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町内会の清掃をサボってわかったこと①

今か昔か?
とある世界の片隅に町内会長がいました。
今日は月に一度の町内清掃の日。明け方雨が降りましたが、今は止んで町内清掃は決行。
町内会長の名に恥じぬよう完璧な時間にするつもりです。

いつものメンバーの点呼を取ると最近棲みついた流れ者の家へ向かいます。町内会長はまだ流れ者と会話したことがありませんが、メンバー達によると流れ者は目を合わせず積極的なタイプには見えませんが、挨拶を返さない訳でもなく定時に通勤、帰宅をする真面目なタイプだそうです。

「おはようございますー」
町内会は元気に挨拶をしながらベルを押します。しかし、中から返事はありません。

流れ者の心の声
「オレは誰とも馴れ合わない流れ者。何が悲しくて町内の奴らと清掃なんぞしなきゃならんのか。オレは好きに暮らす、ゴミが落ちて雑草が茂っていても気にならん。お前らはお前らの世界で満足すれば良い。ほっといてくれ…」

町内会長たちは流れ者の家のベルを鳴らしますが、中にいるはずの流れ者は息を潜めて気配を消します。そう、これは『居留守』です。

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