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なるべく明るい乳がん日記24遠距離通院は続く

〜前回のあらすじ〜
ついに抗がん剤投与も後半戦。
2クール目を満了し、3回目の投与日を迎えた。
遠距離通院は続く
できることなら〜なるべくポジティブに〜
 この曲好き)

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【TC療法3回目の投与日】
今回も通院であり、私にとって通院とはすなわち長距離運転である。

私の車のクーラー(エアコンではない)はガスを補充してもどこからか抜けていく仕様なので今年はもう諦めてガスの補充をやめた。大枚はたいて修理するほどの年式の車でもないので修理もしていない。夏さえ乗り切ればあとは問題ない。夏は屋根のついたバイクだと強がって乗っている。そう考えるとバイクより荷物もたくさん詰めるし、とても便利だ。物は考えようでどうとでもなるのだ。(なっているのか?)

窓全開で風を感じながら病院へ到着。風は感じるもののそれは朝っぱらからすでに湿気を含んだ熱風で全く涼しくはない。7月末の夏真っ盛り。毎日ひたすら暑い。

しかし今回は朝ご飯を食べて来てるので心が充実している。ひもじくない。さらに排便までこなしてきたのだから爽快である。なんて完璧な朝。

採血をし、血圧を測る。上が90に届かない。低すぎる。なんで??

気を取り直してまずは看護師さんと話をし、爪の変化やむくみなどを確認。爪がやられるのは投与前からわかっているので、毎日ずっと無印のオイルを寝る前に塗っていた。

元々爪が薄くて割れやすい方だがこれを塗っているおかげか、爪の副作用はほぼない。縦の筋がはっきりしてきているのと横に赤い筋が入っている程度で日常生活には全く支障ないレベル。ありがとうネイルケアオイル!そして投与する時にいつも使うアイスグローブを用意してくれる看護師さんにもありがとう!!

血圧をもう一度測り直す。ギリ90越えで無事クリア。血液検査の結果を待つ間に、予約していた婦人科で診察を受ける。


実は婦人科の検診も数年受けていなかった。正直あの椅子がイヤで後回しにしていた。でも手術で入院した時ついでに検診を受けることもできますよということで本当は入院中の術後4日目に婦人科検診を予約していた。しかし予想を越える吐き気にのたうち回りヘロヘロになった私は残念ながらその予約をキャンセルせざるを得なかったのだ。

覚悟を決めて婦人科へ行き、まず問診票に記入する。50歳にもなると最早自分の初潮がいつだったかなんて忘却の彼方である。朧げな記憶を元に雰囲気で乗り越える。最終月経の記憶も曖昧である。曖昧になるほどこの数ヶ月そういえば月経はご無沙汰であった。いよいよ閉経が近づいていた。

診察の後、子宮頸がんの検査と細胞診、経膣エコーをする。
私の右側にモニターがあり、そこに白黒の画像が映し出されモアレのような模様が動く。カーテン越しに婦人科の先生が画像の説明をしてくれたけど、どこがなんだか正直さっぱりわからない。あの画像から何かを読み取れるなんて先生って本当にすごい。

とりあえず筋腫は心配するような大きさではないとのこと。気になっていた腹痛もこの頃には感じなくなっていた。

内診を終え、もう一度診察に戻ると先生は私に「おそらく生理がくることはもうないと思います。」と言った。そんな気配はないという。どっちみちホルモン治療で止めるものだ。このまま閉経で構わない。

妊娠という本来の機能を一度も使わず毎月準備だけさせといて悪かったな…と心の中で子宮を労いながら、これもまた私の人生なんだなと思う。20代後半から40代前半辺りまでどこか重苦しく感じていたことがついに完全に終わった。子供が嫌いなわけではない。どうしても欲しかったわけでもない。ただ縁がなかった。後悔はない。正直生理がないのは楽でしかない。


婦人科の診察を終え、今度は乳腺の診察。
血液検査の結果は良好。今回も無事投与できる運びとなった。バンザイ!!左手に点滴の準備を整え、抗がん剤投与部屋である化学療法室へ行く。

今回の先客も前回とほぼ同じメンバー。
 ”あと何回おばちゃん” が私が持っているものと全く同じ医療用帽子を被っていたので「私もその帽子持ってます!」と思わず声を掛ける。

話好きなおばちゃんで、看護師さんともよく喋っている。治療に来てはいるけれど、ここで喋ることが息抜きになるんだと思う。私もそうだ。抗がん剤治療中ずっと家にこもりきりで、夫以外誰とも喋っていない。

毎日ゲームの牧場物語でいろんな住人と喋っているから気付かなかったけどリアルに家族以外の人と会話をするのはジーラスタ注射日以来だった。

ひとしきり喋り倒したおばちゃんも投与を終えて帰っていき、残るは私だけになった。ドセタキセルが少しだけ気持ち悪く感じたので眠ってやり過ごす。看護師さんは何やらパタパタと仕事を進めている。テレビの音が流れる静かな時間。

エンドキサンは特に問題なく流せた。看護師さんといろいろ話す。「足のむくみに気をつけた方がいいよ。」とアドバイスをもらった。寝る時にちょっと足を上げて寝ることにする。

そろそろ最後のシメである生理食塩水の投与になった。よっしゃー!もうすぐ終わるー!!!朝病院に来て採血して診察して投与するといつも4〜5時間かかるのだ。

生理食塩水を5分間流す間に椅子のリクライニングを戻し、フットレストを下げて戻し、脱いでた靴を履き、準備万端整える。

秒で退出する気満々の私なのであった。

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