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第3回 俺の仕入れ営業

第3回にして遅ればせながらメンバー自己紹介!そして今回は「俺の仕入れ営業」特集です!現役不動産屋9名がそれぞれどのように物件を仕入れているのか手の内を明かします!参考になった不動産屋がいたら名前をタップしてTwitterフォローしてね!

1.ひとりでできるもん  ←タップするとTwitterアカウントに飛ぶよ!
こんにちは。ひとりでできるもんです。
Twitterではいつもクソツイばかりして、しかもそこそこ面白くて申し訳ありません。

私の不動産業界歴は、賃貸の客付から付帯商品の爆発するスプレーや消化剤を売る仕事や、不動産の買取再販事業者まで割と幅広く経験してきました。サラリー時代含めて業界歴は10年ほどです。現在はボロ雑居ビルをお借りして宅建業の事務所を構え一人で細々と仲介と買取再販の仕事をしております。今期でようやく4期目に突入し、ようやく独立直後の”一番ツラい時期”は過ぎたかな、といったところです。

そんなまだまだ小物感たっぷりな私が皆様へお話するのもおこがましいのですが、今回は任意売却のあれこれと売却の委任を預かるための手法ついて、少しだけ皆様にお話ししてみようかと思います。業界以外の方でも理解できるような内容で書きますので、百戦錬磨の皆様にとっては少し退屈な内容かもしれませんがどうかご容赦ください。

【任意売却とは?】
明確な定義が定まっているわけではないですが、業界内では「債務の支払ができなくなり、所有する不動産を競売による落札を回避すべく、自主的に売却をする行為」を指します。なので、任意売却(略して"任売")は売主は基本的に支払いに困っている状況であり、裁判所からの差押通知が来る前の状況の人もいれば、既に競売開始決定して開札目前の人まで様々です。それぞれ事情の違う売主を保全するために、正しい知見をもって適正なアドバイスが求められる少し特殊な売却方法です。

【任意売却の情報源はどこで仕入れるのか?】
情報源はいろいろとありますが、最も一般的な情報源だと「配当要求終期の公告」というものがあります。これは債権者(抵当権者)が自分の債権を担保している物件を競売開始する場合(このケースの事件番号記号は(ケ)になる)や、抵当権を設定していない場合でも売主が不法行為等で相手方に損害を与え、賠償金の支払いができない場合等に債権者が裁判所へ申し立てをして債務者の保有資産を競売開始に至った場合( このケースの事件番号記号は(ヌ) になる )に、その競売開始手続きに入る物件に債権を持つ他の債権者への配慮として「この売主(不動産)に債権がある方は落札代金から配分を受けることができますので期間内に名乗り出てください」という公告が地方裁判所内に公告されます。東京では目黒本町に所在する「東京地方裁判所民事執行センター」がそれに充たります。
この公告情報をもとに、登記簿謄本を取得して売主の氏名住所を特定していきます。

【事件番号(ケ)の具体的なケース】
一般的に、事件番号が(ケ)の場合は一番抵当権者が競売開始申立をしている場合が多く、一番抵当権者の債権が完済できる金額で任売が見込めれば仮に二番、三番抵当権者の債権を完済ができなくてもハンコ代等で任売が成功するケースが多い。
過去に私が着手した事例で説明をすると、

A・・・債務者(売主)
B・・・1番抵当権者(債権額5,000万円)
C・・・2番抵当権者(債権額300万円)
D・・・3番抵当権者(債権額50万円)

上記のケースでAはB,C,Dから借入をしているが支払いが困難になりB(及びC,D)から抵当権を実行され競売開始が決定した。Aの保有する不動産は市場価格で5,000万円程での落札が見込まれる。抵当権の性質として、競売落札価格から抵当権者への配分は、上位抵当権者の債権額へ全額配分されてから次の抵当権者への配分となされる。つまり、この場合では競売で5,000万円の落札がなされた場合は1番抵当権者へ全額配分され、C,Dは一円も回収ができない。
これではC,Dはたまったものではありませんので、そこで、競売ではなく任意売却に持ち込むことによってC,Dに対し10万円程度のハンコ代を払う暁に「抵当権抹消に同意してください」と交渉することにより「まったく回収できないよりはマシか。。。」と任意売却を進める。ただ、これでC,Dへの債務が抹消するわけでありません。(無担保債権)

【事件番号(ヌ)の具体的なケース】
一方で、事件番号(ヌ)の場合は所謂抵当権に基づかない競売実行ですので、債務の内容が非常に重要です。たとえばこんなケースがありました。

A・・・債務者(売主)
B・・・競売申立人(Aの元妻、債権額500万円)
C・・・一番抵当権者(債権額5,000万円)

上記のケースで、Aは不倫行為をしてBと離婚した。BはAに対し慰謝料の請求をしているがAは支払いに応じないため裁判所へ申立てをしてAの保有する不動産を競売にかける判決を得た。見込みとしては5,000万円程度での落札が期待できる。しかし、この物件にはCの一番抵当権者がいる。差押がCよりBのほうが先であっても上位抵当権者が配分優先され、Cの債権額が5,000万円であるのでBへの配分は残念ながら期待ができない。そこで、Bに対し「ハンコ代」の交渉をしようとしましたがBはこう返答しました。
「私は債権額の回収が目的で競売を開始していません。Aがより苦しみ、多く精神的ダメージを与えるのが目的です」
こうなると競売取下はまず無理。Aの成仏を祈りつつ次の案件へ行きましょう。
上記の通り、任意売却は差押の対象となる不動産と債務のバランスと内容がとても重要になります。

【登記簿謄本から債務者の背景を推察する】
配当要求終期の公告から不良債権情報を入手後は、登記簿謄本をあげて所有者情報を調べていきますが、ここで重要なのは経費をケチって「所有者事項」ではなく必ず「全部事項」を取得したほうがいいです。先ほど説明をした通り、任意売却は債務と資産価値のバランスや債務者の背景が非常に重要ですので、全部事項をあげて登記簿謄本から可能な限り物件の状況と債務者の背景を推察します。

例えばこんな具合です。
・物件の規模や築年数
 →流動性の高い物件は競合も多いのであまりに注目度の高い事件は追わないほうがいい。
・債権者名
 →変なところから借りている場合はややこしくなる場合がある。
・債権額
 →不動産価格からみて高すぎないか。
・取得時期
 →返済がどのくらい進んでいるのか。
・差押履歴
 →過去に税金等で差押を繰り返している場合、だらしない所有者であるイメージ
・共同担保有無
 →ほかに不動産を所有しているか。

こんな感じで、一枚の登記簿謄本から第六感を研ぎ澄ませて債務者の生活背景や債務の全体像をイメージして最適な営業手法を探っていきます。

【ライバル業者に勝つために】
配当要求終期の公告がなされたその日から、住所の特定ができた債務者へ任売業者が怒涛のように訪問、DMが大量に届くようになります。なのでこの配当要求からいかに早く債務者にアプローチできるかが媒介取得のカギとなる。また、自分がアプローチした後に来た業者になびかれないよう工夫が必要です。
私が過去に他社排除ツールとして使っていたこの「訪問業者排除ステッカー」はかなり有効でした。

シール

初回の訪問時にこれを差し上げると、債務者さんは「これをインターホンに貼り付けたらマジで業者訪問がなくなりました!ありがとうございます!」と喜んでいただけました。こうなると他社を排除しつつゆっくりと債務者さんと話ができるので、媒介取得はほぼ間違いないでしょう。
媒介取得は地道な営業活動も当然必要ですが、このように工夫を凝らして他社と差別化する動きもとても重要です。

任意売却の売主は基本的に困窮している状況にあるため、少しでもあなたの味方ですよと感じてもらい、心を開いていただけるかが肝でありながら、且つ、こちらから「当社に任せてください!がんばります!」とお願いするのではなく、債務者から「なんとかしてほしい、助けてください!」と頼りにされる立ち位置にあがれるかが重要です。債務者さんとよく話をして、何に困っているのか、今後どうしていきたいのかをよく理解して最適解を一緒に目指してサポートしていきたいものですね。

最後に、訪問営業やDMで営業する場合は当然のことながらまずは物件の特定を間違えないこと。スピード勝負な任売営業だからこそ、業者でも物件を間違えて営業してしまうケースがあります。
私は過去に差押されてない地主の家に威勢よくインターホンを押して「僕が差押解除して競売を止めてきますから安心してください!」と飛び込み、盛大にお茶をぶっかけられました。馬鹿だよね。。。


2.全空くん

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