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(34)鳥爺DJ奮闘記「約束をした覚えはない」

いつもありがとうございます。鳥爺です。

土曜日の営業が終りました。
私としては、DJをやって初めて手応えを感じた日でもありました。
しかし、ソウルミュージックをかけてほしいというカワダさんのリクエストを、無視した形になりましたので不安が残ります。
案の定、照明を明るくするとDJブースにいる私を、鋭い眼で睨んでいるカワダさんがいました。

「松本さん、ちょっと」

と右手で私を呼ぶ仕草を見せました。近くまで行くと、

「何でソウルをかけないんだ!!」
と、少し強い口調で言われました。

「あの流れではかけられません」と私。

「客の言うことが聞けないのか」

まずい。
口論だけで済むような人ではないので、何とかしなくてはなりません。
あー言えば、こう言われるのであれば、正直に答えるしかありません。

「ソウルがわからないのです」

と正直に答えると、

「だったら大久保と代わればいいじゃないか」

この言葉で私のほうがプツンと切れてしまいました。

「カワダさん、申し訳ないですが、経営には口を出さないと言いましたよね?」

と思わず反論しました。
そう、以前喫茶店で話し合いをしたときに、借金は返していくが、その間経営には口を出さないでほしいとお願いしました。

すると

「俺は約束をした覚えはない」と言い、さらに、

「経営には口は出してない。客としてソウルをかけろ、リクエストをしただけだ」

そうきたか、、、。

でも、ここで議論しても始まらないのですが、とっさにあることを思いつきました。

「ソウルの日を作りませんか?」

「ソウルの日、、、??」

カワダさんはちょっと呆気にとられた表情をしました。

私はさらに続けて、

「ソウルが好きな人は他にもいらっしゃるんでしょ?」

「おぅ、もちろんだ」

「じゃ、決まりですね。いつにしますか?」

と、畳み掛けるように話を進めました。
この展開で意外にもあっさり承諾をしてもらいました。

そして1ヶ月後の金曜日を「ソウルの日」 にしました。

さらにカワダさんに言いました。

「最低20人以上を連れてきてくださいね」と。

「20人、、、そんなに!?」

「はい。そうじゃなければ赤字になります」

と、カワダさんに有無を言わせませんでした。
まさかの勢いでノルマまで課してしまったので、自分でも驚きです。
実はこのことがきっかけで、経営に大きな変革が生まれたのです。

(つづく)

今日も素敵な一日になりますように(^o^)/

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