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ブログ:映画の話

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映画の感想文。
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2022年3月の記事一覧

映画感想 IT/イット THE END それが見えたら、終わり

 今回視聴映画はまたまたスティーブン・キング。別に意識したわけじゃないけど、スティーブン・キングに行き当たるんだよなぁ……。  大ヒット映画『IT それが見えたら終わり』の続編にして完結編! 興行収入に関する詳しいデータが出てないが、アメリカ本国でも日本でも、「前作よりやや低い」成績だったようだ。批評については、Rotten Tomatoesでは批評家支持率62%。前作の批評家支持率が86%と比較するとはっきり低い。どうやら「賛否両論」になっていたようだ。  評価の微妙さにく

映画感想 ファースト・マン

 今回視聴映画は『ファースト・マン』。2018年公開の映画で、人類で初めて月面着陸を成功させたニール・アームストロングを描いた作品である。  監督はデイミアン・チャゼル、主演はライアン・ゴズリング。『ラ・ラ・ランド』の監督主演コンビである。制作費5900万ドルに対して、世界興行収入は1億200万ドルと世界的に大ヒットし、Rotten Tomatoesでは批評家支持率92%と高い評価も獲得した。アカデミー賞では音響編集賞、録音賞、美術賞、視覚効果賞にノミネートし、視覚効果賞を受

映画感想 ペット・セメタリー

 『ペット・セメタリー』は2019年のアメリカ製ホラー映画だ。原作はスティーブン・キング。  まず本作の評価だが、あまり芳しくないようだ。興行収入は同時期に大作とぶつかったために思ったほど伸びず。批評でもRotten Tomatoesにおいて批評家支持率57%、10点満点中5.93と微妙。Amazonレビューも見てみたが、こちらもあまり評価は伸びていない。  というのも、『ペット・セメタリー』が映画化したのは今回で2回目。1989年……今から30年ほど前に一度映像化されている

映画感想 ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー

 サリンジャーがこの世を去ったのは2010年1月27日。享年91歳だった。  代表作である『ライ麦畑でつかまえて』は1951年に出版され、それから間もなくサリンジャー自身姿を消したので、私はもうとっくに「過去の人」だと思い込んでいた。だから2010年、新聞で「サリンジャー死去」のニュースを見た時は、不思議な気分だった。あの世界的名作を書いた人が、まだ在命だったのか? 過去の人ではなく、つい最近までこの世にいたということが、なんとなく不思議だった。  そのサリンジャーの若者時

映画感想 事故物件 怖い間取り

 あ……これ、デートムービーだわ。  『事故物件 怖い間取り』は芸人松原タニシ原作により実録物怪談である。  経緯から話そう。  2012年、売れない芸人だった松原タニシは、同じ芸能事務所所属タレントであり先輩の北野誠出演番組【北野誠のおまえら行くな】という番組に出演。その番組企画として、幽霊が出る事故物件に住むこととなった。その際に様々な怪異現象を体験し、次第に番組内で評判企画に育っていった。  この時の体験は『事故物件怪談 怖い間取り』として書籍化され、第1巻が2018

映画感想 ドント・ルック・アップ

 映画の話をする前に、こんな話を……。  2017年10月19日、マウイ島ハレアカラ山脈に置かれたパンスータズ天体望遠鏡を使って、新規の天体が発見された。発見者は天文学者のロバート・ウェリック。  その天体は長く平べったい形をしていて、彗星でもないし小惑星でもないので、新たな名前が必要だった。そこで付いた呼称がオウムアムア。ハワイの言葉で「遠方から初めての使者」という意味だ。  このオウムアムアは時速31万キロの速度で――地球に向かっていた。  画像を見てわかるように、太陽