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ブログ:映画の話

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映画の感想文。
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2024年4月の記事一覧

映画感想 MEN 同じ顔の男たち

 だいたいの男は同じ顔をしている。  久しぶりにちょっと「クセものホラー」です。『MEN 同じ顔の男たち』は2022年公開のホラー映画。アメリカ映画だが、舞台となっているのはイギリス。監督・脚本はアレックス・ガーランド。アレックスは小説家としてキャリアをスタートさせ、映画にもなった『ザ・ビーチ』の原作小説を執筆している。その後『28日後…』の脚本で映画の仕事に関わるようになり、『わたしを離さないで』『ジャッジドレッド』などの脚本でキャリアを積み、2105年『エクス・マキナ』

映画感想 ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り

 どこか懐かしい、ファンタジー・エンタメ作品。  『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』の歴史は長く、今もって現代の創作史において重要な位置づけにある。  私たちが「ファンタジー」と呼ぶものの元素的イメージは、第1にはJ・R・R・トールキンによる偉大なる創作『指輪物語』が原点であるが、もう1つ原点と呼べる作品が『ダンジョンズ&ドラゴンズ』だ。  歴史の始まりはゲイリー・ガイギャックスが失業中だった1970年代頃に、仲間内で作ったゲームが元になっていた(もちろんこの時、ゲイリ

映画感想 ジョン・ウィック4:コンセクエンス

 犬を連れている奴に慈悲を!  『ジョン・ウィック:コンセクエンス』は2023年に劇場公開された。2014年に『ジョン・ウィック』シリーズが始まって実に9年。前作の後、パンデミックの影響でしばし休止期間を挟んだが、第4作まで一気に駆け抜けた、という感がある。  制作費は1億ドル。興行収入は4億2900万ドル。ここで1作目からの制作費とRotten tomatoでの評価を振り返ってみよう。  1作目から2作目、3作目まで制作費、興行収入ともに2倍、2倍。さすがに4作目も2倍

映画感想 ヴァチカンのエクソシスト

 エクソシストは語る。悪魔は実在する――と。  2023年、日本でもなかなかのヒットとなったホラー映画『ヴァチカンのエクソシスト』が早くもAmazon Prime Videoに登場! あのアクション俳優・ラッセル・クロウがエクソシストを演じる。この配役からすでに面白いのだけど、日本で話題になったのはプロデューサーのジェフ・カッツ。日本語に通じたプロデューサーで、本作が日本で劇場公開されたとき、SNSで感想をあげるとジェフ・カッツから返信が来ることが大きな反響となった(ハリウ