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末端にエネルギーを伝える。

僕のブログを少しでも読んだ人はこの言葉の意味がわかると思います。
全ての運動は末端にエネルギーを伝えていく練習といっても過言ではない。
足裏の母指球で地面を踏み、身体の末端にエネルギーを伝えていく。
この繰り返しで、これが前提です。

筋肉の1平方センチあたりの出力は約5~6キロです。
(速筋、遅筋、中間筋など種類はありますが総じて出力変化はありません)
これは男女ともに大した差はありません。

(筋肉の横断面積あたりの筋力は、6kg/1cm3(立方センチメートル)と言われています
。 これは男女差、年齢、人種に関わらず常に一定です)

たったの1平方センチで5キロも出力があるなんて信じられますか?
人体凄すぎですね。

ここでよく使える筋肉だとか使えない筋肉だとかいう昔の人がいますが、
運動競技の特異性によって異なり、
ただ前提として末端にエネルギーを伝えていくというのはスポーツの前提だと考えています。(ストロングマンはベンチプレスとかやり込んでるからまず末端にエネルギー伝えるのうまいんだけどね)

(野球の投球動作、バッティング動作、ボクシングにおけるパンチ、サッカボールキック、槍投げ、アメフト)

1平方センチ→5キロをどう扱うかがスポーツの面白さにつながってきます。

末端にエネルギーを伝える(例)

この動画をご覧ください。


右股関節の屈曲位からデービス選手が「打つ」と感じた瞬間に不随意によるサイレントピリオドが起こり全身が一瞬弛緩します。
弛緩によりグローブが落下し膝も少し折れているのが分かります。
これは全身の腱に重力による位置エネルギーが蓄えられるということにもなります。


骨盤の落下により伸張された股関節筋群の伸張反射が開始され骨盤が回転を開始します(股関節主導)。次に先行して回転を開始した骨盤により腹部が引き延ばされ、伸張反射を起こします。この時運動量は腕に与えられていないので、まだ腕は落下中です。

次に腹部の収縮により、胸部が引き延ばされ伸張反射を起こして強力に収縮します。骨盤で発生した運動量が筋肉の伸張反射により増加させられ、波のように上半身を伝っていきます(運動連鎖)。

サイレントピリオドにより落下していた腕へ体幹の筋収縮の連鎖が伝わります。肩腕部が伸張反射により強力な収縮を開始。ついに末端である拳に運動量が伝わり始めます。身体の位置エネルギーと全身の伸張反射による収縮力が合成された運動量を受け取り拳が急加速し相手の体に衝突します。

デービス選手の質量を動かしていた運動量がルール上では同じ質量を持つ相手の身体に交換されるので、画像の通り弾き飛ばされます。

垂直跳びや幅跳びのパワーを想像してください。
同じ体重の人間にその運動量を渡したら吹っ飛びます。

人間にはそれだけの能力が秘められています。

伸張反射による不随意の運動は収縮が直ぐに終わります。デービス選手の筋肉はパンチを打ち終わると同時に弛緩を開始するはずです。トップアスリートは不随意による自然な運動により力みを排除し、しなやかな動きを実現していると僕は考えています。


骨格で立てることによる脱力、それによるサイレントピリオドの促進と姿勢反射の抑制。
弛緩した身体の落下による位置エネルギーと弾性エネルギーの交換。
伸張反射による強力かつ短時間の収縮。
股関節主導による運動量と伸張反射の連鎖的な伝達。

僕の理論の発想の根幹は股関節主導における骨盤の先行運動、それに伴う連鎖収縮です。
そのための脱力、脱力のための骨格立ちです。
そもそも、体幹の強さとは股関節の開閉の強さだと僕は考えていて、だとすればこの”体幹”トレーニングが爆発力や接触の強さを生むような体幹の筋力向上に大きく貢献するとするのには疑問が残ります。
推奨しているクリーンやスナッチなどのクイックリフトは高速かつ強力な股関節の屈曲伸展能力の向上が期待でき、爆発力を鍛えるのにピッタリです。

たまたま末端にエネルギーを伝えるでボクシングの例を出しましたが、大谷翔平のピッチングやバッティング、他の陸上種目や柔道、新幹線でおばあちゃんがスーツケースを棚にあげる動きから、他人の性行為ですら同じように解説ができます。

人体って本当に無駄がなさすぎてびっくりします。誰か(何者)かが設計したとしか考えられません。Iphoneや飛行機、大型船、世界遺産などどう考えても設計者がいるモノと同じです。
プランクトンや単細胞生物からたまたま(長い時間かけて)進化したは流石に無理がありすぎる。

実は上記この一文の疑問が美術教育の最も大事なところでもあり永遠のテーマでもあります。

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