【小説】回想、あるはなについて(3) あんず
前作「回想、あるはなについて(2) 朝顔」の続きです。
第一話はこちら
不完全なワンダーランドにでてくる妖怪はなの過去話。
森で知り合った下級武士の娘一女とは、はなにとってこれまでの誰よりも仲のいい友達となっていた。
二人の交友は数年経っても続いていたが――
それから何年も経ち、野山を駆け回っていた少女は畏まった言葉遣いを身につけ、背もぐんと伸びた。いや背に関しては伸びすぎて、身長の低い男ならば抜かしてしまうほどだ。それ故に可愛げがないと言われていたが、はなは彼女の高い