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ブログ:映画の話

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映画の感想文。
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2021年11月の記事一覧

映画感想 透明人間(2020)

 まずは前日譚のお話から。  2014年、ユニバーサル・ピクチャーズは古典モンスターホラーを現代に復活させ、さらにホラーキャラクター達が一つの映画に集結する「ダーク・ユニバース構想」を公開にする。この当時、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)が記録的な大ヒットを飛ばし、「我が社でもMCUみたいなやつを!」と立てられた構想であった。  が、その第1作であった2017年『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』が大コケ。制作費1億ドルをかけて、スター俳優トム・クルーズを起用し

映画感想 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

 『閃光のハサウェイ』は先日視聴した『逆襲のシャア』から12年後を舞台にした物語だ。作品としては映画『逆襲のシャア』の翌年に小説版が描かれ、それを映像化したものが今回の作品となる。『閃光のハサウェイ』は累計発行部数130万部。当時の大ヒット映画『逆襲のシャア』のストーリーを引き継ぐベストセラー小説だ。  私個人的には先日1988年『逆襲のシャア』を初視聴して、2021年公開『閃光のハサウェイ』と33年の時を一気に飛んで視聴したのだけど……うひゃーー!! めちゃくちゃ絵が綺麗

映画感想 もしもガンダムをよく知らない人が『逆襲のシャア』を見たら……?

 今回、変なブログタイトルですが、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の感想文です。  どうしてこんな変なタイトルを付けたのかというと、本当にガンダムをよく知らないから。まったく知らないわけでもなく、過去に何度か見たけれども、いまいちピンと来なくて……。たぶん、ガンダムシリーズは私には向いてないんだろうね。  それでも『逆襲のシャア』はガンダムファンから神格化されている1本。果たしてどんな内容なんだろう……と気になっていたので、「よし、一度見てみようか」……というのが今回の動

ドラマ感想 全裸監督2

 『全裸監督2』を視聴!  ……2021年6月配信のドラマを、10月になってやっと視聴。まあ、私はだいたい世間で話題になっている時には見ないタイプなので。こういうのは自分の気の向いた時に見るのが一番です。  さて『全裸監督2』。時代は1990年に入っていく。  1990いといえばバブルが崩壊し、消費増税が導入され、ここから日本は30年にわたるデフレスパイラルに突入していき、ついには「衰退途上国」と言われるようになる。この辺りから私たちは、政府、マスコミ共謀による嘘――「政府

映画感想文 この世界の(さらにいくつもの)片隅に

 Netflixに『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』という映画が配信されていた。  ……まあ、観てみようか……。  と軽い気持ちで観たら……これが素晴らしかった。2019年の『この世界の片隅に』も良かったのだが、さらに良くなっていた。『この世界の片隅に』では断片的になっていたもの、よくわからなかったエピソード――とくに白木リンを巡るエピソードが追加され、色んなものが克明になったし、解釈の有り様も変わってしまう作品になっていた。  実は最初の映画化の時にも、プランとして

映画感想 グリーンブック

 『グリーンブック』は2018年のアメリカ映画で、実話を元にした作品だ。脚本はニック・ヴァロレンガ……主人公の一人であるトニー・ヴァレロンガの息子である。  主人公は2人。黒人ピアニストであるドクター・シャーリーと、その運転手であるイタリア系アメリカ人のトニー・ヴァレロンガだ。この2人がとあるコンサートツアーを通じ、何度も衝突しつつも最終的には深い友情に結ばれていく……というストーリーだ。  監督はピーター・ファレリー。キャリア初期に監督した、『ジム・キャリーのMr.ダマー

映画感想 ターミネーター:ニューフェイト

 『新起動:ジェニシス』に続いて2019年公開『ターミネーター:ニュー・フェイト』も視聴!  原題では『Dark Fate』ってなってるね。「暗い宿命」……私としては、この作品のサブタイトルは「新しい宿命」こと『ニュー・フェイト』のほうがしっくりくる。  『ターミネーター:ニュー・フェイト』は『ターミネーター2』以降のストーリーをなかったことにして、『ターミネーター2』の正式続編として物語が描かれている。  まず冒頭でジョン・コナーがいきなり死亡。未来から送られてきたターミ

映画感想 ターミネーター:新起動/ジェニシス

 Netflixで『ターミネーター 新起動ジェニシス』を見よう!  とその前に、まず『ターミネーター2』を見ましょうか。いや、どんな内容だったかほとんど忘れているので。思い出すために、まず『ターミネーター2』を見ることに。 ターミネーター2をもう一度見よう!  冒頭、未来からアーノルド・シュワルツェネッガーことT-800ターミネーターがやってくる。  あひゃー! この頃のアーノルド・シュワルツェネッガーかっけー! 筋肉美しい! 最盛期の頃のアーノルド・シュワルツェネッガー

映画感想 ワンダーウーマン1984

 『ワンダーウーマン 1984』をNetflixで視聴! 前作から66年後の1984年を舞台に、ワンダーウーマンの活躍を描く。監督、脚本はパティ・ジェンキンスが続投。公開されたのが、ウイルスの蔓延で混乱していたまっただ中だったとはいえ、順当な興行成績を獲得、批評家による評価も高かった作品。 !ネタバレあり!  まず初見の印象だけど……アメコミヒーローもの映画としては、やや特殊な作り方をしている。なにがどう「特殊」なのかは、これから掘り下げていきましょう。  時代は198