見出し画像

ゴジラの存在は善か悪か?

「ゴジラ-1.0」が米国アカデミー賞で視覚効果賞を受賞しました。ハリウッドの大作と比較して圧倒的に少ない予算で、迫力のある映像を生み出せたことが評価されたとか。日本人クリエイターの底力を世界に示すことができました。関係のみなさま、おめでとうございました。


1954年、記念すべき第一作の公開から、数多くのゴジラ映画が製作されてきました。昭和ゴジラが15作、平成ゴジラが13作、2010年以降では「シン・ゴジラ」と、現在公開中の「ゴジラ-1.0」の2作があり、その総数は30作に及びます。(このまま続ければ、いつか寅さんシリーズの記録を抜くこともあるかも?) さらにハリウッド版やアニメ版も含めると、その作品数は40作近くになります。

長いゴジラ史を通じ、そのキャラクター設定はたびたび変容しています。昭和期の作品のいくつかでは、他の悪役怪獣を倒す正義の味方でした。一方、(「シン・ゴジラ」や「ゴジラ-1.0」の設定もそうですが)本能のままに暴れ、街を破壊する厄介な存在として描かれた作品も数多くあります。ですが、そうしたケースであっても単純な悪役にはならないところがゴジラという名優の奥深さなのです。

1954年製作の第一作はどうだったのでしょうか?
先に提示した正義の味方か、厄介者かという区分でいけば、明らかに後者なのですが、第一作のゴジラは、水爆実験によって棲み家を追われた古代の生物という設定でした。つまり厄介者ではあるが、人間の愚かさを示唆する存在でもあるのです。ちなみに、「ゴジラ-1.0」では、戦争の象徴でした。

キャラクター設定が絶妙だったのが2014年公開のハリウッド版「GODZILLA ゴジラ」でした。本能のままに巨大生物と戦うその姿は、一件、厄介者パターンのように見えましたが、さにあらず。ゴジラは作中で破壊神と表現されており、敵を倒し、海に帰っていくゴジラを見守る人々の温かい視線が描写されていました。

これからも時代性を取り込み、新たなゴジラ像を示し続けてくれることを期待しています。
頑張れ、ゴジラ!

【追伸】
4か月ぶりの投稿となりました。更新が止まっていた期間中、新作を執筆しており、先日脱稿しました。(晴れ晴れとした気分!)全5章から成る作品ですが、第一章のみを、無料公開しようと考えています。詳細が決まりましたら、お知らせします。

<作品情報>
小説投稿サイト「エブリスタ」に作品を公開しています。
声 - 小説投稿エブリスタ (estar.jp)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?