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吉祥寺の「ムレスナティー東京」で、ひたすら紅茶に溺れてきた!レポ

まず、謝らなくてはいけないと思う。ごめんなさい。私、ムレスナティーのこと、ずっと侮ってました。

ただの「意味不明ポエムのおふざけイロモノ紅茶」だと、ずっと誤解してました。本当にごめんなさい。

”ムレスナティー”とは、兵庫県の西宮に本店を構える紅茶専門店だ。もともとはスリランカで創業されたティーブランドで、それを日本人好みになるようアレンジして販売しているという。直営店以外でも、セレクトショップや雑貨屋さんでよく棚に並んでいたりする。

で、そのパッケージがこちら。

パッケージの文面が独特なムレスナティー

正面に書かれた金文字(写真だと反射してちょっと読みにくいけど)をよく読んでみると。

「大丈夫だよッ 笑顔になれる時は 必ず来るから…
希望をもってティータイムを毎日しようよッ」

…はい??

裏面や、側面も。

何を言っているの…?マーヤって誰…?

そう、このムレスナティー。パッケージに謎のポエムが書いてあるのであるッ!しかもこんな感じでッ!”ジョジョ”、ないしは”ちいかわ”の如く「ッ」が多用され、妙な勢いを感じさせるのだッッ!!

初めてこのパッケージをみたときはたしか3度見くらいして、そのあと1週間くらい会う人会う人に「変な紅茶が売っててね」という話をした気がする。

それくらい衝撃が強かった故に「ムレスナティー」の名前はしっかり頭に刻まれたものの、”美味しそうな紅茶”としてではなく”ヤバそうな紅茶”としてだったため、これまで現物を買ったり飲んだりしようと思うことはなかった。

…それを…ッ、わたしは…ッ、謝りたい…ッ!!

実は先日、このムレスナティーをついにいただく機会があった。それも一口試しに、とかそんなレベルではなく、およそ100分間にわたり14種類ものフレーバーをひたすら紅茶オンリーで堪能し尽くした。

その結論。ムレスナティー、びっくりするくらい美味しい。芳醇な香り、バラエティ豊かなラインナップ、お茶請けのお菓子が要らないくらい奥深く満足感の高い味わい。

これはもう、これまでイロモノ枠扱いをしてきたことを大いに謝罪するとともにこの感動をどこかに書き残しておかなくては!!と思った。そんなわけで前置きは長くなったが、吉祥寺・ムレスナティー東京のティールーム体験をレポしていきたい。

*****

JR吉祥寺駅の公園口を出て右に進み、つきあたった交差点で左に折れて道路沿いに進んでいくと、井の頭公園の手前に洋館が現れる。

昨年惜しまれつつも看板を下ろした名店・芙蓉亭の跡地に2021年8月オープンしたムレスナティー東京だ。

吉祥寺・ムレスナティー東京入り口

クラシカルな欧風スタイルの外観や内装は芙蓉亭のスタイルをそのまま残しているそうだが、まさに“紅茶の館”という感じ。

1階はムレスナティーのオリジナル紅茶を購入できる店舗、そして2階が本日お目当てのティールームとなっていて、時間入れ替えの電話予約制(空いていれば当日でも入れるらしい?)で入店が可能だ。

ムレスナティー東京、2階のティールーム

私が訪れた10月時点でメニューは5種類。

・ティーフリー 1,320円
・ティーフリー&スコーンフリー 2,750円
・ティーフリー&スコーンセット 2,420円
・ティーフリー&ケーキセット 3,300円
・アフタヌーンティーセット 4,400円

やはり紅茶と言えば焼き菓子、ということか、お菓子がセットになったメニューが王道のようだ。だがここで問題が。実は私は小麦粉アレルギーで、スコーンやらケーキやらは通常食べられないのだ。

よって、予約メニューは消去法でティーフリー(紅茶のみ!)となった。

正直に言おう。この時点で、私のボルテージはあまりあがらずであった。そもそもムレスナティーへの期待値は、前置きにあるように高くはない。加えて、選べたメニューは紅茶オンリーのコースのみ。

「ちょうど15時のおやつの時間なのに、ただの紅茶を飲み続けるだけなんて、味気なさすぎない…?」

おまけに私は紅茶の味の良しあしがわかるほどの含蓄も舌も、持ち合わせている自信はない。

じゃあなんで行ったんだよ、と思われるかもしれない。ここへ来ようと誘ってくれたのは友達だ。彼女のお母さんがムレスナティーを好きという話だったのだが、それを聞いても私のイメージは「変なパッケージのお茶」というものだったので、誘いに乗ったのは話のネタに、というか野次馬根性だった。
(すごく失礼。どうかムレスナティーの関係者の方がこのnoteを読みませんように…)

実際、店内のお城のような内装や、通された席に据えられたオリジナルのカップとソーサーを見て若干テンションはあがりつつあったものの、他のテーブルでは皆さん甘い香りのスコーンやケーキ付のメニューを頼んでいるらしいのを見ると、やっぱり口惜しい気分はぬぐえなかった。

そんな中、最初に「おや」と思ったのは、テーブルに置かれた1枚の紙を見たときだ。

ムレスナティー東京、席に据えられたカップと紅茶のリスト


なるほど、なるほど。このリストに名前の載っている紅茶をここで飲めるってわけか……え?

待って、ムレスナティーってこんなに種類があるの…??ざっと見、100はゆうに超えている。

意外(?)だったのは、並ぶ名前は確かに個性的かつ煌びやかではあるものの、例のパッケージにあるようなおふざけ感とは少し違ったこと。名前を見ればだいたい味の雰囲気が想像できるものが多い。

中にはアヤシイのもあるけど…抹茶アールグレイも気になるとこだが、メッチャッアールグレイって何…?

メッチャッアールグレイ…?


そしてリストの先頭には、「さまざまな種類のフレーバーティーをお持ちいたします。気になるフレーバーにチェックして、あなたのお気に入りを見つけて下さい。」とある。

つまりティーフリー、といっても客が好き勝手に紅茶を頼むわけではなく、スタッフさんたちが次から次へとおすすめのフレーバーを運んできてくれるのだ。フルーツ、フラワー、アールグレイ、キャラメル、ブラックティーの5つのグループに分けられたフレーバーを、バランスよく各テーブルへ持ってきてくれるという。

ここでも白状すると「選ばせてくれないのね?」と微妙な気持ちになりはしたのだが、確かにこれだけたくさんのお茶の名前をいきなり見せられても、どれを頼んでいいのかわからない。優柔不断やさんには嬉しい仕組み。
(なお、店内に余裕があれば一部リクエストも可能らしい。)

さて、ラインナップの充実度にムレスナティーの味への興味が多少湧きだしてきたところで、さっそく本日の一杯目が運ばれてきた。

「ウェルカムドリンクのオリエンタルバカンスです」

ジャスミン、マンゴー、ストロベリーの入ったフレーバーです、と流れるような説明とともにテーブルのカップが返され、琥珀色の液体が注がれた途端。フワッと広がる甘やかな香り…!

そして、芳しいにおいに誘われいざ一口目。なんだこれ、美味しい…。口当たりはやわらかく、さわやか。ジャスミンが入っているとのことで確かに中国茶っぽい風味はあるが、同じくブレンドされているストロベリー・マンゴーが洋風なフルーティさを醸し出している。渋みもないので、紅茶が苦手な人にもおすすめできそう…!

一口目の美味しさに対する感動が冷めやらぬうち、続いて運ばれてきたのはグラスに注がれたアイスドリンク。

「ウェルカムドリンク2杯目、ミルクシェイクティーのティーソーダです」

てぃ、ティーソーダとはなんとお洒落な。そしてこれがまたたいそう旨かった!

ちょっと飲んでから撮ったティーソーダ

ミルク、と名前に入っているだけあって、本当にミルクティーのようなコクを感じる。それがソーダ割されることで生まれる独特の高揚感といったら!紅茶の楽しみ方も奥が深い。

こうしてウェルカムドリンクの美味しさへの衝撃とともに幕開けした紅茶時間。その後も、運ばれてくるわ、運ばれてくるわ…カップが空いたと思ったとたんに次のフレーバーを手にスタッフさんが現れるホスピタリティ、さながら紅茶版わんこそば

そしてそのどれひとつとして同じ味はなく、すべてにオリジナルな美味しさを感じる。

例えば3杯目にいただいたフラワリーローズガーデン、1杯目のオリエンタルバカンスと同じくお花の香りをベースにしているのだが…同じ”お茶”とは思えないくらい、感じる印象、風味がガラリと違う。

カップからゆらぎ立つ湯気にのせられて鼻をくすぐる、豊かなばらの香り。口に含むと背筋がスッとのびるような上品で華やかな味わいに、思い浮かんだのは萩尾望都先生の『ポーの一族』。ヴァンパネラ一族であるエドガーやアランが飲んでいたばらの香りのお茶ってこんな感じ?

フルーツベースのお茶もまた、大変に美味。

ライチの香りの楊貴妃の果実というフレーバーは、ほどよい甘酸っぱさと飲み口のやさしさが、傾国の美女楊貴妃っていうよりクラスの人気者(演・浜辺美波)って感じ。

新作のためリストにはまだ載っていなかったオレンジ色のしあわせも、柑橘のジューシィな爽やかさをたっぷり感じられて青春の味!というイメージだ。(どっちも名前はクセつよだが…)

飲んだらリストにチェック

中でも震えるほど美味しかったフレーバーが、「クリームモンブラン」。こちらもこの秋の新作だそうで、紙のリストに載っていなかった。

飲んでの感想は、これぞわたしの求める秋味。芋栗カボチャ系がお好みの方、刺さること間違いなしなので絶対飲んだ方がいいです。

まずこの甘い香り!嗅いだだけですでに美味しい。口当たりはふんわりと柔らかくて飲みやすく、それでいて後味にはしっかりホクホクとした栗の風味と香ばしさを感じる。

これはくミルクシェイクティーと同じくティーソーダにしてもあうだろうし、温めた牛乳でミルクティーを淹れたら大正解に違いない…と思い、帰り際1階の店舗で迷わず購入した。

そう、冒頭でお見せした「希望をもってティータイムを毎日しようよッ」のパッケージこそ、このクリームモンブランなのである。

1階店舗には他にも、ムレスナティーのラインナップがずらり。吉祥寺店舗限定のミルクシェイクティーとフルーツフラワーティーには芙蓉亭から受け継がれた建物のイラストがデザインされており、吉祥寺土産としてもぴったりだろう。

ミルクシェイクティー

フルーツフラワーティー

それぞれ、「こうちゃ のものもねェッ」と「こうちゃ のものよォッ」にはひと際のユニークさというか、もはや狂気すら感じるが…

正直紅茶界のイロモノ枠と侮っていたムレスナティー、その底知れないポテンシャルを知ってから改めてパッケージの文章を読むと心に沁みる…なんてことはなくやっぱり意味不明なのだが、今後見つけたら定期的に買ってしまいそうだし、美味しいと自信を持って人へプレゼントもできると思う。

ちなみにこのハイテンションポエムについて詳しく取材されている記事を発見したので、リンクを貼っておく。

https://r.gnavi.co.jp/g-interview/entry/note/4460

やっぱふざけてるやんけ…!と思ったが、なかなかキュートな方々によってプロデュースされているのだな、とわかり、さらにムレスナティーへの愛着が湧く内容だった。

結論。ムレスナティーのティーフリーコース、お茶だけで楽しめるの?という懸念はまったくの杞憂。

もちろん、私のように食べるものに制限があるのでなければアフタヌーンティーのセットやスコーンのセットでお菓子とともに楽しむのが良いんだろうと思うが、正直紅茶だけでもかなり満足度が高い。

むしろ、多様なフレーバーを飲めば飲むほど、「じゃあ次はどんな味のお茶が出てくるんだろう?」と興味を掻き立てられて全く飽きがこなかった。特にダイエット中でも友達とお茶時間を楽しみたい!という方には全力でおすすめしたい。

ぜひあなたも、魅惑のムレスナティーの虜になってみてはいかが?

どんなときも笑顔でいようよォッ


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