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パレットクラブ絵本コースはじめました 第17回 講談社 編集者 塩見亮さん

今回の講師は現役の編集者さん、講談社の塩見亮さんです。
現在は乳幼児のママならお馴染みワンワンが表紙の『げんき』の編集長をしているそうですが、入社から9年目までは絵本の編集者だったそうです。

講談社絵本新人賞

今回はプロの絵本作家を目指す人向けのお話。
講談社絵本新人賞は入賞すると必ず出版される。一足お先に今年の新人賞を見させてもらいました。シュールな感じ。絵のインパクトが強くて私には描けないお話だなと。

ちなみに塩見さんはシゲタさんのデビュー作『まないたに りょうりを あげないこと』も担当しています。前回のやぎさんのたまごのお話『くうたん』も。どちらの作家さんも講談社絵本新人賞に入賞して絵本作家になった方々です。

しかし入賞作品も描き直しになることが多い。
編集者はこうした方が売れると思って言っているので素直に受け入れて考えてみてほしいとのことでした。(ここだけは譲れない!ってのも必要だけど)

出版する価値のある絵本

突然ですが『小さな頃好きだった絵本は?』という話題に。

私はこれ!っていう絵本は覚えていないけど、記憶に残っているのが『しろくまちゃんのホットケーキ』。小学校1年の時、児童文学よりも美味しそうでわかりやすい絵本が好きたったので、小学校の図書館で借りようとしたら高学年の図書係のお兄ちゃんに笑われてしまったから。

なんでこんなことを聞くのか?
本屋さんへ行くと店頭には昔からのロングセラー絵本が多い。親は昔好きだった絵本を子どもに買い与える。売り場には限りがあるから新しい売れない絵本は返品されてしまう。極論、新しい絵本はなくても困らない(えー!)
それでもどの出版社も新しい絵本を作りたい→ 出版点数は増えているけどだからこそ残ることが難しい。果たして、自分が作っている絵本は『わざわざ新しく出す価値があるか?』
だからこれまでにあるようなどこかでみたことのある絵本は×。(確かに絵本コンペの募集要項や講評の文章見ると『新しいものを求める』とか、『どこかでみたことがある表現で残念』てよく書かれてる・・・)


編集者の想像を超える新しい絵本

最近保育園や図書館で見ないことはない『おべんとうバス』で有名な真珠まりこさんの『もったいないばあさん』も塩見さんが担当した絵本だそう。
2004年の初版4000部→シリーズ累計50万部の大ヒット作になった。(今は初版3000、2000しか刷らない)
私は世代ではなかったので、もったいないばあさんで調べたらワールドワイドな活躍されていてびっくり!

『もったいない』は子どもにもよく使う言葉。ありそうでなかった題材で、当時の時代の流れもありヒットした。講義ではもったいないばあさんの初期のラフも見せてもらえた。弱々しい、世間一般でよくいそうなおばあちゃん。「変えて欲しい」とだけ塩見さんから伝えると想像以上のインパクトあるおばあちゃんを提案してくれたそう。編集者の想像以上の提案ができるかどうかも作家の腕の見せどころなんですね。


もし自分の絵本が店頭に並んだら?

後半は自分の絵本のPOPを作る実技です。
本屋さんに自分の絵本が並ぶと想定して15分くらいでそれぞれ作りました。torisunのはこんな感じ。

名称未設定-1

立本さんの講義で作成した3分割絵本のPOPです。時間がなくて落書きみたいですみません…。苦笑
言葉で伝えるより、実際に仕掛けを楽しんで絵本の良さを知ってもらいたい、と触って楽しむPOPにしてみました。
ちなみに絵本のPOPの役割は中身が気になる、読みたいと思ってもらうこと。また、POPで内容を全て伝える必要はない。〜?と疑問系にするとか。


どうしてPOPを作ったのか?

・客観的にみるため。自分の絵のどこが面白いのか?を端的に説明できるか?
・自分の絵本が店頭に並んだ時のイメトレに。前向きな気持ちにつなげてほしい。

出来上がったPOPはぜひ玄関に飾ってモチベーションを上げてくださいとのことでした。笑
年末年始課題が続きますがかんばります!

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