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ハンカチを一枚だけ持つこと


長年、ハンカチはタオルハンカチが一番いいと思っていた。

薄手のハンカチみたいにすぐびしょびしょにならなくて、ふかふかしていて、カジュアルで可愛い。

薄手のひらひらとしたハンカチは、スーツを着るときや、セレモニーやパーティーに出席するときだけに使うものと決め込んでいた。


今の私がおでかけで使うハンカチは、一枚だけ。

6年ほど前に親からもらった、ANNA SUIデザインのブルーのハンカチ。

花柄はあまり好きではないのだけど、これはシックかつクールで素敵だと思い、卒業祝い兼就職祝いで買ってもらった。

ただ、当時薄手のハンカチはセレモニー用だと思っていたので、使う回数はとても少なかった。
なので、手持ちのハンカチの中では一番歴史があるわりに、きれいでへたっていない。


このハンカチ一枚だけを使うようになってから、薄手のハンカチの優秀さに気がついた。

まず、かさばらない。
そして、濡れやすいが乾きやすい。
一日使って洗濯しても、一晩あればすぐに乾く。

ANNA SUIのデザインは色柄が濃いので、多少汚れたとしても目立たないところもいい。


では、それまで使っていたタオルハンカチはどうしたのかというと、家で使うことにした。

もともと、食卓でついティッシュを使ってしまうのをやめたいと思っていたのだ。

手持ちのタオルハンカチたちが傷んだら食卓用におろそうと考えていたけれど、ハンカチって意外と長持ちする。

なんのことはない、今からでも使ってしまえばいいのだ!と気がついた。

今ではちょっと手や口を拭くのはもちろん、テーブルにこぼした汁や水滴を拭いたり、鼻をかんだりするのもタオルハンカチを使っている。

ティッシュはほとんど使わなくなった。

タオルハンカチも、おでかけの度にどれを持って行こうかと悩んでいた頃より、汚れを気にせず毎日がんがん使っている今のほうがずっと愛着が湧いてきている。

もちろん、ANNA SUIハンカチの洗濯が間に合わなければ、タオルハンカチを持って行く。

そして出先でも、ハンカチが濡れたり汚れたりすることを躊躇せず、がんがん使うようになった。


ハンカチは意外とたくましい。

そのことを教えてくれた、新しいハンカチとの付き合い方。

今ではハンカチを新しく買う気はほとんどなくて、今のハンカチたちがすべて限界を迎えるか、とびきりお気に入りの薄手ハンカチに出会うまで、おでかけにはハンカチ一枚だけを使い回す生活を続けて行こうと思っている。

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