私にとっての「ドロシーの銀の靴」
昔、ファッションにたいして興味がなかった私が、珍しくひとめぼれして愛用した靴があった。
シルバーのフラットシューズ。
その靴を売り場で見た瞬間、「ドロシーの靴だ」と思ったのだ。
『オズの魔法使い』で、少女ドロシーが善い魔女にもらった(実際は死んだ東の悪い魔女の足から奪い取った…)魔法の靴。
この靴を履いて黄色いレンガの道を歩いていけば、行きたいところに連れて行ってくれる。
そのフラットシューズは、シルバーといってもかなり落ち着いた色味だったため当時の地味な服装とも合わせやすく、通勤靴として毎日履いていた。
足を入れるたびに、「ドロシーの靴…」と思うことで、自分はどこにでも行けるのだという気分にさせてくれた。
あんな靴をもう一度履きたいな、と思った。
シルバーの靴という意味ではなく、履くだけで自分を魔法にかけてくれるような靴。
今持っている靴の中で特に気に入っているのは、ココットという靴。
ヴィーガンレザーを使用していて、やわらかく履き心地がいい。
レースアップシューズが好きで、着物とも合わせやすいクラシカルなイメージの靴を探していて、ほぼ一年がかりでみつけた一足。
グレージュとブラウンのバイカラーが可愛く、いろんな服に合う。
この靴はたとえるなら、「森の奥の図書館に通う文学少女の靴」というイメージ。
森の奥にたたずむ、静かな図書館に通ってむさぼるように本を読むのが好きな、おとなしいけど好奇心旺盛な文学少女(ロング丈のプリーツスカートを履いている)。
他に欲しいなと思う靴は、黒系のカッチリしたシューズ。
本革でないヴィーガンレザーの心安さも本当に好きなのだけど、かっこいいカッチリ靴はたいてい革製。。
こういう靴のイメージは、マニッシュな女性。
いくつになっても変わらぬ若々しさで颯爽と歩き、少女のような可愛らしさと少年のような身軽さを兼ね備えた、私の理想とする「自由な魔女」。
そんなふうになれる靴、ほしい……。
あとは、最近気になって探しているのが「ゴキゲンなスニーカー」。
白か黒かネイビーかベージュか、みたいな真面目なカラーのスニーカーばかり今まで履いていたのだけど、履いているだけでゴキゲン感のあるスニーカーを日常遣いしてみたい。
こういうの。可愛い……。
イメージは、「自分らしくいることを楽しんでいる自由人」。
私の好きなキャラクターに、ポムポムプリン(サンリオ)、ウサギ(ちいかわ)、ティガー(くまのプーさん)などがいる。
彼らの共通点は、「ありのままの自分」を気に入っている様子が見ていてわかること。
体がぽむぽむしていようが、叫び声がうるさかろうが、跳びはねるのを周りにうざがられようが、そんなことには頓着しない。自分最高!って感じ。
私自身は全然ちっともそんなふうじゃないから、そういうふうに生きたいなーと憧れる。
こういう靴たちを、今後数年かけて見つけていけたらいいな。
もちろん履き心地がいいことと、1万歩あるけることは絶対条件。
魔法の靴と、いつか出会えますように。
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