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『CALLING』

去年末、お友達の画家、近藤麗子さんの個展へ行ってきた。麗子さんはとある写真家のパーティーで知り合って以来、一緒に美術館に行ったり、ワインを飲んだりする仲。でも彼女のことを知れば知る程、さばさばしているのにミステリアスで掴みどころのない独特の妖艶な魅力に引き込まれていく。

ずっとこの目で見たいと思っていた喜界の蝶をモチーフにした絵の数々は、そんな彼女の全身全霊の力がみなぎっていて、否応なしに別世界へ誘われる。

人にはそれぞれ居心地の良い場所があり、それは前世の記憶なのか過去の因果なのか分からないけど、麗子さんにとってこの地は魂が強く惹かれる場所で、彼女の原風景ともいえるテーマなのかもしれない。とは言え、なんだか私にも懐かしく感じるのは不思議。

自分の中にある自分を形どっている根っこのようなものを表現できるって、本当に素晴らしいこと。もちろんそれは才能がないと出来ないのだけど。

ギャラリーを後にして、バッハの無伴奏を聴きにサントリー・ブルーローズへ。

この時期に聴くバッハは神聖で内省的になるのだけど、ギブソンさんの奏でるチェロ組曲は軽やかで、まるで天を仰ぎながら風に吹かれているよう。

素晴らしい芸術に触れることは、人を、世界を知ること。いつだって自分の狭い宇宙を、無限に広げてくれる力を持っている。

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