10月18日 CEATEC2022に出てきた「空中ディスプレイ」に期待!
毎年10月に幕張メッセにて開催されるTI技術・エレクトロニクス国際展示会であるCEATEC(シーテック)。開催は3年ぶりなんだとか……。
いろいろ展示物はあったようだけど、アニメ・ゲームに関連しそうな技術をみてみよう。
まず取り上げるべきは、京セラの高精細空中ディスプレイ。CEATECAwardトータルソリューション部門準グランプリのガジェットだ。
写真ではまったくわからないが、手前側30センチに熱帯魚が浮かび上がっている(写真の掌の位置あたり)。
こちらが原理を説明したボード。説明を読んでもよくわからんのだけど……。従来の視差を利用した3Dとは違うので、ある程度角度を変えて見ることはできる。ただし、視野角30度が限界なんだそうだ。
視野角30度……と聞いて、おや、このマシンには「カメラ」が付いてないのか。もしもカメラが付いていて、鑑賞者の目の位置を把握できていたら、どこにでも首を傾けてもバッチリ3Dで見せられるのだけど。
活用シチュエーションは様々あり、美術館や店舗などの展示ディスプレイや、いろんなところに仕込むこともできるガジェットなのでレストランのテーブルに設置して、テーブルの中央にメニューを立体で浮かび上がらせたりもできる。車のフロントガラスに仕込んで、カーナビにすることもできるとか……。
私がこのブログでずっと話していることの一つに、ゲームの次の進化は3D・立体。ゲームはもはや2次元でできることは行くところまで行った。じゃあ次は3Dだろう。ニンテンドー3DSみたいなゲーム機はあったが、あんな立体ではなく、本当の立体3D。ゲーム機を回してオブジェクトを回り込んで見ることができるような仕掛けのあるゲームだ。
『ゼルダの伝説』の謎解きをゲーム機を回して覗き込んだり、『Minecraft』で自分の作っている立体物を回り込んで見たり……。いろいろ考えられるはずだ。
こういった技術が出てきたところで、その理想にまた一歩近付いた。任天堂、次のゲーム機で頼むぜ。
他にも、オブジェクトを立体で浮かび上がらせられるのなら、当然、私のような人間が考えるのはアニメキャラクターを3Dで浮かび上がらせること。数年後のアニメショップではキャラクターが立体・空間で浮かび上がって、商品の説明をしたりするかもしれない。2次元との壁はどんどん薄くなっていく。
こちらはアルプスアルパインのステルス空中インターフェイス。空中にコンソールを表示させ、指で触れることができる。「触感」はどうやらないようだが、音やアニメーションで触れたことがわかるような仕掛けになっている。
これも機械部分は隠して仕込むことができるものらしく、展示では大理石の上に画像を浮かべたり、木目板の上に画像を浮かべたりもしていた。
もともとは現代「非接触」で過ごしたい……という要望を受けて生まれた技術なんだそうたが、いろんな副産物を生みそうな技術でもある。
気になった技術がこちら。写真中央に映っているポップのようなもの。これ、ディスプレイなんだそう。
このディスプレイはバックライトを使わず、光を反射することで画面を表示させる……という仕組みのディスプレイだ。こうやって見ても、ディスプレイに見えない。
という話を聞くと思い出すのはゲームボーイアドバンス。初期のゲームボーイアドバンスにはバックライトがなく、外からの光を反射させねば画面が見えない……という仕様だった。これがそれなりの光がなければ見えづらく、しかし光が強すぎるとディスプレイが光を反射してしまう……というジレンマがあったが。
あの技術の最新版は外光に負けず、かなりくっきりした画像を浮かび上がらせることができる。バックライト不要、つまりディスプレイの冷却機構が必要ないので、超薄型も実現できる。消費電力も小さいので、ソーラーパネルでの長時間稼働が可能。
ゲームには絡んで来そうにないけど、近い将来、いろんなところで気がつかないうちに普及しているかも知れない。
他にも、VRやメタバース関連の展示もあったそうだけど、レポートを読んでもいまいちピンと来ない、何を説明されているのかよくわからないので、ここでは取り上げない。
でも一個だけ、面白いものを見付けたので取り上げよう。
TDKが公開した、ARグラス。仕組みは単純、メガネのつるのところに、超小型のレーザーモジュールを仕込んで、メガネのガラス面に画像を照射する……というもの。プロジェクターをメガネの内側に映しているような感じだね。
説明ではかなりくっきりした画像を映し出せるようなので、これで視覚サポートなんかもできるそうだ。
でも私のような人間が考えるのは、『電脳コイル』。どこまで普及するかよくわからないガジェットだけど、エンタメ方面で活用されることを期待したい。
ゲーム、アニメには一切関係ないが、ちょっと良いなぁと思ったので取り上げよう。
北良株式会社が発表した移動可能な居住スペース「WHOLE EARTH CUBE」。電気は太陽電池で発電、水は雨水を濾過循環して生活用水に使える。つまり「水道・電気タダ」というミニハウス。
奇しくもCEATEC2022年にはシャープから太陽電池のパワーアップ版が出ている。従来の太陽電池に対して、発電性能2倍なんだそうだ。こういった技術を併用すると、より良くなるだろう。
そうはいっても、雨水を濾過したものを飲料水にするわけにはいかないし、蓄電もそんなにできないので夜間の電気は別に必要なはずなので、「水道・電気タダ」というのはちょっと言いすぎかな。そもそも雨が降ったら太陽電池は使えなくなり、雨が降らねば濾過システムも作動しない。よくよく考えたらソーラーパネルと濾過装置は同時に作動しない、これが同居している、というのも変な家だ。
そうはいっても、ちょっと小洒落た別荘にするも良し。想定では大規模災害時の仮設住宅に使う想定なんかもあるそうな。自宅の外に置くプライベートエリアとするのはいいかも知れない。