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なるべく明るい乳がん日記22副作用ワンダフルライフ

〜前回のあらすじ〜
頼もしきスーパー吐き気止め ”デカドロン” のおかげで、抗がん剤投与後しばらくは体調を崩さないことに気付いた私は2回目の抗がん剤投与を通院にて敢行。片道約50キロ往復セルフ運転を無事成し遂げた上に、あれこれ寄り道までして思う存分発散したのであった。ありがとう!デカドロン!!

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【投与2日目】
7月初旬。毎日暑くなってきた。様々なものが値上がりし、あらゆるものが小さくなっていく今年。節電したいのは山々だがエアコンのスイッチを入れる。口の中が少し甘い。熱はない。

デカドロンが張り切っているのか暑いからか寝つきが悪く眠りも朝い。それでも吐き気と不眠を天秤にかけたら吐き気の方が圧倒的に辛い。多少寝れなかろうがこれからも全力でデカドロンに頼りたい。

抗がん剤を投与した日の夜から毎食後、酸化マグネシウムという薬を飲んでいる。今回処方された新メンバーで、便を柔らかくし排便を促す薬だ。

便秘が起こることが前回判明したので便秘になる前から服用を開始し、出過ぎる場合は服用を控えるように、とのことだ。調節できるのはありがたい。これでもうトイレにこもって頑張ったりしなくていい。

さらにどうしても出ない時用にセンノシドという下剤まで処方されている。主治医の先生による万全の態勢によって、私の腹は守られている。その甲斐あって順調に便秘は回避できている。主治医という名の監督による完璧な采配。

薬の副作用には薬を。目には目を歯には歯をダイヤモンドにはダイヤモンドなのだ。(こんなマニアックなキン肉マンネタ誰がわかるのか)

【投与3日目 ジーラスタ注射】
休日の夫が「病院まで送るよ」と言ってくれてはいたが優しい妻の私は夫にエアコンの効いた部屋でゆっくり休んでもらうことにしてセルフ運転で一人病院へと向かった。余談だが私の車のクーラーは壊れている。

ヘアキャップの上に医療用帽子を被り、朝早く家を出て病院に無事到着。
検温と血圧を測定。軽く診察し、体調に問題がないことを確認してジーラスタを打ってもらって終わり。

片道約50キロをこの一瞬の注射のために来て帰る。

せっかく来たのでどこか寄ろうかとも思ったけど昼間の炎天下の長距離運転になる前に、夫の待つエアコンの効いた家へと真っ直ぐ帰った。

口の中が甘苦い。 ”ご飯美味しくない期” がまたやってきた。どうしても食べる量が減る。変な味しかしない。
 ”美味しい” ってすごく大切なことだとつくづく思う。
外出でタイミングを逃したからかお通じもない。(繊細な私)

夜から毎食後、これも新メンバーのロキソプロフェンを飲み始める。これは私が所望した ”カロナールよりもパンチの効いた強い痛み止め” だ。

どちらも解熱鎮痛剤ではあるけどロキソプロフェンは、子供にも処方出来るカロナールよりも副作用に気を付ける必要があるので一緒に処方された胃薬と共に服用する。

髪はだいぶ減った。まるで松の葉のように根元の繋がった毛が2〜3本まとめて力尽きたようにハラリと落ちる。毛根からやられている。
ヘアキャップ生活はまだまだ続く。

【投与4日目】
眠りが浅い。普通の水道水なのにうがいをすると口の中が妙に甘く感じる。何を食べても甘い。塩味はどこへ行った。塩を…塩を感じたい。かろうじて梅干しは食べられるのが唯一の救い。酸っぱいものは食べやすい。

ロキソプロフェンが効いているのか、身体の痛みはまだない。熱もないがちょっとダルい。抗がん剤投与後しばらくは、尿の色がちょっとオレンジ色になる。昨日も今日もオレンジ色。

節電のため100均で買った保冷枕にタオルを巻いて鼠径部に当てる。つまりは股に挟んでいる。人目を気にしないのであれば、これがいちばんコスパがいい。

夫から先日、少し早めの誕生日プレゼントをもらった。
Nintendo Switchのゲームソフト牧場物語Welcome!ワンダフルライフだ。

50歳の誕生日プレゼントがゲームソフトでいいのかと心から思うが、夫が私の好きそうなものを考えて選んでくれたその時間ごと嬉しいのだ。
去年は私に1ミリも刺さらなかった謎のVRゴーグルだったことを思うと夫の私への理解が深まった結果のセレクトなので喜びもひとしおである。

早速ゲームを開始する。
手元の小さい画面ではなく、見やすいようにテレビでやる。(老眼だから)

案内人タカクラに「ここで牧場をやってみるか?」と聞かれた私は好奇心が抑えられずつい「やっぱり、やめる」を選択し、即エンディングとなった。もう一度ゲームを開始し、今度は素直に牧場をやることにした。かわいい犬が家族の一員になる。牛とニワトリを飼う。だんだん楽しくなってきた。慣れない操作に戸惑いつつ畑を耕しトマトを植えた。
節電はどこへいったのか。

ジーラスタが威力を発揮し出したのか身体がだんだんダル重くなってきた。

心の元気まで奪われてなるものか!
私はコントローラーを握りしめた。

牧場物語にすっかりハマった私だった。

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