木下龍也さんの短歌が好きという話


 私は短歌が好きです。その中でも、一番好きな歌人は木下龍也さんです。
 
 木下龍也さんの歌はどちらかというと孤独で、寂しさや暗さ、怖さを感じるものが多いです。短歌といえば、景色がきれいだとか子どもがかわいいといったほのぼのとしたものを想像していた私は、ある日TLに流れてきた木下龍也さんの短歌に撃ち抜かれました。

『飛び降りて死ねない鳥があの窓と決めて速度を上げてゆく午後』(歌集『つむじ風、ここにあります』収録)

 鳥が窓にぶつかって死んでしまう、そういう出来事があるということを知ってはいました。だけどこういう風に考えたことはなかった。歌の内容に辛い気持ちになると同時に、短歌ってこういうことを歌にしてもいいんだ、と気づきました。

 この歌の個人的に好きなところは、午後という単語です。朝でも夜でもなく、午後というある種穏やかな時間(というイメージが私にはあります)に起こっている悲しみ。

 私はこの歌を自死の歌として解釈しているのですが、他の方で戦争に行く飛行機という解釈もありました。色々な解釈ができるところも文字数の少ない短歌ならではだと思います。

 今回の記事はここまでです。また短歌のことを記事にしたいです。ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。

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