世間体なんてクソ喰らえ!

最初に自己紹介をしようと思います。
とりささみと申します。今年18歳になる高校生です。パンセクシャルか、レズビアンか、まあよく分かっていないのでクエスチョニングということにしています。よろしく。

さて、LGBTQ+に関するエッセイということですが、私の体験談をひとつお話します。

2年前くらい前のことになりますね。私はそれよりも前から、同性の友人のことが好きでした。ある時、何を思ったのか、私の誕生日の日、そいつから『誕生日おめでとー!』とLINEがきた流れで、『月が綺麗ですね、星が綺麗ですね』とメッセージを送信しました。『月が綺麗ですね』の意味は言わずもがな、『星が綺麗ですね』の意味は、まあネット知識なのですが、『あなたは私の想いを知らないのでしょうね』だそうです。直接好きだと言うのが恥ずかしくて、キザな暗喩を使って告白をしました。
そいつも調べてくれたのでしょうね。返事は、『もしかしたら、いつか青い月が見られるかもしれませんね。まだ分からないな』でした。
この『青い月』というのは英語の『once a blue moon』という、『滅多に見られないこと』という表現が元となっているそうで。
端的に言うと、私は振られました!
とても優しい言い方で。傷つかなかったといえば嘘になりますが、諦めもつきました。今でもそいつとはLINEでバカ話を日々繰り広げています。
そして、振られたその頃。私は同じような境遇の人と話してみたいと思い立ち、Twitterで最初のセクマイ垢を作りました。そこで同い年の子と仲良くなりました。知り合って少しして
『私と付き合ってくれない?』
とDMで告白されました。私も少し気になっていたので、ドキドキしつつ、
『よろしくお願いします。』
と返答。そこから、3ヶ月という短い時間でしたが、お付き合いをさせて頂きました。実際に一度会って、キスもしました。いろいろあって別れて、忘れたくて、垢消しまでしました。最近になって気持ちの整理がつき、また戻ってきたのですが。つまり出戻りです()

エピソードはここまで!
本題に入ります。やはり私たちは、〈カミングアウト〉という問題からは逃れられない訳で。当時、私はあまり抵抗が無かったので、特別隠す必要も無いかな〜、とか軽く考えていました。友達には知られたく無かったので、そこは言ってはいませんでしたが、若しかすると態度でバレバレだったかもしれませんね()
なにせ、毎日のようにイツメンで遊んでましたし、その中に好きな子がいたので。

LINEで振られた次の日に、私は母に、『うち、女の子が好きなんよね。○○が好きだった。』と打ち明けました。今ではすごいチャレンジャーだったなぁ、と呆れます。
その時の母とのやり取りを思い出せる限り記しておきます。

「男の子になりたいとか、そういうこと?」
「いや、違う。」
「ふーん。ならいいけど。」
「男の子になりたい、だったら駄目だった?」
「ほら、男の子になりたいとしたらそういう風に見てあげんといかんやろ?服とかさ。」
「あーね。」

「ささみ(私)。」
「なん?」
「そういうこと、他の人に言っちゃいかんよ。」
「……なんで?」

「ほら、世の中には色んな人がおるけんね。みんなが理解あるとは限らんけん、言ったらいかんよ。世間がなんて思うか分からんし。ね?」

「……分かった。」
この時、私は心の中で叫んでいました。母の淡白なトーンの返答に寂しさと遣る瀬無さを抱えながら。
『世間とはなんぞや!』と。
『理解がないとカムしたらいかんのか!?』と。
『なんで言ったらいかんのか!』と。

私が、読んで下さっている『あなた』に伝えたいこと。

【世間体なんてクソ喰らえ!】

私は母の言葉で、カミングアウトをやめました。彼女と撮ったプリクラを眺めて、悔し涙を流しました。
それでも、認めて欲しいと荒れ狂う心は止まらない。結果、現実とネットの板挟みになってとても苦しい思いをしました。
こんな思いを、あなたにして欲しくないのです。もちろん、セクシュアリティはデリケートな話題ですから、カミングアウトするかどうかはあなたが決めていい。ただ、ひとつだけ言わせてください。

もしも、あなたがカミングアウトしようとして、1歩踏み出せないでいる時。その原因が、【世間体】や【親からの言葉】だった時。
その時はどうか、自分に素直になってください。人からどう見られるか、なんと言われたかで決めないで。少なくとも、私はそれで酷く後悔しました。

もう一度言います!
【世間体なんてクソ喰らえ!】

生産性がなんだ?
理解がなんだ?

私たちが心から好きだと思える人や、共に居て心地よい人といることに、誰の許可も要りません。恋をすること自体、ある意味すごいことなんですから。好きになった相手がいた場合、それが同性である確率は50%、50/50なんです!

だから、『あなた』は『あなた』でいいんです。
『あなた』という性別なんです。
『あなた』という性指向なんです。
『あなた』という人間なんです。
それを胸を張って「素晴らしい!」と言える社会が当たり前になることを、願って止みません。だって、本当に、本当に

〈素晴らしい〉ことなんですから。

#アカルク文学部

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