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【超速まとめ】 連立方程式の利用(応用問題…平均・池・鉄橋とトンネル・食塩水の移動・比・仕事)

「連立方程式の利用」の文章題を一目で理解できるように、重要事項を最も簡単にまとめました。

1、問題を解くときの順序
(1)何をxとyにするかを決める(ふつう、問題文の最後で「求めなさい」と書かれているものをx、yにする)

(2)問題文中で、「文章を等式に表せる部分」を2か所見つけて、等式を2つ作る

(3)作った連立方程式を、もっとも簡単な解き方・方法で解く

(4)求めた連立方程式の解が答えとしてふさわしいかどうかを確認して、単位をつけて答えを書く

2、平均の問題(応用)
例題1:ある中学校の生徒80人が学力テストを受験した。全体の平均点は58点で、男子の平均点は52点、女子の平均点は62点であった。男子・女子の人数はそれぞれ何人か。

(1)男子の人数をx人、女子の人数をy人とする

(2)「生徒数80人」から、人数を表す等式、x+y=80を導く
「全体の平均点は58点で、男子の平均点は52点、女子の平均点は62点であった」から、合計点を表わす等式、52x+62y=58×80を導く(合計=平均×人数をもちい、平均×人数+平均×人数=平均×人数の式を作る)

(3)連立方程式を解く
x+y=80…(1)
52x+62y=58×80…(2)
(2)の式の両辺を2でわって、26x+31y=58×40、26x×31y=2320
(1)の式の両辺を26倍して、26x+26y=2080
この2式を加減法で解いて、y=48、x=32

(4)答えは、男子32人、女子48人

3、池の問題(応用)
例題2:周囲2400mの池を、A、B2人が同時に同じ地点から歩いた。反対の方向に歩くと2人は15分で出会い、同じ方向に歩くと60分でAがBを初めて追い抜いた。A、Bはそれぞれ分速何mで歩いたか。

(1)Aの分速をxm、Bの分速をymとする

(2)「反対の方向に歩くと15分で出会い」から、池の周囲を表す等式、15x+15y=2400を導く(反対方向に進んで出会うとき、Aの進んだ距離+Bの進んだ距離=池の周囲の長さである)
「同じ方向に歩くと60分でAがBを追い抜いた」から、池の周囲を表わす等式、60x-60y=2400を導く(同じ方向に進んで追い抜くとき、Aの進んだ距離-Bの進んだ距離=池の周囲の長さである)

(3)連立方程式を解く
15x+15y=2400…(1)
60x-60y=2400…(2)
(1)の式の両辺を15でわって、x+y=160
(2)の式の両辺を60でわって、x-y=40
この2式を加減法で解いて、x=100、y=60

(4)答えは、Aが分速100m、Bが分速60m

4、鉄橋とトンネルの問題(応用)
例題3:ある列車が一定の速さで走っている。この列車が長さ570mの鉄橋を渡りはじめてから渡り終わるまでに18秒かかった。また、長さ3500mのトンネルをくぐるとき、この列車がすっかりかくれている時間は56秒であった。この列車の長さと速さをそれぞれ求めよ。

(1)列車の長さをxm、列車の速さを秒速ymとする

(2)「列車が長さ570mの鉄橋を渡りはじめてから渡り終わるまでに18秒」から、列車が進んだ距離を表す等式、18y=570+xを導く(渡りはじめてから渡り終わるまでに、列車は、鉄橋の長さ+列車の長さだけ進む)
「長さ3500mのトンネルをくぐるとき、この列車がすっかりかくれている時間は56秒」から、列車が進んだ距離を表す等式、56y=3500-xを導く(列車がすっかりかくれている距離は、トンネルの長さ-列車の長さである)

(3)連立方程式を解く
18y=570+x…(1)
56y=3500-x…(2)
この2式を加減法で解いて、y=55、x=420

(4)答えは、列車の長さが420m、列車の速さが秒速55m

5、食塩水を移す問題(応用)
例題4:容器Aと容器Bに、濃さの違う食塩水がそれぞれ400gずつある。容器Aから食塩水を200gとり容器Bに移したら、容器Bには4%の食塩水600gができた。そのあと、容器Bから食塩水を200gとり容器Aに移したら、容器Aには6%の食塩水400gができた。最初、容器A、容器Bにはそれぞれ何%の食塩水があったか。

(1)容器Aの食塩水の最初の濃度をx%、容器Bの食塩水の最初の濃度をy%とする

(2)「容器Aから食塩水を200gとり容器Bに移したら、容器Bには4%の食塩水600gができた」から、それぞれの食塩水に含まれる食塩の量を表す等式、200×x/100+400×y/100=600×4/100を導く
「容器Bから食塩水を200gとり容器Aに移したら、容器Aには6%の食塩水400gができた」から、それぞれの食塩水に含まれる食塩の量を表す等式、200×4/100+200×x/100=400×6/100を導く

(3)連立方程式を解く
2x+4y=24…(1)
8+2x=24…(2)
(2)の一次方程式を解いて、x=8
この解を(1)の式に代入して、y=2

(4)答えは、容器Aの食塩水が8%、容器Bの食塩水が2%

6、比の問題(応用)
例題5:兄と弟の所持金の比は5:3であった。兄が父から300円もらい、弟が120円使ったら、所持金の比が5:2になった。はじめに兄と弟はそれぞれ何円持っていたか。

(1)兄の最初の所持金をx円、弟の最初の所持金をy円とする

(2)「兄と弟の所持金の比は5:3であった」から、それぞれの所持金の比を表す等式、x:y=5:3を導く
「兄が300円もらい、弟が120円使ったら、所持金の比が5:2になった」から、比を表わす等式、x+300:y-120=5:2を導く

(3)連立方程式を解く
x:y=5:3より、3x=5y…(1)
x+300:y-120=5:2より、2(x+300)=5(y-120)…(2)
(2)の式の()を開いて整頓して、2x-5y=-1200
(1)の式の5y=3xを(2)の式の2x-5y=-1200に代入して、2x-3x=-1200
この式を解いて、x=1200、(1)に代入して解くとy=720

(4)答えは、兄の所持金は1200円、弟の所持金は720円

7、仕事の問題(応用)
例題6:ある仕事をするのに、A1人では20日、B1人では30日かかるという。この仕事をするのに、A1人で何日かした後で、残りをB1人でしたところ、全部で22日かかった。A、Bはそれぞれ何日仕事をしたか。

(1)Aが仕事をした日をx日、Bが仕事をした日をy日とする

(2)「全部で22日かかった」から、2人が仕事をした日数の合計を表す等式、x+y=22を導く
「A1人では20日、B1人では30日かかる」から、Aが1日にする仕事の量は全体の仕事の1/20、Bが1日にする仕事の量は全体の仕事の1/30であることを見つけておき、仕事の量の割合を表す等式、1/20×x+1/30×y=1を導く(仕事全体の割合は1である)

(3)連立方程式を解く
x+y=22…(1)
1/20×x+1/30×y=1…(2)
(2)の式の両辺に分母の公倍数60をかけて、3x+2y=60
(1)の式の両辺を2倍して、2x+2y=44
この2式を加減法で解いて、x=16、x=6

(4)答えは、Aが16日、Bが6日


俊英塾代表。「塾学(じゅくがく)」「学道(がくどう)」の追究がライフワーク。隔月刊誌『塾ジャーナル』に「永遠に未完の塾学」を執筆中。関西私塾教育連盟理事長。