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短歌初心者、また歌会に行く(オンライン第二弾)

 先日、第三回隣席歌会が開催されましたね!今回は感想記事を含む雑談日記です。

 隣席歌会とはVtuberの古書屋敷こるのさんの開催するYoutube上の歌会です。ガチな歌会というより、リスナーが自身の作った歌を皆で持ち寄って、その歌についてわいわい話す緩い企画です。はじめは「短歌なにそれおいしいの」だった参加者も三回目になり慣れてきたのか、だんだんと成長している気がして後方ニコニコできちゃうのも素敵。

 今回はテーマ詠『身体』なので、身体についての短歌が勢揃い。前回の歌会後、「短歌おもしろい!!たくさん詠むぞー!」とテンションをあげたのに、特に何もしていなかった自堕落な千早は前日、初谷むいさんの『花は泡、そこにいたって会いたいよ』を読みながら、身体......手......脚......頭......などと封印されしエクゾディアに想いを馳せる決闘者がごとく唸っていました。全自動わんこ、大好きすぎる。結果、詠んだ歌がこちら。

「協調性が足りないようです」化粧パレットの集団面接三色めから

 化粧ってとても身体的な行為だと思うのです。社会に適応するためや自己を表現するために自身の容貌に変更を加えていく。戦化粧なんて単語もあるけれど、実際に自身に施された化粧が、外の世界に出ていくための自信や武装になっていたりもして、この戦闘準備感含め行為としてとても好きです。強いられる化粧はしんどいけどね。

 そんな感慨から出発して思い出したのが化粧パレットのこと。化粧が身近でないと「化粧パレットって何?」となる気がするのだけど、メイクに必要なさまざまな化粧品が一つのパレットに集約されたアイテムのことです。主に連想していたのは、アイメイク用に使うことの多い、絵画の絵の具パレットのようにちょっとずつ多彩な色が並んでいるやつですね。

 昔、某フリマアプリ経由でちょっとお高いブランドの中古メイクパレットを安く買ったことがあって(「これどう使うの?」的な色まであったりした)友達と「肌に合う/浮いちゃう」などと、手の甲につけてなんちゃって品評会をしたことがあります。その様が一種の面接っぽいなって。

 作者的には今回の歌は、買った様々な色を「これはどうだろう」などと鏡の前で試して面接官ごっこをする人間を思い浮かべていました。一度にたくさんの色を試しているのかもしれないし、「今日はこの色とこの色」と面接しているのかもしれない。普段、見られる/評価される側であろう属性の主体が色相手に選ぶ側をやっているの、ちょっとひねくれたお気に入りポイントです。

 ちなみに今推敲するなら、化粧パレットという単語をメイクパレットにしますね。そちらの方がカタカナでメイクパレットという言葉が浮くので、異物感が出て好き。

「協調性が足りないようです」メイクパレットの集団面接三色めから

 歌会では「色が化粧パレットに選ばれる色を面接している」とか「厚化粧の面接官を揶揄している」とか作者の想定していなかった読みが飛び出してきてめちゃめちゃ面白かったです。読みに正解はないので、ひとり画面の前でニマニマしてました。想定していない読みって脳が刺激される楽しさがあって癖になります。

 千早も日常的に化粧するタイプではないのですが、自身と全く違った主体のことを詠める自由さ素敵だなあと、また短歌のことが好きになりました。第四回以降も末永く楽しみにしています。また短歌の練習するぞー!(ほんとか?)えいえいおー!

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