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はじめて個人の活動で黒字を出すことができた話


私は長らく、本業の仕事以外に個人の活動を行っている。

たとえば、サークルで同人誌を作って販売するとか、ハンドメイドアクセサリーをネットで売りながらたまにイベントで出店するとか、そのようなものだと思っていただければ。


これが、かれこれ10年近く活動しているのに、一度も黒字を出したことがなかったのだ。

もちろん細々とした収入はあったけれど、いざイベントをやるぞ!となったときに、かかった出費に売上額が届かず、いつも赤字状態。

クラウドファンディングに挑戦したときも、個人的にはかなりの額をいただいたと思っていたのに、トータルで見ると赤字だった。


そして、ついに先日、ようやくはじめての黒字を達成した。

もちろん、ものすごく嬉しかった。

ずっとずっと目指していたのに叶わなくて、どうしたら黒字にできるだろうと悩み続けてきたから。


でも同時に、納得感があった。

やっぱりこうしたら良かったんだ、と自分の考えに確信を持てた感じ。


それは何かというと、

「無理をしない」
「やりたくないことはやらない」
「お金のことを気にしすぎない」

という考え方。


最近、こういった考えに触れる機会が格段に増えていて、今はこの考え方に乗るのが私に一番合っているのだろうな、と日々思っている。


以前は、無理をしていた。

売り上げるならこういうことをやらなくちゃと、やりたくない宣伝の方法を頑張ったり、最も利益の出るラインはどこなのかと価格設定に頭を悩ませたり、少しでも経費を安く済ませられるよう奔走したり。

当時はそれが当たり前だと思っていたのだけど、この頃は違う。


私はもう無理をしたくないし、やりたくないことはやらない。

だから、自分が好きじゃないとか手間がかかると思ってしまう宣伝方法は、今回一切やらなかった。

その分、自分が苦もなくできること、楽しんでやれることに力を注いだ。


それも、気分が乗らなかったり、体調がすぐれないときは無理をせず。


自分にできないことは他人にお願いして、自分も含めみんなが心地よくいられるようなやり方を目指し、今回はどうでもいいかも、と思えるポイントはあっさり諦めた。


例えば、宣伝のためにはクオリティの高い、かっこいい写真を撮ったほうが絶対にいいと思っていたけど、今回はそれをしなかった。

以前はわざわざ専門の人に撮ってもらった写真を宣伝に使っていたところを、スマホで撮った写真でいいやと割り切った。

あっさり諦めたら、それでも十分お客さんは来てくれた。


そして、お金のことは気にしすぎないこと。

これが本当に大事だったと思う。


例えば、何かを大量に印刷しなければならない。

もっと早くやっていたら安く印刷できる場所に行けたのだけど、体調や忙しさを考慮して行かないでいたら、ギリギリになってしまった。

こういうときも、以前なら少しでも安いところを……と印刷できる場所を探しまくったり、どうしてもっと早く行かなかったんだろうと自分を責めたりしていたと思うけど、今回はあっさり諦めた。

コンビニ印刷でも1枚10円、100枚刷っても1000円。

数千円支払いさえすれば、近くでサッと印刷できるのだったら、必要経費だと割り切ろう、と思えた。

印刷代は予定よりもずっと高くなった。

それでも、黒字はちゃんと出た。


逆に、「これは必要だ!」と思ったものでも、買うときに気が向かなかったらたとえ100円でも買わなかった。

具体的には、デジタル時計と電卓。

当日は他にスマホを使う用事があり、時計と電卓は絶対に必要だからと100円ショップなどを見に行ったのだけれど、どうにも気が乗らなくて買わなかった。

そうしたら、結果的に無くても問題はなかった。


そんなふうに、価値があると思えるものにはある程度値段を気にせずお金を使い、気が乗らないものは安くても買わないという基準で準備を進めていたことが、今までと大きく異なる部分だと思う。


以前は、おそらく見栄があったのだ。

こういう道具を使っていないときちんとしているように見えない、梱包はこれくらいのクオリティでやらないと見栄えが悪い、このイベントに出るならこの物資は必須だからと、自分の基準ではなく他人の目を気にした基準で動いていた。

逆に、みんなは少しでも安い業者を探してやっているんだから自分もそうしなきゃとか、このアイテムは100円ショップで揃えるのが一般的だからとか、そういう節約目的の見栄もあった。

すると、結果的に不本意な部分での出費が増え、自分が本来かけたい部分にはお金をかけられず、全体的に自信のない出来になってしまっていた(その上、赤字になる)。


100円ショップを利用した回数は、たぶん、今までのイベント史上最も少ない。

家に置いておきたくないものは買いたくないから、買うなら自分が好きなものを買おう、と思ったのがその理由。

筆記用具とか、梱包資材とか。


あとは、できるだけ新品を買わずに済むよう、フリマアプリなどは積極的に利用した。

これも値段の問題ではなくて、地球への推し活(エコな選択をすること)が自分の好きなことだから。


そうして心地良い方へ心地良い方へ、と進んでいくと、一番忙しかった時期でも準備自体はつらくなかったし、並行して本業の仕事も頑張れた。

無理をしていない、やりたいことだけをやっているという感覚が、私にとってはかなり重要な支えになっていた。


途中、客入りが不安になることもあったけれど、あまり気にしないようにした。

繁盛しすぎたらお客さんも忙しないから、少しゆったりしているくらいがちょうどいいよね、と仲間内で言い合っていた。

そうしたら、その余裕が雰囲気の良さに繋がったのか、口コミでいい評価をたくさんいただいたり、最終日のお客さんがドッと増えたりした。


実は、本業でも日々の生活でも、同じようなことが起きている。

以前なら他人の目を気にしていたようなことも、自分がやりたいかやりたくないか、気が乗るか乗らないかという基準で判断するようにしたら、なぜか自然とお金が貯まって、しんどいことは減っていった。

こう言うと怪しげに聞こえるけど、真面目な話。


だからこれからも、私はこの考え方でやっていこうと思った。

仕事も、活動も、暮らしも。


はじめて個人の活動で黒字を出した話、でした。

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