絵で表現

課題

「自分の身のまわりにある、心がひかれる動植物の絵を描いてください。
そして、どのように心がひかれるのか、絵だけで伝わる表現を目指してください」

というお題でした。
『描くものにどれだけ愛着を持てるか?』
絵で読者に『いいな』と思ってもらえるか?試される課題でした。torisunが描いたのはこちら。

最近身近に感じるものが思いつかなかったので、昔に戻って幼少期によく実家の畑で獲っていたビワを描きました。ビワの木は実際に畑へ行って、実は季節柄無かったので参考資料写真から。おてては娘にダミーのミカンを持たせて拝借。

講評

・肝心のビワが埋没している
・ビワの毛が生えているところとか雫感とか『質感』『強調』をしっかり
・手がいい。あどけない感じ、大切なものの感じがする。そこが絵全体に出るといい。

確かに、手には愛着が出てるけど他には愛着がー!ビワ本来の質感が思い出せれていなかったようです。泣 ちなみに手が『大切なものの感じがする』と言っていただけた時、なぜかとても嬉しくて泣きそうでした。いや、課題としては植物伝わってないのでアウトなんですが。笑 初めて会った人に娘への愛着を認めてもらえるって普通に親として嬉しかったんだろうな。おかげでその後、何て話していいのかわからなくなって尻すぼみで私の番は終わりました。

愛着を持って描けるか?

どれだけ観察できているか、表情をつけれているか、愛着って絵に現れてしまうんですね。確かに今は動植物より子育てとtorisunの活動で毎日精一杯。子どもが一番身近だったかも。朝息子を保育園へ送っていくと、いろんな子に会ったり話したり、自分の子どもに限らず毎日変化や成長が見られて嬉しい。torisunとしてイラストで子どもを描かせてもらえる時もすごく楽しいし、愛らしいなと思いながら描けているかも。身近な愛着に気付かされた、そんな回でした。

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