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ブログ:映画の話

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映画の感想文。
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2021年3月の記事一覧

映画感想 クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん

 『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』は2014年4月公開。『クレヨンしんちゃん』映画シリーズ22作目。この時期なので、しんのすけ役矢島晶子(2018年6月しんのすけ役引退)、野原ひろし役藤原啓治(~2020年4月死去)、園長先生/カンタムロボ役に納谷六郎(~2014年11月死去)といったオリジナルメンバーがまだ作品に出演していた頃の作品である。  本作では劇場シリーズとしては初の父親である野原ひろしに焦点が当てられた作品となっている。脚本は中島かずき。私と

映画感想 ジュラシックワールド2/炎の王国

 映画史における決定的な変化を築いた『ジュラシックパーク』を新しいシリーズとして刷新した『ジュラシックワールド』の第2作目。  『ジュラシックワールド』の2作目ではイスラ・ヌブラル島が火山噴火によって滅亡する瞬間が描かれる。『ジュラシックパーク』はご存じ1993年に制作され、映画史上初めてCGの恐竜を出現させた作品だ。その以前の技術からは比較できないくらいリアルな、本当に生きているような恐竜をスクリーンの上に登場させ、私たちを夢中にさせ、映画の表現手法を根本から変えてしまった

映画感想 ヘレディタリー/継承

!ネタバレあり!  映画雑誌を読んでいると、『ヘレディタリー』という作品はわりとよく見かける。でもどんな映画なのか知らない……と思っていたところにNetflixにあるじゃーないか。そういうわけで視聴。  で、見てみると……ホラー映画といえばホラー映画なのだけど、かなり特殊なことをやっている作品だった。どう特殊なのかというと……これがうまく表現しづらい。例えば「○○みたいな作品」という紹介の仕方がやりづらい。ホラーっぽい文法や文脈の中で語られているのは間違いないが、でも私の知

映画感想 羅生門

 黒澤明監督の『羅生門』といえば、1950年公開で日本人として初のヴェネチア国際映画祭グランプリを受賞した作品で、日本映画としての金字塔であり、黒澤明監督が巨匠となるための最初の一歩となった作品である。  でもそれも70年前の映画。「タイトルは有名だけど見たことがない」作品の一つになっていないだろうか。  私も実は『羅生門』を見たのはまだビデオテープの時代。まだ世にDVDが存在しない時代のビデオで視聴した。ビデオテープの時代の白黒映画というのははっきり画質が悪く、テレビ側の輝

映画感想&解説 東京無国籍少女

!ネタバレあり!作品のラストまで言及しています!  今回の映画感想文はちょっと特例。「感想文」ではなく「解説」寄りの話をします。全体の8割がた「解説」です。  というのも、Amazon Prime Videoで視聴したのだけど、レビューをざっと見ると「よくわからない」「意味がわからない」という意見がずーーっとあって、「わかる」という人はいるけれども誰も解説を書いていない。  こりゃイカン。私もにわかと言われたらにわかだけど、わかっている範囲で映画の説明を書かないとまずいぞ…

映画感想 たまこラブストーリー

 2月4日視聴!  そういえば『たまこラブストーリー』って見てなかったな。Netflixにはないわけだけど、Amazon Prime Videoには……あった! しかも無料だ!  というわけで視聴。  制作年度は2014年だから、今から6年前。州崎綾がもっとも美少女キャラをやっていた頃だ。もうそんなに時間が経ってたか……。  まず、テレビシリーズ版である『たまこまーけっと』という作品について。『たまこまーけっと』は山田尚子監督の前作である『けいおん!』を延長した作品であり、

映画感想 生徒会役員共

 2021年1月『生徒会役員共』の劇場第2弾が公開……されてた! 私は『生徒会役員共』の劇場版が制作されていることも知らず、公開後とあるコミュニティで話題にされているのを見かけて、そこでようやく知った。  ああ作ってたんだ……。テレビ放送からそこそこ時間が経っているのに未だに劇場映画を作るだけの人気があり、かつ作り手にもポテンシャルが残っている。そういう作品だったのか……と今さらに思い、それじゃその前作をAmazon Prime Videoで見てみようか……というのが今回視聴

映画感想 ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY

 2月2日視聴。  『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』は『バットマン』などを擁するDCコミック原作の映画で、『スーサイド・スクワッド』で華麗にデビューし大きな好評を得たマーゴット・ロビー=ハーレイ・クインの単独映画化作品である。  監督はキャシー・ヤン。中国系アメリカ人で、DC映画を監督することになった2人目の女性監督であり、アジア系監督としては初めての作品となる。脚本クリスティーナ・ホドソンも女性で、メインとなるスタッフに女性を立たせ、女性が中心となって指揮する映画としても