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(20)The Future of ‘Birds-first’ Breeding「成功する繁殖技術」

いつもありがとうございます。鳥爺です。

サーバーさん宅での繁殖方法は国内そしてフィリピン、シンガポールで視察してきた方法とは全く違っていました。
それは今まで見てきた繁殖場は、一度ペアリングをしたら繁殖ケージの中でずっと一緒に暮らしていました。
しかしサーバーさん宅では、繁殖が終わるとペアリングを解消し、広いフライトケージに移し、次の繁殖シーズンに備え体力をつけさせるそうです。

あなたはどう思いますか?
ずっと狭いケージにペアで暮らすことと、繁殖シーズン以外は広いフライトケージで暮らすこと、どちらが鳥たちのために良いと思いますか?

サーバーさん宅の方法はフライトケージを余分に確保しなくてはなりません。またフライトケージに移動し、繁殖シーズンがきたら捕獲して繁殖部屋に戻さなくてはなりません。
たしかにサーバーさんの方法は手間がかかると思いますが、鳥たちのためにはこの方法がいいのではないでしょうか。
またこれは国内の繁殖場との比較になりますが、せっかくの機会なのでお伝えします。
20年以上前、国内で有名なオカメインコの繁殖場を視察したことがあります。
ここは一年中同じ繁殖ケージの中でペアが暮らしていますが、巣箱は年中入れっぱなしでした。しかも繁殖が終わるまでは掃除をしないそうです。プレハブのような小屋の中でしたので、室内は薄暗く、お日様を浴びることもできません。
繁殖家曰く、繁殖させるには「効率がいい」そうです。
繰り返しますが日本で有名なオカメインコの繁殖場です。ただ私が視察したのは20年以上前なので、今はどうなっているかわかりません。しかしオカメインコの価格がその当時とあまり変わっていないことを考えると、大きく変化したとは思えないのが率直な感想です。

サーバーさん宅のオカメインコの話に戻します。
次にペアリングの方法です。サーバーさんは繁殖が終わるたびにペアリングを解消します。そしてオス、メスそれぞれのフライトケージに移動させます。
『鳥は死ぬまで同じ伴侶』と聞いていましたので、フライトケージでも一緒にさせてほしいと思いました。
ところがサーバーさんは、遺伝学に基づいてペアリングを行なっていました。
そのため親子三代以上遡ってわかるように、オカメインコの血統書が存在していました。いわるゆ家系図ですね。
もちろん個体識別をするためにすべてのオカメインコに足環を付けています。
足環もクローズバンドで、孵化後、1週間から10日頃にクローズバンドを装着します。
クローズバンドは鳥が成長してから装着することができませんので、個体識別の偽造ができません。
かたやオープンバンドという足環がありますが、こちらは後から装着できる足環です。
例えば野鳥の追跡調査などで捕獲した鳥に、足環をつけてからまた自然に戻す。そして調査のために捕獲したときにその鳥の行動範囲や生態について調べるために使われたりします。
ただ後から装着できますので、悪用することも可能です。
以前は野生で捕獲した鳥にオープンバンドを付け、輸出輸入許可書をとり、鳥を流通させていたことがあったそうです。その中で一番多く輸入していた国が日本であったということも聞いたことがあり、残念な気持ちになりました。

さて、なぜサーバーさんはペアリングを解消し、遺伝学に基づいてペアリングを行なっているのでしょうか?
実はこれがアメリカで成功しているサーバーの繁殖技術でした。

(つづく)

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