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【陶芸入門】釉薬の作り方~特徴や種類、選び方のポイント

陶器を見ていると、表面がさまざまな色をしていたり、つるつるとした質感やザラザラとした質感など触り心地が違ったりしますよね。

これらの違いは、使っている土や焼き方による場合もありますが、ほとんどが釉薬によるものです。

釉薬は「ゆうやく」と読んだり「うわぐすり」と読んだりしますが、どちらも意味は同じで、陶磁器の表面をコーティングするためのもの。

原料を自分で調合して作ることもできるので、いろいろな原料や割合を試しながら出したい色や質感を目指すこともできます。

そんな奥の深い釉薬の基本と、大まかな種類や選び方について解説していきます!

釉薬とは陶磁器の表面を覆うガラス質

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釉薬とは、陶磁器の表面をコーティングしているガラス質のこと。

器に水が染み込むのを防いだり、汚れにくくしたり、器の強度をあげたり、装飾のために使われています。

釉薬をかけて焼成すると、釉薬が溶けて素地(土)の成分と融合して一体化するため、普段使いしたり洗ったりしても剥がれることはありません。

※釉薬がうまく溶けずに浮いてしまっているなど、失敗したものを除く

原料が変われば色も質感も変わりますので、釉薬を使い分けることでさまざまな見た目の陶磁器を作ることができます。

炻器や土器など無釉の焼き物もありますが、日用品として使われるもののほとんどに釉薬がかかっています。

また釉薬をかけずに焼き、窯の中の灰がかかって釉薬となる自然釉(しぜんゆう)の焼き物を作っている産地もあります。

釉薬の基本は「溶かす」「接着する」「ガラス化する」

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釉薬を作る際に使われる原料は、釉薬を「溶かす」ためのもの、素地と「接着する」ためのもの、そして「ガラス化する」ためのものに分けられます。

もしくは、釉の原料となる「出発原料」と溶けるのを助ける「アクセル材」、そして溶けて流れるのを防ぐための「ブレーキ材」という分け方をされる場合もあります。

釉薬に必要な働きをさせるための原料を入れ、そこに着色のもととなる原料を混ぜることで色のついた器が出来上がるのです。

釉薬を自作するのであればこの基本を知っておく必要がありますが、市販された釉薬や陶芸教室に置いてある釉薬を使うのであれば、知識として頭にとどめておくくらいで問題ありません。

釉薬を質感別に分けると大きく4種類

釉薬にはたくさんの種類があり、分類の仕方も何を基準にするかで変わってきます。

ここでは、質感によって大きく4種類に分類して説明していきますね。

透明釉

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素地が透けて見えるような透明な釉薬のこと。表面はつるつるとした手触りになります。

無色透明で素地の色を生かす使い方もできれば、色のもととなる原料を混ぜて色のついた透明釉を作ることもできます。

下絵などで模様を描く場合は、無色透明の土灰釉や石灰釉を用いる場合が多いです。

貫入と呼ばれる細かいヒビが入る釉薬もあり、ヒビの模様も面白さのひとつ。

マット釉

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釉薬の成分が溶けきれずに表面に細かい結晶として残り、ツヤが出ない状態の釉薬をマット釉と言います。

透明釉のようなつるつる感はなく、色も不透明。モダンな印象でもあります。

白いマット釉をベースにして顔料を混ぜれば、さまざまな色のマット釉を作ることも可能。

あえて釉薬が溶けきらないようにしているため、食器として使うと汚れが取れにくかったり汚れた部分が変色しやすいなど、使うときに気を遣った方がいい釉薬でもあります。

結晶釉

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釉薬の中に存在する結晶が見える状態なのが結晶釉。他の釉薬にも結晶はあるものの、細かいので見ることはできません。

目に見えるほどの大きな結晶を作るためには、釉薬に亜鉛華を混ぜ、焼いて冷ますときに一定温度で保つなど、特別な焼き方が必要になります。

結晶のサイズや色によってさまざまな種類の釉薬が存在します。

乳濁釉

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表面はつるつるに焼きあがるものの、釉薬の層の中に結晶があったり層が分かれていることで濁って素地が透けて見えない釉薬のことを乳濁釉と言います。

乳濁というものの、白っぽい釉薬だけではなく曜変天目釉などもこの分類になります。

つるつるしているため食器などの日用使いには便利。同じ成分でも焼き方によっては表面がツヤ消し状になったりと、面白い釉薬です。

使い勝手も考慮して釉薬を選ぶのがポイント

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さまざまな種類の釉薬があるため、最初はどの釉薬を使ったらいいのか迷うかもしれません。

釉薬を選ぶポイントとしては…

汚れにくく扱いやすい食器を作りたいなら透明釉
染付(絵付け)をしたいなら透明釉
モダンな雰囲気を出したいならマット釉
人と違った作品を作りたいなら結晶釉、乳濁釉

といったところになります。

もちろん、好きな色や質感があると思いますので、気に入った釉薬があるならそれを使ってもいいと思います。

また、古い食器などに使われている釉薬を自分で再現しても面白いですよ。

ただし陶磁器は、使う人のことも考えて作ることが大切。そのため、使用感なども考慮して釉薬を選ぶようにしましょう。

釉薬のまとめ

釉薬は陶磁器の表面をコーティングするものなので、作品の印象を大きく左右するものでもあります。

逆に言えば、釉薬選びや釉薬掛けが作品の鍵となる可能性もあるということ。

そのため、どんな釉薬があってどのような特徴を持っているのかを知っておくことは、陶磁器を作る上でとても大切です。

市販の釉薬を使うだけでなく、本やネット上にあるさまざまなレシピを自分で調合してオリジナルの釉薬を作れば、より一層陶芸を楽しむことができると思いますよ!

文:ユキガオ 

より詳しい陶芸情報は、下記の『陶楽』でご覧ください。

陶芸情報サイト『陶楽』運営者 小暮貢朗

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