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#25 「前科者」を観て

冬休み、アマゾンプライムで「前科者」のシリーズを視聴した。5話しかなくて物足りない感じがしていたが、今回その続編が映画化されると言うことで速攻映画館に足を運んだ。

前科者は、保護司の阿川佳代(有村架純)が、仮釈放された人たちを支えていくドラマ。保護司とは仮釈放された受刑者の経過を観察する仕事で、無給の非常勤の国家公務員である。そんな阿川の元には訳ありの人たちがどんどん現れる。
映画では、仮釈放された工藤誠(森田剛)が阿川の元に来るところから始まる。工藤は大人しく真面目な性格で、何事もなく経過観察の期限を終えるところだった。その頃、巷では連続殺人が起きており、工藤がその犯人だったと警察が捜査を始めることで事態は一変する。

あらすじは、ざっとこんな感じ。
この映画を観て思ったことを述べていく。

1.寄り添うことの難しさ

苦労している人に寄り添うなどと簡単に言うが、実はこの「寄り添う」と言うのはすごく難しいことである。
保護司の阿川も工藤や他の受刑者たちに寄り添おうとするが、頼りにしてもらえなかったり、知らないところで話が進んでいたりして、寄り添い切れないことが続いてしまう。

しかし、阿川のすごいところは、積極的にアプローチして自分の思いを伝えるところにある。頼ってもらえなければ、頼ってもらえるように自分から行動する。保護司としての気迫が見られた。

また、「頑張りすぎないで下さいね」と励ましたり、弱い自分を認めたりする態度も寄り添うことの第一歩だと思った。

2.罪人は更生できるのか

阿川と警察のやりとりで、罪人は更生できるのかどうかの対立が起きていた。何としても捕まえたい警察と更生できることを期待する阿川。結果として、工藤は再犯を犯そうとするが、阿川の説得により諦めた。

私は、人は誰しも変われると思っている。
川の水がどんどん循環するのと同じで、人の心もその場その場で移り変わっていくからだ。
大事なのは、変わりたいと願う自分の意思とそれを支える周りの環境である。
その点で、人生を変えたいと思う人の近くで寄り添う阿川のような存在は重要なのである。

他にも語りたいことがたくさんあるが、これぐらいにしておく。人間の弱さを切実に語ったこの映画は、ぜひたくさんの人に観て欲しいと思う。

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