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(17)The Future of ‘Birds-first’ Breeding「しつこい? 熱意?」

いつもありがとうございます。鳥爺です。

渡米するためにどうしても通訳ができる人が必要です。早速人材派遣会社の電話をしましたら私より1回り年上の男性Kさんがいました。
貿易会社の社長を経験されていて、東南アジア諸国で仕事をされていたそうです。
今回の目的は鳥の繁殖場を視察し、よければ生体を輸入したいので、条件的には申し分ありせん。すぐにでも渡米したい気持ちもあり即決しました。

KさんにはすぐCAP!に来ていただき、1週間後に渡米することと「Bird Talk」誌から行きたい繁殖場をピックアップしました。ほんとうは渡米前にアポイントをとりたかったのですが、インターネットがまだ普及していない時代でしたので、アメリカに着いてから電話をかける作戦を練りました。

そしていよいよアメリカへ。
直行便でロサンゼルスに朝到着。事前の作戦通りKさんに今日行く繁殖場に電話をかけてもらいました。
今回視察する繁殖場で優先順位を一番にしたのは、オカメインコの繁殖場です。
理由はCAP!の一番健康問題で悩んだのがオカメインコでした。当時オカメインコは、セキセイ、ラブバード、文鳥に次ぐ人気の鳥種になるだろうと思われていました。しかし国内では残念ながら私独自の基準を満たす繁殖場には出会えませんでした。
そこでロサンゼルス近郊でオカメインコを専門に繁殖しているウオルター・サーバーさんの繁殖場を是非視察したいと思いました。しかも空港から一番近いというのも選択理由の一つでした。

しかし電話をかけても誰も出ません。事前の予約なしなのでしかたがないと思いますが、オカメインコをお世話しているのであれば、誰かしら在宅しているだろうと考えました。
Kさんはどうせ帰国するときもロサンゼルス空港なので、一番最後にしたらと言われました。しかし午前中までに連絡がとれなかったらあきらめる、ということでしつこく電話をしていただきました。
そしてちょうど12時になるときに、ようやく電話が繋がりました。
電話でどんなやりとりをしているかわかりませんが、Kさんの表情が険しいのがわかります。一旦受話器をはずし、私に聞いてきました。
「予約なしの見学は受け付けていない」とのこと。
「そこをなんとか。時間も短くていいから」と食い下がりました。
ブリーダーのサーバーさんに、しつこいと思われるか、熱意があると思われるかわかりませんが、お会いして話をすればきっと理解が深まると信じていました。
Kさんも私の想いを汲んで、交渉をしてくれたおかげで「短い時間だったら」という条件で訪問が許されました。

(つづく)

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