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ブログ:映画の話

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映画の感想文。
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2021年9月の記事一覧

映画感想文 8月視聴映画まとめ

アーミーオブザデッド  ザック・スナイダー監督がNetflixとコンビを組んで制作した映画。DC映画で散々な目に遭ったザック・スナイダーが新天地で制作に臨んだ作品である。監督だけではなく、原案、脚本、撮影、製作全ての面で深く関わった作品だ。  ゾンビ映画に愚連隊が集まって任務に当たる『特攻野郎』的な要素に、それとは違う何かも足された作品。いろんな要素が乗算で足されていっているが、そこに新規性はほぼなく、それぞれのジャンルものにありきたりなシーンがただただ並んでいるだけに感じ

映画感想文に関するちょっとしたお知らせ。

 これまで色んな映画感想文を書いてきて、ふと思ったことがある……俺、なんでこんなに書いてるんだ?  誰からも1円ももらってないのに。  誰のために?  私の書いている映画感想文は、短いものでも5000文字、長めになると1万文字を越す。それくらい書こうとすると、そこそこ時間が掛かる。最近は、映画中の台詞を正確に書き出し(一言でも間違えるとクレームが来るんだよ)、映画のキャプションも付けている。ここまでやると、まる一日映画の感想文に費やすことになる。  よくよく考えたら、なん

映画感想文 シン・エヴァンゲリオン完結編 Ⅲ エヴァンゲリオンってこんなに尻アニメだっけ?

 はい、ここまで読んできた人はご苦労さん。字ばっかりで退屈だったでしょう。サリンジャーとかシリンジャーとか、内容も意味不明だったでしょ? 書いたやつもアホなんでテキトーに流せばいいんです。  ここからは一気にIQを下げて、画を見ながら一言感想文を書きます。尻品評会もちょっとやります。  今回のエヴァンゲリオンでどうしても気になったのはこちら。  『エヴァ:破』でもアスカは魅惑的な尻を見せてくれたけど、今回も惜しげなく尻見せてくれます。拝みましょう、拝みましょう。ありがたや

映画感想文 シン・エヴァンゲリオン完結編 Ⅱ エヴァの呪いに立ち向かっていった男の話

 こちらはタイトルが『シン・エヴァンゲリオン感想文』となっていますが、『シン・エヴァ』本編の話はしません。『シン・エヴァ』にちなんだ私の個人的な日記にあたる話をします。  『シン・エヴァ』の感想文はこちらです↓  読者の中には「そういう日記は自分のブログで書けよ」という人がいるでしょうが、これは私のブログです。どこからもお金をもらわず私が勝手に書いているブログなので、好きなように書かせてもらいます。 25年前、こうしてエヴァの呪いが始まった  『シン・エヴァンゲリオン完結

映画感想 シン・エヴァンゲリオン完結編 Ⅰ

!ネタバレ警報!  ついにAmazon Prime Videoにて『シン・エヴァンゲリオン完結編』が配信開始! しかもプライム会員無料だ!  劇場で見に行けなかったので、すぐに視聴。ここまでに結構ネタバレ喰らってきたけど、これ以上ネタバレを喰らうわけにはいかない。もったい付けずにすぐに視聴だ。  それで、いつものように映画の感想文を書いていくつもりだが、今回は薄らぼんやりな感想文を書くつもりだ。というのも設定のほとんどがわからない。なんで電車が宙に浮かんでいるのとか、「コ

映画感想文 イット・フォローズ

 今回は簡単感想文です。  『イット・フォローズ』は2014年のアメリカ映画。第67回カンヌ国際映画祭「批評家週間」部門にて上映され、Metacriticでのスコアでは83点。Rotten Tomatoesでは支持率97%を獲得したホラー映画である。  他にも『ローリングストーン』誌では2015年ベストホラー映画第1に選ばれるなど、アメリカではかなり高い評価を得た作品である。  それでは内容を見ていこう。  冒頭15分、主人公ジェイはボーイフレンドのヒューとの初めてのセ

映画感想文 テネット TENET

!ネタバレあり!  Netflixについに『テネット TENET』配信……は、ちょっと前から配信されていたけれど、やっとこさ視聴することができた! いやいや、マイリストに山ほど映画を放り込んで、1本1本観てはこうやって感想文を書いているのだけど、すると視聴するのにめちゃくちゃに時間かかっちゃって……。感想文を書くために毎回2回視聴して、その感想文もそこそこ長いので……。  映画『テネット』を特徴付けているものは、「タイムトラベル」の有り様について。今までの映画に出てくる「

映画感想 怪談(1965)

 今回は簡単感想です。  Netflixで映画を観ていたら、オススメ作品としてこの映画『怪談』が出てきた。  ……ほう。ジャパニーズ・クラシック・ホラーか……。いわゆるJホラーと呼ばれるものの原典的なものを探れるかも知れない。そう思って視聴した。  映画『怪談』。制作は1965年。小林正樹監督。原作小泉八雲。日本に古くから残されている4本の「怪談」を映画にした作品だ。  まず、古い作品であるから、カメラのテクノロジーもやはり古いというのが難点で……。うまくピントが合ってい

映画感想 スパイダーマン ファー・フロム・ホーム

 あっ、Netflixに『スパイダーマン』が配信されている!  ……と、気付いたものの見るべきかどうかは葛藤があった。というのも、私は映画『アベンジャーズ』を観ていない。『アベンジャーズ』周辺映画も観ていない。そのうちに観よう、機会があったら観よう、収入が出たら観よう……とやっているうちにもう追いかけられないんじゃないか、というくらい溜まってしまって……。  でも、『スパイダーマン ファーフロムホーム』を観たい! よし、観てやろう!  ……という感じに見始めたのだけど、あー

ドキュメンタリー感想 フリーメイソンー世界的秘密結社の謎に迫るー

 フリーメイソンといえば――欧米の権威階級にいる多くの人々がその会員で、世界を裏から操っているという、都市伝説では定番の組織!  カメラが初めてフリーメイソン内部に潜入し、その秘密を暴く!!  という触れ込みのこのNetflixドキュメンタリー。  様々な都市伝説でお馴染みの「あのフリーメイソン」が、どんな組織でどんな活動をしているのか、が具体的に描かれる。そう聞いて、私もそれなりに都市伝説を信じていたわけでワクワクしながらこのドキュメンタリーを見始めたのだけど……。  

映画感想文 金田一耕助シリーズ 悪魔の手鞠歌以降

 前回、金田一耕助シリーズ第1作目『犬神家の一族』の感想文を書いたが、それ以降のシリーズ作品はまとめて一つの感想文として書くことにする。 悪魔の手鞠歌  金田一シリーズ第2作目『悪魔の手鞠歌』。製作は東宝。市川崑と東宝は、1947年頃労働争議で揉めて以来疎遠になっていたが、1977年の『悪魔の手鞠歌』を切っ掛けにようやく和解したようだ。市川崑はもともとは東宝所属の映画監督だったはずなので、これで「元の鞘に収まった」……という状態である。  『悪魔の手鞠歌』のゲスト俳優は若

映画感想 犬神家の一族(1976)

 今回視聴映画は1976年の市川崑監督作品『犬神家の一族』。当時の大ヒット映画『金田一耕助シリーズ』第1作である。  まず、映画が制作されるに至った経緯について話をしよう。  1971年、角川書店の角川春樹は、文庫部門を強化するために内部改革を実施する。そこで目を付けたのが、他出版社が手を付けていなかった「ミステリ」。さらに当時はさほど注目されていなかった作家・横溝正史をその中心に据えて広告展開していこうと考えた。  今でこそ、本屋へ行けばミステリ小説は山ほどあるし、「ミステ

映画感想 炎上

 今回視聴映画は1958年公開『炎上』。原作は三島由紀夫の小説『金閣寺』。1950年7月2日に寺の見習い僧が実際に金閣寺に火を付けた事件があり、その事件をヒントに描かれた小説である。  実際の事件同様、主人公はどもりで、事件を起こした後、裏山で服毒、ナイフで腹を裂いて自殺しようとしていた。その若者がどうして金閣寺に火を点けたのか……その精神的過程を掘り起こした作品である。  主演は市川雷蔵。市川雷蔵は23歳になった1954年、歌舞伎の世界から映画俳優として転身した。もともと歌

映画感想文 ビルマの竪琴(1956総集編)

!ネタバレあり!  今回視聴映画は市川崑監督作品『ビルマの竪琴(総集編)』。原作は1947年から翌年まで『赤とんぼ』に掲載されていた同名作品。映画はエディンバラ国際映画祭グランプリ受賞、ヴェネツィア国際映画祭サン・ジョルジョ賞受賞、リスボン国際映画祭審査員特別賞受賞と数々の栄誉に輝き、現在も映画ファンから文句なしの名作と推される作品である。  ちょっと『ビルマの竪琴』に至るまでの市川崑についての話を……。  市川崑はアニメーターとして映像作家のキャリアをスタートするが、そ