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(41)The Future of ‘Birds-first’ Breeding「鳥が鳥を選ぶ?」

いつもありがとうございます。鳥爺です。 

シッタカスの繁殖場は、初めて体験することばかりでした。
原産地の環境音を流す。
壁に吸音材(防音材)を貼り、音質(?)を良くする。
ちょっとしたことかもしれませんが、私が視察した繁殖場ではどこも行なっていませんでした。

たしかに視察した繁殖場はヨウムだけでなく、色々な種類を繁殖していましたので、どこの環境音を流せばいいのかわからないですが、、、。

驚いたのはこれだけではありません。
次に案内していただいたところは、広さが30畳くらいの部屋です。
そこには約40羽のヨウムが放し飼いされていました。
このフライトケージは、ヨウムたちの運動場かな?、と思いました。
中の空間は広々としているし、実際ヨウムたちは自由に飛び交っていました。
ただ、よ~く見るとこの部屋の外側数カ所に、約50cmの正方形の箱がセットされていました。
その箱には15cmくらいの穴(?)が空いています。
さらに外側には板が紐で吊るされていました。
写真撮影ができなかったのできちんと説明できませんが、何だと思いますか?
実はこの空間はペアリングをする場所だったのです。ヨウムたちの婚活パーティが、ここで毎日開催されているようなものでしょうか。
私が知る限りの繁殖場は、ペアリングの相手を自分で選ぶことはできません。
ここのヨウムは少なくても、この空間にいる中から自分で選べる訳です。
つまりペアになったヨウムは相思相愛です。当然繁殖率も上がるでしょう。

でも、どうしたらペアリングが成立したことになるのでしょうか?
いつも2羽で一緒にいて、仲良くしていればペアかもしれません。
しかしここのヨウム、体格も色も顔も見分けがつきません。
もちろん長い時間一緒にいれば見分けができるかもしれません。
ただ今度はペアのヨウムを探し出し、この広い空間から繁殖用ケージに連れていくために捕獲しなくてはなりません。
これはヨウムも人もたいへんです。

では、この広い空間からどうやって繁殖場を連れていくのでしょうか?
そこであの約50cm角の箱が活躍するのです。
ヨウムはペアになると、次に行う行動があります。
それは繁殖の準備のために巣作りできそうな場所を探すことです。
この空間は自由に飛び交うことはできますが、営巣することはできません。
しかし、唯一約50cm角の箱があります。
この箱の中でしたら営巣できるかもしれません。
最初はどちらかのヨウムが中を覗いたり、出たり入ったりしますが、そのうち2羽が一緒に入るようになるそうです。
2羽が入り箱内での滞在時間が長くなったところで、遠隔操作で紐を引くと板が降りてきて50cm角の出入口の扉が閉まる、という仕組みでした。
そしてペアのヨウムが入った箱を取り外し、繁殖場に移動します。

いかがですか?

ここでは人がペアリングをするのではありません。
ヨウムが自分自身で伴侶を決めるのです。
ヨウムの意思を尊重し、繁殖場への移動に際しても捕獲などもせず、最小限の負担で済ませていました。
それではこのペアが移動する繁殖場はどうなっているのか、見に行きましょう。

(つづく)


今日も素敵な一日になりますように(^o^)/

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