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なるべく明るい乳がん日記9私の人生テーマソング

〜前回のあらすじ〜
入院前日のPCR検査も無事クリア。
退院後、しばらく腕を上げにくくなるという事前情報を得ていたので、家中の換気扇フィルターを全て交換し、電気屋で見つけた ”hulu1ヶ月無料パスワード” を設定。
妻が入院中でも夫が寂しくないよう万全の態勢を整えた。
私の不在が夫にとって寂しいのかそれとも自由なのか、それはしらんけど。

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【入院1日目】
まだコロナ5類移行前で面会や外出は出来ない。
病院まで送ってくれた夫から荷物を受け取り、エレベーターに乗り込む。
職員さんに案内され、病室へと入った。
希望が叶ってトイレとお風呂は共同の一番安い部屋に入ることができた。

入れ替わり立ち替わりいろんな人が来て説明を受けたり書類にサインしたりなんだか落ち着かない。
手術をする側の手首に、生年月日や名前がプリントされた白いリストバンドが巻かれる。フェスか。ある意味フェスか。
手術という人生初のビッグイベント。


いちばん楽しみなイベントはやはり食事。
以前は入院患者みんなで食堂で食べていたそうだが、コロナ以降は各部屋に配膳されるようになったのだそう。

食後は部屋まで食器を回収しに来てくれるのだが張り切って15分くらいで回収に来られる。早過ぎる。
私は給食を時間内に食べきれず、毎日自分で給食室に下げに行ってた子供で大人になってからも遅いままだ。
噛みすぎているのか。

食べ終わった昼食の食器を持って廊下をウロウロしていたら、通りすがりの患者さんが「レンジのところに置くといいですよ。」と教えてくれた。
パジャマを着たその人は院内の廊下でウォーキングしているようだった。

主治医の先生が様子を見に病室まで来てくれた。
軽く診察をして「まず入院環境に慣れてください。」と言い残し去って行った。

いつも忙しそうだけどちゃんと見に来てくれる。
ひとりひとりに不安がないよう気を配ってくれる。
頼もしくて、優しい先生だと思う。

今度は看護師さんが来て術後に必要なバストバンドと、血栓を予防するために手術中に履く弾性ストッキングのサイズを確認した。
その看護師さんに院内を案内されながら売店に行き、バストバンドを購入。1650円也。

今度は手術を担当する看護師さんが来て、写真を見ながら当日の流れを説明してくれた。
なんでも私はベッドに固定されてベッドごと傾いたりするらしい。
全身麻酔でよかった。
そんなアトラクション、意識あるほうが怖い。

「入場曲は何にしますか?」
なんですかそれ?

なんでも手術室に入る時に患者の好きな曲をかけてくれるという。
「有線のチャンネルか、スマホからかけることも出来ますよ」と笑顔の看護師さん。
麻酔ですぐ意識なくなるし、先生が気持ちよく執刀できる曲の方がいいような気もするけど、手術へ向かう患者の不安を少しでも和らげようという配慮なのだ。ありがたい。
でも曲を選ぶのってなんか恥ずかしい。

結局当たり障りのない2000年代のJポップを希望した。
いい曲いっぱいあるし。
何が流れるか楽しみにしておこう。


ご飯とお風呂、検温を済ませて部屋でゆっくりとテレビを見た。
『世代別歌詞が刺さる名曲52連発』という特番をやっていた。
元日ハムの杉谷さんが自分の入場曲を紹介している。
自分の入場曲を決める機会なんてなかなかないよなーと思う。


本当は昔ライブハウスに行くのが大好きでいっぱいライブも見て好きな曲がいっぱいある。いっぱい過ぎて選べないくらいに。
その中でもこれがいいなと思う曲がある。
知る人ぞ知る曲だけど、私はこの曲が好きだ。一生好きだと思う。
人生のテーマソングはこれがいい。

♪ ヨクバッテ生きていきましょう

人生一回きりなんだから、欲張って生きていきましょう!!

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