見出し画像

選択の正解

ひとくちに体外受精といっても、刺激方法、受精方法、どこまで培養するか、自然胚か凍結か、等々あらゆる選択肢がある中で、私たちはまず「着床前診断(PGT-A)をする」「この病院で」を決めたので、他のことは病院(研究)の方針により自動的に決まりました。

具体的には、「低刺激」「顕微」「胚盤胞」「凍結」なんですが、やってみるとこれが実に悩ましい。

⚫︎低刺激法の場合、身体への負担は抑えられるけれど、採卵数は伸びにくい

⚫︎顕微授精の場合、受精率が上がる一方で、見た目には良さそうに見えても実際には力のない精子を選んでしまう可能性がある

⚫︎胚盤胞まで育てる場合、初期胚移植よりも着床率が上がる一方で、子宮に戻していたら育っていた胚を取りこぼしている可能性がある

⚫︎凍結胚の場合、子宮の状態などを考慮して移植できるが、凍結・融解時に損傷のリスクがある

加えて、PGT-Aならではとして、

⚫︎細胞の一部を採取することによる損傷のリスクがないとは言い切れない

⚫︎一定の基準をクリアした胚しか移植しない方針のため、それに満たない胚の可能性を摘んでしまう

原点に立ち返れば、「これ以上流産を繰り返したくない」「そのためには卵(胚)の厳選を」ということなので、PGT-Aありきの今のやり方に行き着くのですが、それでも、治療を進めるなかで、受精しなかったり胚の成長が止まったりするのを見るにつけ、「選んだ精子が…」「子宮に戻していたら…」と、タラレバが頭をよぎっていちいちくよくよしてしまいます。

まして、採卵数も、そこから先へ進める卵(胚)も期待よりずっと少なく、やっとここまで来たかと思っても状態が思わしくなかったりすると、狭き門をさらに狭くしていることに「本当にこれでいいんだろうか…?」と悩まずにいられません。

つまずいて初めてそこに段差があったことに気づく、ということの連続で思うように進めないなか、年齢的・経済的リミットは待ったなし。

“正解なんてない。あるとしたら自分たちが納得しているもの”

そう思っているけど、やっぱり最短経路があるなら知りたい。
ちょっと弱気モードです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?