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憧れと恋と自己肯定

彗星の如く現れたロールモデル氏について。

初めて会ったのは去年の5月で、すごく背の高い人だなと思った。少しだけ会話をして、その時は体を鍛えてることとマーベル映画が大好きなことが共通してると知った。
連絡先を交換して、撮った写真を送るついでにメッセージも少し交わしたけど、第一言語が違うので少し億劫になってしまって、ほったらかしていた。

その人の住む地域で私の好きなアーティストがコンサートをすると信じ切っていたので、近くに行く時はご飯でも行こう、というような話はしていたが、実際コンサートは行われず、しかし旅行はしたかったので勢いで航空券を取った。

ロールモデル氏に旅行の旨メッセージすると、「仕事休んで案内してあげる」と言ってくれて、ほぼ初対面の他人のためにそこまで?!と思ったけど有り難く甘えることにした。

そしてロールモデル氏と過ごした時間が私にとって宝物になりすぎた。
その旅行が楽しかったのか、その人と過ごした時間が楽しかったのか分からなくなってしまうくらいに。
すぐに会える距離ではないし、もう十分すぎるほど大人だから、恋とかそういうのではないと思う。5年前なら恋してたかもしれないけど。

その人の生き方、考え方が私の理想そのものだった。「こうありたい」「こうなりたい」と思う漠然としたイメージが、具現化されて目の前にいる。そんな人と初めて会うことができた。

私はかなり特殊な性格で「キツイ」「ヤバい」「怖い」「異常者」などと言われることが多い。
でも、自分の性格とか考え方はとても素晴らしいと思ってるんだよね。頭が良くて能力があるし。確かに日本の多くの人たちとは違うと思う。比較的強烈だと思う。でも違うからと言って、どうしてそんな言われ方をしなくてはいけないのか?と少なからず傷ついていた部分があったんだろう。私の根っこはこんなに優しいのに?と心の柔らかいところが「異常者」とか言われるたびに泣いていたんだと思う。

ロールモデル氏は私とめちゃくちゃ性格が似ていて、ハッキリものを言うし、効率主義で、頭が良くて、能力が高くて、私と張るくらいイラチで、そしてすごくすごく優しい。人に優しくすることは当たり前で、対価を求めるものではなく、考えるより先に体が動いて親切にする。
彼が何かをするたびに、喋るたびに、自分を見てるみたいでなんか笑ってしまったし、ちょっとだけ泣きそうになった。「わたしなん?」って何回言ったか。
私を外から見たらこうなのか。確かにやべぇな、とも思ったけどやっぱり最高やん、とも思えた。

体を鍛えていて、食事管理をしていて、それをすごいこととかストイックなこととして捉えてなくて、ごくごく普通の当たり前のこととして遂行してる。かっこよかった。私もそうなりたいと思った。憧れだった。
「無理して食べなくていいよ」「ゆっくり食べることはいいことだからね」「揚げ物は食べない(ようにしてる)でしょ?」「もも肉か胸肉なら胸肉にするよね」何も言わなくても分かってくれるし、そのことをイジったりしない。むしろ良いこととして捉えてくれる。こんなに心地いいことってあるんだ、と思った。

一緒にいるのが心地よくて、優しくされるのが嬉しくて、甘やかされるのが幸せだった。

本当にありのままの自分でいられた。よく見られようとか、可愛くいようとか、面白く思われたいとか、虚栄心を忘れ去って、自分がしたいことだけが分かったし、自分のありたい姿だけが見えた。

幼少期から今までもずっと、親の前で親の望む子供の姿を演じ続けている私にとって、ありのままで甘やかされるというのが初めての経験だったのだ。帰りの飛行機でそのことに気付き、ショックを受けたようになって、涙が止まらなかった。嬉しかったし、悲しかったし、もう既に会いたいと思った。

すぐに会うことは叶わないけど、彼に出会ったことで、私は私のままやりたいことを突き詰めていこうと決意できた。私って最高だし、もっと最高になるためにどんどん行動していけると思った。私は異常者なんかじゃない。怖くもヤバくもない。私の優しさを見抜いてくれる人はいる。そのことを確認して確信できて涙が出るくらい嬉しかった。

恋ではないかもしれないけど、恋みたいなもので、恋にすることも全然可能。憧れの人、というと距離を感じるけど、本当に横にいるくらい近くに感じてる。横というか、心の中にいる。小さいロールモデル氏を心の中に住まわせている。
そうすることによって、自分を客観視している。「私はいいけどロールモデル氏はどうかな?」と自問自答する。
心が折れそうな時、心の中の小さいロールモデル氏を召喚して、じっと見つめる。うん、私たちって誤解されやすいけど最高だよね、と思える。「あなたは優しいからね」と見抜いてくれた自分の優しさを大切にしようと思える。

大好きなロールモデル氏に次に会える時までに最高の自分を更新しなければ。
明日も朝早く起きてジムに行くね。
憧れの人と同じ生活をすることが、その人に近づいていく唯一の方法だから。

明日もがんばろ。
おやすみなさい。

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