会話劇「カフェ・オ・レ」日本語って難しくって曖昧
日本語って難しくて曖昧ですよね…。
わたし、好きです、カフェオレも、コーヒーも。
どっちかっていうと、ブラック派。
という前提ありきで、温かい目でごらんください。
A: 暑いな…
B:ああ、暑いな…
あそこに自販機があるぞ
なんか飲むか
A:そうしよう
俺はコーヒー
B:ホットでいいか
A:なんでだよ、熱いっていってんのに
B:いや、暑くて喉乾いてんのに、コーヒーを飲もう、という時点でどうかと思うけど
A:いいじゃないかよ、人の好みだろ
お前は何飲むんだよ
B:カフェ・オ・レ
A:いちいち点を入れて発音するなよ、鼻につくな
B:じゃ、カフェオレ!
A:言い直さなくていいよ
ていうか、お前もコーヒーじゃん
B:いや、これはコーヒー飲料な
A:こまかいなー
B:コーヒー飲料は、100g中のコーヒー豆の量が2.5gから5.0g含有している飲み物を指す
A:豆知識どうも
B:コーヒーだけに、な
A:鼻につくわ〜
B:お詫びと言っては何だが、私が奢りましょう
A:ありがとうございます
B:ブラックでよいですかね
A:いや、ブラックはちょっと
B:じゃ、こっちのやつ?
A:それは、カロリーが高すぎる
B:そこ気にするの?
A:するでしょ
B:だったらブラックでいいでしょ
A:いや、お金払ってゼロカロリーというのはちょっと…
B:そこなの、お金でカロリー買ってるの?
でも、高すぎるのはダメなの
A:微糖でお願いします
B:しょうがないな、はい
A:ありがとうございます
B:私はカフェ・オ・レを
A:点を入れるな、点を
A:あそこの日陰で飲みますか
B:ああ、いいね、少しでも涼しいところで
A:それでは、遠慮なく
カシュッ(缶をあける音)
うむ、うまい
B:では私も…
ああっ!
A:おい、どうした。
B:大変だ!
これ、「軽く振り、少し待ってから開けてください」って書いてある!
A:だからどうした
B:すごく曖昧
A:え?
B:すごくあいまいだよ、どうしたらいいんだよ
A:いや、振って開けて飲めば良いんだよ
B:いやいや、軽くだよ、軽く振るんだよ
その後、少し待って開けるんだよ
どうすりゃいいんだよ
A:ちょっと、2、3回振りゃいいんだよ
B:ホントか、ホントにそれでいいのか?
一回ひっくり返して、戻すくらいじゃないのか、軽くってことは
A:じゃあ、それでいいよ、そうしなよ
(B、缶をひっくり返す)
B:…もう一回くらいか?
(といってもう一度ひっくり返す)
A:そうね、もういいんじゃない
十分じゃない
B:もう1回ひっくり返しとくか!
A:2、3回振るのと変わんなくね?
オレ、最初に言ったよね?
B:いや、ひっくり返したほうが良いんだ
そのほうがちゃんとコーヒーとミルクが混ざるんだ
A:そうですか
B:ここからが問題だ
少し待たなければならない
A:いや、もう大丈夫じゃない
B:甘くみるなよ、この時間が短いと、ブシュってなって、服についたりするんだぞ
A:ゆっくりあければよくない?
B:ゆっくりってどの位だよ
秒速何mだよ
何でこんなに曖昧なんだよ
A:気にしすぎだって
こんな話している間に、結構時間立ってるよ
B:いや、きっと酸化防止のために窒素が封入されているんだ
こいつが落ち着くまで待ってやらないと
A:大丈夫だって
B:うっかり3回も逆さまにしてしまった
そのぶんしっかり待ってやらないと
A:「少し待って」じゃないの?
しっかり待つの?
B:ああ、少しだったな、そうだな
どのくらい待てば良いと思う?
A:オレに聞くの、そこ?
10秒くらいじゃないの?
B:よし、10秒だな!
1、2、3、…、10!
開けるぞ!
A:どうぞ
カシュ(Bが間を開ける)
A:ほら、だいじょうぶじゃん
B:ふう、安心したぜ
ではいただきます
A:どう?うまい?
B:…ぬるい
A:いい加減にしろ
A,B:ありがとうございましたー
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