ちゃんと会えた

はっきりと会えた
こんなにはっきりと意識して話せたことはなかった
白っぽいジャケット、今思い出せば確かにお棺の中に入れたものに似てた
トップスは黒っぽいものを着てたけど、入れたのはスプリング系の白いものだったから違う。そっちで買ったのかな

煙が昇っている、その場所できちんと儀式をしなきゃならないらしくて、行ったら会えた
はっきりと妹がいた
しっかり立ってる。意識して声を出して、いかないでと呼び止めたら振り向いてくれた。歩いて行ってしまうところを何度も振り向いて、手を出したら掴んでくれた。
しばらく手を掴んであるいた
ちゃんと触れる
なにかいろいろ話した。しっかりしててくれ的なことを言われた気がした
後ろから首を見たらネックレスの留め具が見えた。

時間制限があるらしい
ベンチに座って、じょじょに妹の力が抜けて、おそらくこの姿かたちから向こうに帰る妹の左手首に腕時計のようなものを括り付けた
留め具は、よく私が右手首にしてる革のバンドと同じ。

こんなにはっきりと、夢のようでなく鮮明に、だけど生きてる妄想でもなければ向こうの世界の住人を仲介してでもなく、社会人になった状態からの齟齬もなく会えて話せたのは初めてだ

妹はいつも通りだ
よかった。
あの場所に来るのは大変なんだろうか、また行くから、気が向いたらまた会ってほしい
でもちゃんと頑張るから、話してた言葉までしっかり思い出せないけど
ちゃんとやっててほしいなら頑張るから、またよろしくですよ




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