見出し画像

【マーダーミステリー】マダミス制作日記6 -ゲームシステムの話-

*相変わらず長い前置き

 マダミスの ゲームシステム なんじゃらほい とり

 再び相変わらず長い前置きです。今回はマーダーミステリーのゲームシステムのお話です。しかし自分はまだゲームを完成させたことがありませんので、作っていく過程での試行錯誤で考えたふわふわしたお話だと見ていただければ、その迷走具合がすでにマダミスを完成させたことのある方にとっては面白く映るのではないでしょうか。作ったことのない人にしてみれば、制作過程が新鮮に映るかも知れません。

 そもそも素人が試行錯誤しながら色々自分なりにゲームシステムを考えたところで、結局、素人は素人なので専門家からみると鼻で笑っちゃうようなアレだとも思います。そもそもゲームシステムといえるほどのことも人様から見たら考えられていないかもしれません。ゲームシステムはもっと奥深いもので一言では語れないのかもしれません。私のいうゲームシステムは、システムとしてまだ初歩的な部分しか触れていないのかもしれません。まあ、そこも含めて参考にして貰えれば。

 ……そもそもこういう個人的私感に満ちたマーダーミステリーの記事を書こうと思ったきっかけは、あまりにマーダーミステリーについて有償記事が多すぎて(ちなみに専門家が有償記事を書くのは当たり前だとは思ってます)(そのため、そんな中でもこちらほんとにめちゃくちゃ楽しみです。ありがとうございます! 嬉しい!)参考にならず、それなら遊ぶ側、あんまりマダミス界隈に染まってない自分が個人的私感で無償の記事を書こうかなと思った次第でした。なので、少しでもマダミスに関しての一つの素人視点としてこの記事を楽しんで貰えたらと思っております。

 今回ゲームシステムに対して語ってますが、正直、自作マダミスの方向性がわかるため、事前情報レベルでネタバレではないと私個人は思っていますが、ある程度ブラックボックスの状態で私のゲームを楽しみたい人は、ここで読むのをやめることをオススメします。

 最近ようやく気づいたのですが(遅すぎ)、マーダーミステリー界隈は、人狼界隈、ボードゲーム界隈、TRPG界隈、クリエイター界隈、ミステリー愛好家界隈などなどいろいろな方々が興味を持って遊んでいます。(ちなみに自分はクリエイターとミステリー愛好家の間の子です)だからこそ価値観が異なる面も出てくるし、その界隈が混ざって野良で遊ぶことになると、よほどのコミュニケーションおばけの雑食じゃない限りは、どうしても相性面で色々あれこれ出てくることもあるのかなと思いました。(とくにブラックボックスを売りにしているマダミスの場合、この相性面が悪く出ることが多々ある)

 ただ、だからといって限られた人もしくは適正のある人しか遊べないとか、身内でしか十分に遊べないとか、向いていない人は遊ばない方がいい、そういうものだから諦めろとかいう乱暴な見方もしたくなくて、せめて自作ゲームくらいはマーダーミステリーに興味を持った人が「無料でこんなに遊べるなら他のも遊びたいな」と思って貰えるような、そこはあえてどの畑からきた人でもそう思って貰えるような、そういう親切なマーダーミステリーを目指したいと改めて思いました(マダミスを広めたいという目的で作りたいという感じですね。なのでジョイマダ様のこういう姿勢の方向性に近いです)

 なので自作マダミスは、マダミスに慣れた人というよりは、マダミスを知らない人、興味を持った人に対して「無料で少人数でオンラインで気軽に遊べるよ。こんな感じのクオリティだけど如何でしょう」のコンセプトにゲームシステムを組みたいと思ったのでした。まあ、そんなものが本当に自分なんぞに作れるのかどうか、現実的に可能な目標なのかどうかは置いておいて……。とりあえずは成果物を時間をかけて丁寧に作ることこそがその一歩になればいいなとも思っています。

 さて改めてそのコンセプトでゲームシステムを組もうとしているのが現状です。あくまで『オンライン』でのお話なので、そこは念頭に入れてください。

*ゲームシステム考えて決めるタイミングについて

 じゃあどのタイミングでゲームシステムを考えるかというと、私の場合はシナリオの前です。こちら色々頑張ったんですけど、私の場合はおそらくシナリオのあとでシステムを組み上げるのは無理だなと。ある程度、どういうゲームにするかプレイヤーの動きをシミュレーションしないとシナリオは描けませんでした。当然、ガワは決めていますが、このガワはあくまでも企画書(コンセプト)ベースの内容でシステムに絡めたシナリオの具体的な部分は決めていません。

 ある程度ゲームシステムを組み上げたあとでシナリオを進めましたが、それでも結局は、ゲームシステムとシナリオを同時進行で組み上げることになりました。2つワンセットです。それだけ私にはシナリオを別物だと考えることはできませんでした。

 逆に、これ、たぶん無意識にシナリオを先に作ったり、ゲームシステムを別物として組み上げられる人はおそらく天才でマーダーミステリー制作の才能があるのでは……。私はどうしても別個にできなかったので逆にマダミス制作の才能はないのでしょう。そこはもう仕方のない部分かなと。(諦め)(ゲームクリエイターの兄にそこらへん聞いたら、もっと専門家の視点で私の弱みというか、なぜ才能がないのかを理論付けて教えてくれるかもしれないので、今度時間あったら聞いておきます)(そもそもゲームシステムの概念を間違えているのかも)

*マーダーミステリーの導線(推理)の方向性について

 私にマーダーミステリー制作の才能がないのはわかった上で、じゃあ導線(推理)の方向性はどうしようかという話です。オープン型、クローズ型と色々ありますが、ユドナリウムとカードをシステムに組み込むのは決まっていたのでそこは悩むことはなく、ただ答えに至るまでどういう形のヒントを用意するか悩みました。要するに犯人を絞り込むためにどうするのか、アリバイとか物的証拠とか、そういうやつです。

 結論からいうとタイムスケジュール形式が大嫌い(というか覚えられない)ので自作にタイムスケジュールは存在しません。ヒントの種類はHOだけではなく導入シナリオから目の前にある成果物を全てヒントとして組み込もうかと。

 情報フルオープンで答えがわかるようにするのか、もしくはPVPで情報のやり取りをメインにして駆け引きを楽しませる形式にするかみたいなことも決めないといけませんが、これについては回答に至るまでのルートを複数用意しました。なぜなら様々な畑からユーザーがくるとなると、着眼点も違ってくるのではと。

 逆にわかりやすくなってしまい難易度は低いかもしれませんが、その分、メインの回答当てだけでなく、あくまで事件に絡めたサブミッションを幾つか用意しました。こういうゲーム難易度の調整自体は、色々なマーダーミステリーでもよく見かけますので、まあアリなのでは……とも。

*マーダーミステリーのキャラバランスについて

 確定白(探偵)を入れるかどうか、そのへん悩みました。GMレスということを踏まえると投票形式は難しいかなと思って(もちろんできるシステムもあるけど自作のは難しい)、結局は確定白(探偵)(進行役)に犯人を選ばせる形式にしています。

 個人的にはプレイヤーに変動あっても遊べるようにしたほうがいいのでバッファキャラを入れるかどうか悩んで(途中でメンバーにキャンセルがあったりすると大変)、結果……諸々悩んで人数別でシナリオを分けました。ハズレキャラを作りたくない苦肉の策です。実質、2つゲームを制作しているのも同然です。絶対これのせいでしんどい思いしてる……。私はなんでこんなことをしたんだろ……わからない……。

*マーダーミステリーの正解に至るまでの情報量やノイズについて

 情報量を多くするのか少なくするのか、ノイズを事件と関係のないものも入れるのか、それとも全て事件に関係するものにするのか。そういった部分です。

 まずマーダーミステリーに興味を持った人対象にするからといって情報量を少なくすることがベストかというと、たとえばミステリー愛好家畑の場合は情報量を単に少なくするだけでは物足りなく感じると思います。そこを踏まえると単純に情報量というより、初めての人でもわかりやすく事前情報を開示してあげて、プレイする前にある程度「こういうゲームなのね」と安心感をもたせて念頭に置かせるようにして、さらに内容をわかりやすくする方向に持っていったほうが、どのような畑から来た人でも対応できるベストの形なのかなと思いました。

 だからこそマーダーミステリーはブラックボックスこそ最大の魅力というユーザーにはマッチしない部分でもあります。そこを踏まえると事前情報をできるだけ開示していくスタイルの自作は、逆にマダミス慣れした人は触らないのではないかなとも思っています。(そこで地雷避けができればいいなとも)

 そしてノイズを事件に関係するものにするかしないかですが、私は事件に全部関係する方向にしました。

 あえてまったく事件に関係ないノイズ(たとえば不倫とか浮気とか泥棒とかそれから守るとかどうとか)を配置して「これは違うよ」と探偵役する人にはわかるようにして(探偵をハブるようにして)(もしくはハブらないパターンもある)事件に無関係なサブミッションを複数おいて、情報の種類を多くすることでメインの推理を阻害する形式もあります。(多分、王府百年を起源としてるゲームはこちらのシステムを採用してるんじゃないかな。推測です)

 でも私アホだから、このタイプだと情報を隠されると、それが事件に関係ないノイズなのかどうかわからないのですよ。それに私は探偵役でないにしてもメインの犯人でないならメインの事件の真相を突き止めたいです。だからこそノイズに巻き込まれてしまいます。今まででも、何本か事件に無関係のノイズの存在するマダミスをしてきましたが、同卓者によってはその事件に関係ないノイズのせいでストレスにもなりました。

 そこで、それよりも全部事件に関連する情報で、ノイズごと回答に至る過程で収束していくスタイルのマーダーミステリーのほうが好きだと感じました。(当然、こちらの形式が苦手な人もいます)そのため、こちらは申しわけないのですが私の好き嫌いでシステムを決めました。

*マーダーミステリーの個別ミッションについて

 個別ミッションを強めにした上で事件とは無関係なものを置いて(たとえば、なりきり恋愛要素など)PVP要素を多めにしてメインの推理を阻害する形式にするか、PVP要素が強めでも個別ミッションを全て事件に関係するものにして収束させる形式にするか、さてどうするかという話です。上記のノイズと関連する部分でもあります。PVP要素をなるべくなくすゲームもあるかと思います。協力型だとそうかも。……こちらも私の好き嫌いで決めました。申しわけないです。つまり全て事件に関係して収束させるタイプにしています。

*マーダーミステリーの特殊ギミックについて

 なんか変わったことやりたい! こういうアイデアを取り入れたい! というやつです。これが難しくて下手なことをやるとだまし討ちになるんですよね。たとえば直近でやったマダミスは××で××でしたが正直プレイヤーにアンフェアで完全に制作者の独りよがりでは以下略。……なので基本的には入れたくなかったのですが、上記諸々を考えていくにつれて結果的に特殊ギミックっぽいものを取り入れる形にはなりました。ただ中国のマーダーミステリーには存在していたものなので、別にいいかなとも思いました。主に以下のゲームみたいなやつです。(別にネタバレでも何でもないので貼ります)

※もう一つ見つけてたんですが見つからなかった……。ようするに脱出ゲーム的なものも取り入れています

*マーダーミステリーの犯人の『逃げ方』について

 要するに犯人役をどうフォローするかという話です。色々な方法があって、犯人への導線をきつくするか(犯人が逃げやすくするか)、犯人に『当てられない』以外の別の有益に思える目標を与えるか最終的に犯人だとばれても問題ないようにするか、もしくは犯人なのに犯人だとわからないようにするか、などです。

 上記のリンクにも例として挙げましたが、私の場合は「犯人が犯人だとわからないようにする」ことで犯人役もメインの事件の推理を楽しめるようにしました。(要するに犯人だと犯人自身がわかってても、それが犯人にとっても利益があり共通目標なので、犯人自身が当てられても嫌な気持ちにならないシナリオにしています)

 ネタバレになるからどの作品に感化されたのかはいえないですけど、私はどちらかというと犯人を逃げやすくしているシナリオよりは、犯人が犯人だと当てられていても満足する方向性のシナリオの作品のほうが好みだからです。(ですが、そういう作品が嫌いな人がいることも知っています)(そして、そういう作品をゲームバランスがおかしい、間違っていると思っている風潮もあるのも理解してます。とはいえ私はありだし、こちらのほうが楽しかったので……)結局、こちらも人の好き嫌いが強く出る部分であるため、私の好き嫌いで決めています。

*マーダーミステリーのエンディングについて

 GMレスなので、できることが限られてきます。それでも私はエンディングにはこだわりたかったのです。だがアクション形式(キャラクターたちがアクションを選んで、それで物語を紡いでいく)は難しい……私の頭が追いつかない。GMレスにすることが一番のコンセプトでもあるので、ややこしいシステムは入れたくない……でも単純な分岐エンディングにはしたくない……ということを考えてエンディングシステムを考えましたが、正解だとは思えていません。難しい……。

*色々書きましたが

 ゲームシステムという単語をふわふわしたまま使っているので違和感を覚える部分があるかもしれませんが、その定義の是非を問いたい内容ではないのでご容赦を。最前線でゲームクリエイターとして働いてる兄に諸々聞けばもっと色々アドバイス貰えるかもですが。

 ただよく言われる「マダミスをシナリオを見せる手段として使うな」との意見については、少なくとも私が遊んできたマダミスにそんな部分はなかったので、このゲームシステムとしての定義や、ゲーム性の基準が人々によって異なるため、その定義や基準の厳しい人がいた場合、その判断基準に達していないゲームに言われているのかなと思ったりなんだり。普通に遊ぶ分には気にしなくてもいい部分なのかな。(ここだけ遊ぶ側として意見を述べるな)(お店のも踏まえて今まで遊んだ中で一番ゲームシステムバランスがうまくできていると思った『鬼哭館の殺人事件』ですら、ゲームとして破綻しているとかシナリオを見せるためのものと言われているのを見かけましたので、もう人の好みによる部分なのかもとも)

 テストプレイでおそらく諸々変わる部分ではあるとは思うので、改めて自分がなにを大事にしてゲームシステムを組み込んだのか、心に刻みつけるのでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?