潜水艦タイタンの救出は失敗に終わったらしい。

今世界的にヘッドラインを席巻している潜水艦のニュース、海底にそれらしき破片が見つかったという。乗っていたのが大富豪で、3500 万円の旅だったこと、潜水艦が回天みたいに狭くて設備がしょぼく、安全性の問題が指摘されていたのに強気な CEO が強行にすすめ、操縦士がふたりも辞任したから CEO 本人が操縦していたこと、酸素が尽きるまでのタイムリミット、閉所に閉じ込められて酸素が尽きるのを待つという想像を絶するパニック、あのタイタニックというインパクトがあいまって、犠牲者には大変申し訳ないがエンタメ性の高い事件だった。潜水艦が押しつぶされる直前、きしむ物音に彼らは戦慄したのだろうか。苦しんでいたであろう客たちが大富豪だった、というのが貧しい我々のザマア精神を喚起する。SNS を見ると、他人の貧困を顧みずに金をため込んで、大金を払って好奇心を満たすような上級国民が苦しんだ、という事実に溜飲を下げる人々が多くいることがわかる。本当に心が貧しい社会だ。経済的格差と、貧者の怨嗟が可視化された事件だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?