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もしも叶うなら

もしも叶うなら

実家の種苗店(タネ屋)を復活させたい!!

そう言ったら 天国の父はどう言うかな?!

わたしは2代続いたタネ屋の長女として
生まれました。
両親は跡取りが欲しかったようですが
生まれたのはみんな女の子
3姉妹でした。

子どもの頃から
跡取りになる男の子が欲しかったという圧を感じ続けたわたしは、タネ屋であることが大嫌いでした。
妹たちもそうだったと思います。
家がお店屋さんでも良かったのですが
タネ屋はダサいと思ってイヤでした。

普通の家のような玄関はなく
店が開いている時は店の入り口から出入りして
店が閉まれば、今から思えば勝手口だったのでしょうか
重いドアを開けて家に入りました。
 
普通の家の玄関に憧れていたので
結婚して、家に玄関が出来た時は
本当に嬉しかったです。

わたしたち3姉妹はそれぞれ近くに嫁ぎました。
父と母は二人でタネ屋を切り盛りしていましたが
父が72歳の誕生日の朝
実家の階段から転倒して
脊髄損傷で一瞬にして
身体の自由を失いました。 

父はそれまで店をしながら
いろいろな活動をしていました。
それなりに充実していたと思います。

なのに 一瞬にして車イス生活に
1年以上入院してリハビリしていましたが
歩くことが出来るはずがありません。

母もしばらくは一人で店を開けていましたが
やむなくタネ屋を畳むことになりました。

このことが、大嫌いだったタネ屋をと思う一因だと思います。
父がやり切って店を畳んだのではなく
余儀なくだったからです。

ただ、店を畳む前に
父と母、わたしと妹で
店をどうするか家族会議をした時
わたしは継ぎたいと言いましたが
父は何も言わず
妹たちにも反対されたので
結局断念しました。

今から考えれば
わたしには今程の思い入れが無く
それを見透かされていたのだと思います。

父はタネ屋を再開するのは断念していましたが
歩けるようになって農業塾をすると言って
亡くなる少し前まで
泣き言も言わず
リハビリを続けてました。

7年間、本当に立派でした。

父が亡くなってしばらくして
テレビで
20代か30代くらいの子が
実家の家業を継ぐために奮闘しているのを見て
自分が跡取りでありながら
継いであげられなかったことを悔みました。
父に申し訳なかったと思いました。

時を同じくして
50歳を過ぎ
これからの人生を考えるようになり
事前準備として起業セミナーや教室に参加するようになり
わたしにはタネ屋の店舗があることに気付きました。

しかしタネ屋を復活させたいのですが
わたしも今年55歳。
農業はしてますが
果樹栽培なので
野菜を主に取り扱うタネ屋を
今から勉強して開店するのは難しい。

店舗をどのように使うか
わたしなりに考えてみたのですが
これといって何もなく
いろいろなセミナーや教室に参加して
あれもいいなこれもいいなと
流されている自分に気付く。

わたしダメやわ

とりあえず口にしないと
絶対実現することはないと思い
周囲にわたし起業するから!!と言い放ち
何するん?と聞かれて 答えられず
自問自答しながらセミナーや教室に出向き
いろんな人と出会い再び自問自答する。

考えれば考えるほど沼に落ちていく。

そんな日々が1年くらい続き
少しづつ自分の中で答えが見えて来ました!

自分が好きで、世の中の需要がなければそれは成立しない。
プラス ストーリー そこでやる意味

自分が何をしたいか
世間は何を求めているか
タネ屋とのストーリー

それが大事
かといって、そこまでお金にしたいわけでもありません。

人生100年時代
残りの人生 夫とふたり、あくせくせず
楽しく有意義に人生を全うしたい。
と言いながらも
負けず嫌いのわたしは
やるとなったら
とことんやってしまいそうな気がしますが
 
店を夫と妹夫婦とで何らかの形で再建したいけど
今やっている農業は続けたい!
両立は難しいよな。

実家も空き家にしてしまったら
わたしたちの子どもにまで迷惑がかかるから
活用できれば活用して
最悪の場合は処分することも考えないといけないな。

出来れば、わたしたちの好きなことをするところ、言い換えれば秘密基地のようなところにしたいな。

試行錯誤している内に
やはり農業に関することで
実家の店舗を再建したいと思うようになりました。
 
そんな折、わたしの住んでいる市が企画した
空き家対策セミナーで
利活用の方法や空き家バンクへの登録など
いろいろなやり方があることを知りました。

今、考えているのは
元住居部分は新規就農者の方にお貸しして
元店舗部分はわたしや新規就農者の方、
昔のタネ屋のお客様だった方々の作物を売るお店や
わたしや妹の好きなことを発信する基地にしたいということ!

どこまで出来るかわからないけど
これからのわたしの人生を悔いのない人生にするために
少しづつ
少しづつ
やってみようかと思っています。

でもね

ほんとはね

もしも叶うなら
父に農業を教えてもらいたい!!
一緒に作物を育てたい!!
タネ屋をやりたい!!

叶うはずのない願い

恐らく父はわたしに

自分の力でやってみなさい!!

そう言いたいのだろう。


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