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台湾留学回顧録1

skinsという「ラフに生きよう」がコンセプトのwebメディアを運営されている紗さんの上海回想録を読んでいると、私の留学時代の記憶もぶわっと蘇ってくるものがあり、気が向いたら断片的に時系列ばらばらで書き残していくことにする。

実は大学時代英語学科だった私がなんで台湾に留学したのか、はたまたなんで首都の台北でなく高雄を選んだのかもろもろはまたの機会にお話するとして、私は2014年9月〜2015年6月まで約9ヶ月間、台湾の高雄大学に交換留学していた。

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↑こんな感じの港町、生活の歩調がゆっくりなとこ、おせっかいで情に厚い人が多いところも、故郷の長崎と似てる気がする。

留学前半は、愛媛の大学から半年間留学に来ていた広島出身でお酒好きの男の子と愛媛出身でスポーツ好きの男の子の2人組、そして福岡出身で私達より半年先に留学に来ていたEXO好きの女の子と男2女2、とはたから見れば何か甘酸っぱいことが起きそう(?)な4人で毎日のようにつるんでいた。

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↑前を走る留学同期の自転車の漕ぎ方が面白いので思わず撮ってしまった一枚。広大な敷地があって、台湾の中では3番めに敷地面積が大きい大学だそう。授業がある棟間の移動は自転車

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↑一緒に授業を受けていた先輩。

ちょうど先日、その中の一人広島出身の男の子と飲む機会があって、久々に再会した私達はほとんどの時間をその留学時代を思い出しては涙が出るほど爆笑したり、懐かしんだりした。ちなみに当日18時から23時ごろまでぶっ続けで中華料理屋で飲み続けて喋り倒した。

ひとしきり話し終わってから、その彼がふと「今4人で集まったとしても、何かが違うだろうし、ましてや今4人であの場所と生活に戻ったとしても、絶対違うんだろうね」という発言が、言い得て妙だなと、変に感心した。

性格も趣味も考え方も違う、日本にいたらきっと交わることがなかったであろう4つの個性が、色恋沙汰にもならず、互いに約束したわけでもないのに、絶妙な琴線に触れないようにしながら正しく友情を育んで守り遂げたのは、本当に当時のあの場所とあのタイミングがなせた技としか思えない。いや、単にみんなタイプじゃなかっただけかも?(笑)でもほんと、各々の恋愛の話もあえて触れることってほぼなかったしなあ。

4人で1泊2日で台南に旅行に行ったり、バドミントンしたり、誰かの誕生日お祝いしたり、誰かの部屋に集まって飲みながら福岡の子が分けてくれた鮭とばを賭けてジェンガしたり。(完全に余談だけど、普通のジェンガは大して強くないくせに鮭とばジェンガは私が最強だった。この前飲んだときも「あの目は動物が狩りをする時の目やったもん…」と言われてめっちゃ笑った。てか大人になって知ったけど、鮭とばってめっちゃ高いやん、福岡の子ありがとう太っ腹やな、、、)

当時は初めての海外生活ということもあり、いくら台湾が同じ東アジアだとしても、やはり育った環境や考え方は当たり前に違うので、最初の半年は特に「ああ、私はやっぱり日本人なんだ」ということを強烈に再認識させられる場面が多かった。台湾人ともたくさん遊んで彼ら彼女らを理解しようと努力する一方、4人で過ごす時間は手放しで安心できる時間だった。

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↑中央右に見えるのが住んでいた大学寮。なんもねえ。

福岡の子とは同性同士ほんと色々話したし分かりあったし、語学面でもたくさん助けてももらった。愛媛の彼とはサシで話しても会話が噛み合わなくてちぐはぐなのに、なぜか私達が男女ペアを組んでバドミントンとかするときには不思議と息ピッタリだったり、広島の彼とはお互いお酒好きでアサヒのビールまとめて買ってストックしたり、日本酒飲める居酒屋行って飲んだり、エンゲル係数高め仲間。

もちろん楽しい時間はずっとは続かないわけで、あっというまに9月から2月になり、私は後半を残して一時帰国、後の3人はみんな完全帰国する季節になった。

ほんとずっと一緒にいたからこそ、3人が先に帰ってしまうのが悲しくてしょうがなかった。3人が帰国する前に、台東と、大阪京都を一緒に旅行することにした。台東からは男子二人は台北→大阪へ飛び、私と福岡の子は高雄→大阪と別行動になり、大阪合流する予定だったんだけど、台東で一旦バイバイするとき4人でありえないほど泣いたのを覚えてる。

私は次一時帰国から高雄に戻ってきたときにはもう3人ともいない寂しさと不安。3人は台湾で私達が会えるのは最後という悲しさ、寂しさ。でもよく考えれば、数日後大阪で普通に合流するのに、今生の別れかってくらいまあ4人でよく泣いたよ。半年間、短いけど濃すぎて、みんな色んな感情に襲われていたんだと思う。あと当たり前の毎日がなくなるどうにもできない寂しさでもどかしかった。

まあ結局、留学生活後半3人の友人が去った後も、もちろんそれはそれで新しい出会いもたくさんあって楽しかったんだけどね。

数年ぶりの再会でも、一瞬で昔みたいに戻れる友人と、昔はあれだけ仲良かったのに会ったら何を話せばいいかわからないなんか気まずい友人と、この2パターンがあると思う。なんとなくだけど、きっと私達は後者のパターン。

それを分かっていても、こうやって文章にしてみると無性に集まりたくなってきた。もし集まれたら、私達は何を話すんだろう。


《おまけ》さあ、私はどこでしょう↓

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「Khuruangbin/冬に生まれた子牛」を聴きながら


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